ひふみんから藤井聡太四段へ 究極の世代間コミュニケーション 天才が天才に渡したバトン 其の弐



天才から天才へ引き継がれたバトン

時は2016年12月24日に竜王戦6組で、若き天才と、これまで将棋界を支え続けてきた稀代の大天才との対局が行われました。

加藤一二三 vs. 藤井聡太

この対局は、非常に意味の大きな対局であると、私は思っています。まさしく天才から天才へとバトンが渡された対局であると。

その対局の棋譜について、力及ばずながらも私なりに記事にしたい!!!って思ったんです。

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トップ棋士の宿命。挑戦を受ける側の姿勢に胸を打たれる。

前回の記事では、相矢倉加藤流の局面までご紹介しました。

局面を再度掲載します。

この局面、何度も何度も実戦で使用させていただきました。先手も後手も両方持ちました。

加藤九段は若手からはいつも挑戦される立場で、研究されつくされているという不利な状況を常に強いられています。これはトップ棋士の宿命とも言われ、仕方のないことです。

矢倉加藤流。自分が歩み続けてきた道を、信じた道を曲げない。そういう姿に胸を打たれます。

いつかご紹介したいと思いますが、羽生さんが若かりしころ、加藤九段相手に、加藤九段の得意戦法である角換わり棒銀で挑んだことがあります。この時、先手の羽生さんは加藤九段の戦法を研究していました。その時も加藤九段は自分の信念を曲げませんでした。

この将棋は”羽生の52銀”という伝説が生まれた対局でもあります。

その対局の姿がこの加藤流の出だしの局面を見つめていると浮かんできます。

幾人もの若手棋士が加藤九段に挑戦してきましたが、挑戦を受ける側の態度の見本を加藤九段は示してくれているように思います。きっとこれは将棋の世界だけのものではないのでしょう。

矢倉の魅力。水面下の攻防戦。

△3一玉 ▲6八角 △4三金右▲7九玉 △2二玉 ▲8八玉

玉を囲いあいます。矢倉の玉の位置が先手ならば▲88玉、後手なら△22玉ですが、この玉の位置が自分は昔、不思議で成りませんでした。

なぜわざわざ危険地帯に玉を囲うのか?

玉の位置は、よく見れば敵の最強の攻め駒である飛車の真正面です。しかも端には、角も効いているし、桂馬だけでなく、いつもなら端にくぎ付け状態の香車まで働いてきます。

攻め駒の中でも特に香車は、中央の戦いになれば取り残されてしまうことの多い駒です。

そんな香車が効いてくる場所に玉を近づけるわけです。

しかし、昔教えてくださった先輩が、”矢倉の玉の位置は、結局この位置が安全なんだよ”って言われてました。そのあとに続けて、

矢倉は、玉すらも守らなくてはならない。時に入玉することも狙っているからこそ、戦う囲いと言われる。自分の玉も危険ならば相手も同じくらい危険な場所に玉がいる。だから駒がぶつかるまでが矢倉は勝負なんだ。

と。

すごく納得したことを今でも覚えています。

矢倉の魅力の一つは、玉の位置一つが勝敗を決するほど、一手一手の駒運びが重要で、水面下での攻防戦が繰り広げられているところだと思います。

奥深さを感じます。

気付いたら負けていた・・・

まるで北斗の拳のケンシロウみたいです(笑)。

 

続きは次回。チャオ!

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