将棋は、角の違いが格の違い?阪田三吉と升田幸三 二人の天才を結んだ角。



あなたの好きな駒は何ですか?

「あなたは好きな駒は何ですか?」

そう聞かれることが将棋を指しているとありませんか?将棋を指す楽しみの中に、好きな駒をうまく活用するということがあると思います。

飛車は小さい子供や、将棋をはじめたばかりの方にとってとても人気のある駒です。頼りがいがあり、縦横無尽に活躍する姿がまさにヒーロー。敵の大将を討ち取ってきてくれるまさに大将軍です。

イメージとしては、アニメキングダムの王騎(おうき)将軍や、三国志の関羽のような存在ではないでしょうか。

余談ですが、関羽は大好きでまた別に書きたいと思っています。

飛車はそのくらい強い存在であるが故に、王様よりも好かれてしまいます。「王より飛車を可愛がり」とはよく言われたものです。歴史上でも君主が、自分より人気のある部下に対して警戒したり、殺したりするのは、このような心理が働くためであろうと、思っています。将棋から教わりました。例えば、日本の例で言えば、源頼朝が弟の義経を殺したことや、豊臣秀吉が自分のために働いた黒田官兵衛に対して、功績の割に大きな領地を与えなかったことなどがあげられます。

黒田官兵衛も大好きなのでまた別に書きたいと思います。

Sponsored Links

飛車の日陰にいる角?

飛車はとにかく、強い駒なので、注目を集めるのですが、その傍らでもう一つの大駒が逆に暗い目を向けられるように感じるのは、気のせいでしょうか?

角という駒です。この駒は、飛車と立場が同じくらいに扱われるのに、なぜか将棋をはじめたての方などから敬遠されます。話を聞くと、「使いにくい」「取られるだけの駒」「飛車先の歩をついて来られると金で守るしかない」・・・

など、やっかいもの的な見方をされるようです。

しかし、ある程度将棋を指してくると、角が好きという人も増えるようです。私は角が好きなのですが、最初は好きではありませんでした。やはり、最初の内は、使いにくくて、何のためにあるのかって思ったことがあります。

阪田三吉が見抜いた升田の大きな角

好きになったきっかけは、升田幸三氏の本を読んだことがきっかけでした。「名人に香車を引いた男」という本です。升田幸三氏は、知る人ぞ知る、戦前戦後にかけての将棋界のスターです。1991年4月5日に亡くなりますが、亡くなった後も、その考え方や編み出した戦法などは、現在もなお、今の将棋に多大な影響を与えています。

この本は升田さんが自身の経験を書かれており、自分にとって、角が好きになったきっかけをくれたところを引用します。

 

阪田三吉というこれまた伝説の棋士と言われた人物が、若かりし頃の升田さんに初めて交わした会話の一部です。

阪田さん:

”あんた2年前、うちの星田と将棋指したやろ。あんとき角を打ったやろ。あの角が大けな将棋や。ちっさい将棋では打たれへん”

引用元:升田幸三「名人に香車を引いた男」朝日新聞社 p107

 

これに対して、その言葉を升田氏がどう理解したのかというのが次です。

”角を敵陣に打って成るという目前の利を捨て、自陣に打った。自陣に打てば、角自身の活用は望めない。だが角を犠牲にすることで、いままで遊んでいた駒が生きてくる。よく大局を見た計画であり、その構想は雄大である。だからお前の将棋は大きい”

引用元:升田幸三「名人に香車を引いた男」朝日新聞社 p108

 

この時の升田さんは、有名ではありませんでした。阪田さんは、そんな誰も注目しなかったような人物が後に大将棋指しになることを見抜いていました。しかも、後に全盛を誇ることになる木村義雄名人はこの時はまだ八段であり、その木村さんを倒すのは升田さんしかいない、と宣言した阪田さんは、まさしく慧眼であると言わざるをえません。

Sponsored Links

まとめ

このエピソードを知った時の自分は、正直かっこいいと思いました。自分の将棋に対する見方も、角という駒の使い方を磨くことがが将棋の器の大きさを大きくするこにつながるのでは、と感じました。それからの角に対する見方が変わったのも事実であり、角の働きに注目し、大事に使うようになりました。

角に注目してどのように自分の将棋が変わったのか?そんなこともいつかご紹介できればと思います。

Sponsored Links