藤井聡太五段の凄まじい角切り!先手矢倉の新たな脅威出現!完結編 稲妻の角



先手必死の防戦。反撃のための布石

早速棋譜の続きですが、その前に前回の局面を再掲載します。


後手が△76銀と先手の守りの急所の▲86金の横に打った局面で、▲62角成と金をとりました。この時、竜で馬を取り返すと、せっかく打った76の銀が取られてしまいます。なので、後手はここからどうやって攻めを継続していくのか・・・

う~ん、どうするんだろう~~って見ていました。かなり行き詰る局面です。先手が入玉を視野に入れて逃げ切るか、それとも後手が攻めを繋げて勝ちきるか。
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王手△94香打ち!棋譜に残らないけれど、かっこいい詰みの形。

△9四香▲9五銀 △同 香 ▲同 金


後手△94香がシンプルな王手。この王手をどう受けるか?手持ちの駒で相駒をしますが、銀を防ぎに使いました。△同香車と取った手に対し、先手同金でしたが、これを同玉だとどうなりますでしょうか?私なりに考えてみました。

▲95同玉△94歩▲96玉△95歩・・①▲同金△97桂成・・②▲同桂△85銀打・・③▲同桂△77銀不成

でどうでしょうか。

①で△95銀と打ってしまいたくなりますが、これを▲同金と取ったを、△同歩に対し、▲86玉と寄られて詰まないと思います。

②は、発見した時はちょっと感動しました。こんな手があったなんて!この手を桂馬と玉以外の駒でとると、△85銀打ちで、超かっこいい詰み形です。金で取ると香車で串刺しにされます。

③は、桂馬にタダで銀を取らせることになりますが、こうしておいて、玉の逃走路をふさいで置いて、△77銀不成とひらき王手で詰まします。この”銀は成らずに好手あり”を地で行く感じが、かっこいいです。

そういうことで、先手は▲95同玉ではなく、▲95同金ととりました。ここで、どうやって後手は指すのでしょうか?

馬を取り、再度の竜の侵入。先手受け効かず。

△6二龍 ▲4四角 △6七龍▲投了


△95香車を▲同金と取らざるを得ない状況ということまで読んでいて、▲同金と取らせたことにより、▲62馬を竜でとることが可能に成りました。前述しましたが、金が▲86金の位置に居ると、△62竜と馬を取った時に△76の銀が浮き駒となっており、▲76金と取られてしまいます。

実に読みが深く、無数の変化の伏線を読みきった上で、こうするしかないっていう変化に追い込まれてしまいます。前述した詰みの変化などは、そのように指されたとしても、非常に美しい手順です。そういう表に出ない美しい手順が無数にあって、それらの上にこの棋譜はなりたっていることを考えると、とても感動します。
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自玉に詰み筋がないことを確認

先手は▲44角と△62の竜取りと22の地点への駒の打ちこみを見ています。しかし、後手は自玉に詰み筋がないことを確認したうえで、冷静に△67竜と竜を敵陣に侵入させます。この手をみて先手は投了します。この後、△78角からの詰みです。

△78角▲87相駒△同角成▲同銀△同竜。

仮に▲85金としても、やはり△78角です。

▲85金△78角▲86玉△87角成▲95玉△94銀▲同金△同歩。

また、仮に▲77金と受けると、

▲77金△同桂成▲同角△94銀で次に、△85金と打つ手を見せられると、後手玉に迫る手はなく、先手投了もやむをえないといったところでしょうか。

また、仮に▲77金ではなく▲77香車と受けると

▲77香△同桂成▲同角△94香で、次に△85銀を狙われます。

いかがでしょうか。

この将棋は、先手矢倉に対して、後手が急戦で挑んだ将棋ですが、先手が飛車先の歩を切り、矢倉の厚みが十分な形に見えたのですが、終盤の入り口で見せた後手の天王山の角から△19角成の稲妻のような角切りが印象に残る将棋でした。

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