藤井聡太六段 対 杉本昌隆七段。なるか師匠への恩返し。迎え撃つは伝家の宝刀四間飛車。小林九段の思いも重なる戦法。其の参



後手、理想的な攻撃の布陣。攻めの主役は角。

前記事からの続きです。参考までの局面を再掲載します。

前回、▲35歩~▲24歩の突き捨てがどうして入ったのか、という脇道について、書いていて、本道からおおきく逸れてしまいました。(-_-;)

ちなみに、前回の王手飛車の変化で行くと、▲68角ではなく▲59角と引いた理由も「そうだったのか~」って驚きます。私の棋力では、よくよく悩んで出した結論なんですが、一瞬で分かってしまうのでしょうね。底知れないものを感じます。

さて、さっそくですが、棋譜を。

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後手、相当な攻めの迫力。先手はどう受ける?

△4六歩 ▲同 歩 △9六歩 ▲同 歩 △9七歩▲同 桂 △9六香

後手は、お返しとばかりに、歩をどんどん突き捨てて行きます。この突き捨てが▲46歩同歩と飛車の走り道を作っただけにとどまらず、先手玉の急所である玉頭である端を攻めてきました。この局面の香車の走りは相当な迫力です。

一見すると、▲97桂馬で▲85桂と桂馬を取っても大丈夫な感じがしますが、遠く△33角が睨みを効かせているのを忘れては行けません。

手順の一例です。

▲85桂△97歩▲同香△同香成▲同銀・・・王様を角で抜かれます。

途中、▲85桂を△同歩と取ると、▲97歩と打たれて受け切られてしまいます。

さて、この後手の攻め駒が先手の急所に集中していますが、大丈夫なのでしょうか?

△33角、△85桂、△96香、この3つの駒が働いており、持ち歩も合わせれば4枚の駒が攻めに参加しています。4枚の攻めは指しきらないといいますが、この4枚が玉を直接攻めているのですから、相当な迫力です。いったい先手はどうやってしのぐのか・・・

先手、牛若丸のような柔らかい感じの受け。

▲3四歩 △4四角 ▲8九玉

う~~~ん。やはり根本の角をどうにかしなくてはならないのでしょう。そして何より驚愕したのは、▲89玉です。この玉寄り。藤井六段の攻めばかりが注目されるところですが、この玉寄りはすごいの一言です。

穴熊を指す人って、玉を99に置いておいたら、後はひたすら、金銀を薄くはがされたら埋めて、薄くなったら埋めて・・・これを繰り返して玉の堅さを一定にするということにこだわる傾向があると思います。なにより、玉の回りに金銀がいると安心しますから。

少なくとも穴熊好きでもある私の感覚はそうなんです。また私の対局してきた経験から穴熊を指す人の多くは、この99の位置の呪縛から離れられない人が多いように見受けられます。しかし、かなり個人的な見解でごめんなさい。

ただ、この▲89玉寄りを見た時、攻めの角と桂馬と香車の効きが集中している99の地点から、目標となっている玉を一マスだけずらすことで、かなり先ほどまでの状態よりも守備力が上がった気がするから不思議です。

まるで剣豪が最小限の動きで敵の切っ先をかわす姿をほうふつとさせます。また、伝説の五条大橋の牛若丸と弁慶と伝説も。がちがちの穴熊から一転、玉を一つひらりとかわす柔らかさというか軽さというか・・・。

続きは次回に。チャオ

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