雁木と矢倉、飛車先歩交換の是非と右金の位置。森下卓九段に挑む愛弟子増田康宏五段。



★飛車先の歩交換の是非

”飛車先の歩の交換は、交換した方が有利となる。”

この鉄則こそが私が雁木を指さなかった理由であり、私が雁木よりも矢倉の方が優れていると考える理由でした。

局面はいよいよ、矢倉と雁木の特徴が表面化する場面への進んでいきます。

前回までの局面を再度掲載します。

さて、この局面からの先手の指し手は、すぐに飛車先の歩交換にいくのか、それとも別に駒組みを進めていくのか。先手としてみれば、後手の角が33の地点に釘付けにしておいて、ある程度まで駒組みを進めたいところだと思います。

後手の角が33の地点に釘付けというのは、例えば△42角と引くと、そこで▲24歩と突けば以下、

△同歩▲同角△同角▲同飛

となって△42角の一手が無駄になってしまいます。

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★右金の位置。一段金か三段金か。

▲3六歩 △7三桂 ▲6七金右 △6四歩 ▲3七銀 △8五歩

この局面を見ると、矢倉と雁木の違いが非常によくわかるのが、右金の位置です。

矢倉を指し始めの頃に、

「一段金に飛車捨てあり」

という格言を覚えました。そして金は、下にいればいるほど働くということだと思っていました。

なので、金矢倉の▲67金を見ると、とても違和感を覚えました。

「金は一段目がいいのでは?なんで三段目?」

こんな思いが、矢倉を指し続けていてもずっと消えずに残っていました。

比較して雁木の右金は△52金ですが、非常にどっしりとしていて安定しているように思えます。

ただ、雁木はこの玉の位置からあまり堅くならない。このことが矢倉と比較して劣っているのかもって思っていました。

まさにあちらが立てばこちらが立たずですね。

 

★飛車先の歩交換が実現。最強の角の睨み!

▲2六銀 △6五歩 ▲同 歩 △4五歩 ▲6六金 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛

先手はなんと▲26銀と角頭を攻めに行きました。この瞬間、銀が陰になって飛車先の歩交換ができなくなっています。

この瞬間後手は△65歩と仕掛けます。この歩を突き捨てておいてから、△45歩と角道を開けました。この△45歩が、まるで居合抜きのような、鞘から抜かれた刀のようです。こうなると角の睨みが最強です。

先手は次に△65桂と跳ねられるのを警戒して▲66金と立ちました。しかし、この後、意外な一手が出現しました。

△86歩▲同歩△同飛!

です。

この飛車走りが非常に意表をつく一手です。

これに対して、飛車が取れるとばかりに、▲86同銀と指すと、すかさず△66角と金を取られてしまいます。

この△66角は、△39角成と△99角成の両狙いです。こうなってしまうと飛車を取っても割に合いません。

さて先手はどうするのでしょうか。

 

続きは次回に。チャオ!

 

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