藤井聡太六段対糸谷哲郎八段。屈指の好カード。伝説の棋士の得意戦法、阪田流向飛車出現!「月下の棋士」を読むと将棋が倍おもしろくなる。其の五



先手驚愕の▲23歩成!眠っていた飛車が龍になる?

前回先手が▲23歩成とした局面で終わりました。局面を再掲載します。

後手△76桂と跳ねて、金取りとした局面です。ここで、急所の金だし、金を逃げるのかなって見ていたら、何と手抜いて▲23歩成。

驚愕の一手です。後手は、桂馬で先手の王様の急所の守り駒を攻めています。一方先手は、後手の王様からほど遠い2筋です。攻めてる場所に圧倒的な開きがあるように見えました。少なくとも私には。しかし、▲23歩成とした局面を冷静に見てみると、やはり28の飛車が光っているように見えるから不思議です。

私なんかはすぐに持ち駒の飛車を敵陣に打って、香車とかをとりに行きたくなってしまうのですが、やはり、盤上の駒を働かせるということが重要なのですね。そうなるとやはり前に▲26歩と桂取りに打った手がすごいってことになります。

なぜなら▲26歩を打って▲23歩成りまでいかないと飛車が働かないからです。▲26歩を打った時点で▲23歩成まで手数をかけても大丈夫と判断できない限り、▲26歩は打てない歩です。

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とにかく飛車を止めるべく技を狙う後手。

△2七歩▲同 飛 △4五歩 ▲3二と △4六歩 ▲4二と △同金引▲4三歩

後手は△27歩と打ちました。この歩を打つのは、飛車走りを防ぐための布石の一つと思います。次いで△45歩と突きましたが、これは▲47銀と▲38金の連結を崩し、△49角とか△36角を狙った手だと思います。しかし、先手は▲32とと攻め合いに行きます。

後手は△51銀と逃げるとダメだったのでしょうか?仮に逃げた場合を考えてみます。

▲41と△62銀▲22飛車成。

この時、浮いている△52金とりをどう受けるか?ここで、二通りが思い浮かびました。

銀取りを手抜く?

一つめは、△68桂成▲同銀△61金

これだと、受けばかりに駒を使ってしまい反撃が難しくなります。また、先手には、3筋からのと金攻めや二枚飛車の攻めがあります。

二つめは、△46歩▲同銀△42歩です。

しかし、この手順も、▲44歩△同金▲42と。こんな感じで、どうやっても金駒を取られてしまいます。

なので△46歩と取りこんだんだと思います。しかし、この手も、▲42と△同金▲43歩、と4筋の歩が切れたのを逆用されてしまった感じです。それにしても、銀取りを手抜いて▲43歩とは・・・。いったいどこまで読んでいるのか・・・。

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後手、自陣角。金二枚を献上して狙う勝負手とは!?

△5四角 ▲4二歩成 △2七角成 ▲5二と △4七歩成

▲54角・・ん?・・・どっちかの金で同金じゃないの?

全く意味不明でした。ただで金を取らせてしまうのです。

先手は当然▲42歩成と行きます。後手は△27角成と飛車を取ります。この時、47の銀が離れていれば金をボロっと取れるのですが、残念ながら、46歩で取られそうですが47銀がかろうじてつながっています。この銀を見ていると、”駒は取られる瞬間が最も働く”と言われる理由が分かります。

先手は、馬を取れますが、これにかまわず、”▲52と”、と二枚目の金を取ります。

うーーん、後手は守備の金を二枚も渡してしまう手順がなんとも太っ腹に見えます。後手の△47歩成と攻めこんだ手は決断の一手です。自玉が詰まないと判断しなければ指せない手です。一見後手玉は何とも心もとない感じです。ほんとに大丈夫なんでしょうか?

後手は何かを狙っている、そんな匂いがぷんぷんぷんぷん× 漂うこの局面。

この一連の後手の指し手は鬼気迫る感じです。”肉を切らせて骨を断つ”、後手はきっとこれを狙っています。

今日はこれにて。続きは次回に。チャオ!

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