藤井聡太六段対糸谷哲郎八段。屈指の好カード。伝説の棋士の得意戦法、阪田流向飛車出現!「月下の棋士」を読むと将棋が倍おもしろくなる。其の八



大きな銀の存在感。漬物石のような▲75銀!

前回先手が▲75銀とした局面で終わりました。局面を再掲載します。


この▲75銀。後手玉の退路を断ち、先手玉を安全にする一手です。

将棋を始めたばかりのころ、待ち駒は卑怯だ、と友人に言われたことがありました。そんな言葉に惑わされて、追って追って追いまくって逃げられた・・・・そんな苦い経験もありました。(笑)

それにしても、一気に後手の玉が狭くなったことと、先手玉が安全になったことが、打たれて明確になりました。
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後手懸命の受け。

△8二飛▲8五桂 △9二玉 ▲8二龍 △同 玉


とにかく後手は、詰めろなので、何か受けなくてはなりません。そこで△82飛車打ち。▲同飛車成なら、龍が一応盤上から消えます。再度飛車の王手があったとしても龍ではないので、攻撃力を減らしたことになります。飛車交換がいやだからと、間に何か駒を打ってくれば、先手の攻めを遅らせることができます。

しかし、▲85桂を効かせてから飛車を交換します。85桂が手順に打てたことで、上部脱出の選択肢をふさぎました。

棋譜には表れないけれど、切り捨てられた枝葉の密度の濃い変化

▲5二飛 △7二飛 ▲7三桂成 △同 玉


先手は、▲52飛車と飛車の王手をかけます。後手は△72飛車の受けです。

ここで先手の▲73桂成がすごいの一手です。これ△同桂は詰むのでしょうか?

検討;

△同桂▲74桂△93玉▲82銀△92玉▲91銀成△同玉①▲93香△92合駒▲同香成△同飛▲同飛車成△同玉▲72飛車(詰み)

①で同玉ではなく△93玉と逃げた時は、成り銀をとってくれ~っとばかりに▲92成銀。

△同飛車▲同飛車成△同玉▲72飛車で詰みます。

これ詰むんですね~。一瞬にして分かってしまうのでしょうね。ほんとにすごいの一言です。

将棋ブログ通して、同じことを何度も言うようですが、枝葉の変化のひとつひとつの密度が濃すぎます。

というわけで△同玉です。
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激戦の後。熱量の残る終局。

▲7四歩 △8二玉 ▲7三銀 △(投了)


投了図以下ですが、玉が93に逃げる手は、▲85桂から詰んでしまいますので、△同桂しかありません。同桂以下、

▲同歩成△同玉▲85桂△82玉▲74桂△81玉▲72飛車成△同玉▲52飛車(詰み)

ですね。

 

まとめ

最後まで一手でも緩めば大逆転があるという一局で、はらはらどきどきの将棋でした。並べるだけで楽しい将棋というのでしょうか。

糸谷八段の最後まで逆転を狙い続ける勝負師的な姿と、藤井六段の必要最小限の守りの陣形をしきつつも、手厚く守るべきところで手を抜かない用心深さ。

一局通して、”詰むや詰まざるや”。

月下の棋士でも出てくる言葉ですが、まさしく月下の棋士を彷彿とさせる将棋だと思いました。

ちょうど今、桜が満開に咲き誇る季節です。月明かりの下で対局をしていたら、何とも風情のある景色だろうな、と思えてなりません。

もし出来ることならば、満開の桜の花見にかこつけて、ライバルと盤を挟んで将棋を指して、気付けば月の出る時刻になっていた・・・。

そんな美しい将棋の思い出を残すことができれば幸せだな~っと思いました。

おつきあいくださり、どうもありがとうございました(^◇^)

追伸:桜の写真です。まだ間に合うかも・・・


少しでも癒やしになれば幸いです。

 

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