藤井聡太五段の凄まじい角切り!先手矢倉の新たな脅威出現!後編2



嵐の前の静けさ。大戦の前夜。

早速棋譜の続きですが、その前に前回の局面を再掲載します。

私ならばすぐにでも△87歩成としたいところですが、ぶつかった歩をそのまま放置して△75歩ともう一本歩を突きだしたところです。この△75歩が、「開戦は歩の突き捨てから」を地で行く手です。総攻撃のまえの下準備のようなこの指し手が、次の手の厳しさを予感させます。まさに嵐の前の静けさといった感じです。

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桂の逆モーション!居飛車の飛車は働き者。

▲同 歩 △8七歩成 ▲同 金 △8五桂 ▲8八銀

後手が△65歩と打って位を確保した手が、桂馬の跳ねる場所に歩を打った感じがして、なんとなく違和感があったのですが、△85桂と逆に跳ねる手を見ると、なるほどな~って思います。角が睨んでいるので、銀を▲86に上がると、香車が取られる変化もあるため、▲88銀とするしかないのかなって思いました。

遠く▲28飛車の横効きが通っているので、△86歩と打たれて同金とされても▲88銀に紐がついています。居飛車の28の飛車は攻めては敵玉頭を睨み、守っては自らの玉頭を守ると言われますが、まさにそんな飛車ですね。

攻め駒の補充。

△5四銀▲7八玉 △5五銀 ▲同 歩

△54銀とした手は、攻め駒の補充をはかった手ですね。この手に対し同金と取ると、角道が通ってくると同時に、同飛車と飛車でとり返した手が飛車が捌けて縦横無尽の活躍の予兆です。

▲78玉とした手は、少しでも守りの金銀に玉を近づけて、玉の守りを強めた手です。玉が今の位置のままだと、交換した金を67当たりにべたっと打たれるともう生きた心地がしないと思います。

△55銀に対して▲同歩と取り返した手は、後手の角道を歩で止めて、手順に歩が伸びているので先手としてはいい感触の手だと思うのですが・・・。

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狙いはむしろ伸びた歩だった。天王山に飛び出した角。

△5六歩 ▲同 銀 △5七金

この△56歩▲同銀としてから、57の空いた空間に金を打ったのが、私は全く思いつきませんでした。指されて見るとなるほどなんですが。例えば一目▲67銀打ちと受ける手が浮かびます。しかし、これを指してしまうと、すかさず△66歩と突かれてしびれます。銀が一枚ただで取られてしまいます。でも、▲65銀と逃げられるので、あまり厳しそうでもないなって思ったのですが・・・とんでもなかったです。

▲6五銀 △4七金 ▲2六角 △5五角

△57金の意味は、後手の角をどかして先手の▲55歩を浮きゴマにすることにあったのです。銀は横に進めないという弱点をつかれてしまい、△47金と金を寄った手に対しては角を逃げざるを得ません。この角の逃げ場所は、後手の金を睨んで▲26角が自然と思います。後手はこの△55角と天王山に飛び出した手が飛車取りの先手です。

驚愕の一手さく裂!!藤井五段の角は美しく逞しい!

▲1八飛 △1九角成

あまりにも衝撃的だったので、画像を載せました。この手がこの記事のなかで最も中心となる一手です。この一手を紹介したいがために記事を書いたといっても過言ではありません。

この手を見た瞬間、目を疑いました。まったくもって予想外・・・・驚愕の一手です。

駒の損得にこだわりのある人には、全く理解しがたい一手です。角とへんぴな場所にある香車との交換です。

「飛車を逃げても許しませんよ、この角には帰りの燃料入ってませんから」って感じの手です。

びっくりしましたよね。うん、びっくりです。これがあるなら、飛車を別なところに逃げれば、まだ飛車取りになっていなくて、別の違う手指せたのにって感じです。

こんな手を指されたら、きっと私が先手をもっていたなら、頭の中は真っ白です。

それにしても藤井五段の角は美しいです。そして強く逞しいです。この角の使い方に私はとても魅かれます。

今日はこの辺で。続きは次回に。チャオ!

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