矛と盾。矢倉の受けと雁木の攻め。どっちが強い?森下卓九段に挑む愛弟子増田康宏五段。



★後手、飛車走りの奇襲!

いよいよ駒がぶつかり、中盤戦に突入です。

前回までの局面を再度掲載します。


△86歩▲同歩△同飛と、後手の飛車が、思わずえっと叫ぶような感じで走ってきました。

ここで飛車を指しだすとは・・・・って感じの一手ですが、「飛車をとりたーい」、という気持ちと、「これは毒まんじゅうでは?食べたらあかんのでは?」、という気持ちが頭の中に渦巻いていると思います。

 
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★意外、雁木陣が先に角の睨みを活かして飛車先歩交換を実現!

▲8七歩 △8一飛


う~ん。結局先手は飛車を取りませんでした。この飛車を取らなかったということが、後手にとって、飛車先の歩交換の実現となりました。

この局面を見ると、なんか不思議です。最初、先手が▲26銀と出るまでは、先手に飛車先の歩交換の権利がありました。しかし、結果的に先手はそれを見送り、後手が先に飛車先の歩交換を果たしました。しかも、飛車先の歩交換をされたのは矢倉陣の方です。

こんな角の睨みを活かしての飛車先の歩交換は意外でした。

”飛車先の歩交換有利”の居飛車鉄則が後手に実現しました。

 

★矢倉の受け、雁木の攻め、矛盾の勝負!

▲8八角 △6三銀▲2四歩 △同 角 ▲6七金引 △3三角 ▲3五歩 △8六歩▲同 歩 △8五歩


先手角を▲88角と戻しました。この手は、後手からの△85桂を防いだ意味です。というのは、85桂は77銀取りになるので、銀が逃げると、66の金が角でボロって取られてしまうのです。それを▲88角がいれば、66の金に角の紐がついていてとれませんよってことなのです。

後手は、△63銀と攻めに厚みを加えてきますが、先手も、せっかく出た▲26銀を使わないと攻めが遅れてしまいます。先手はこの銀が活躍するかしないかが攻めの生命線です。

なので、▲24歩と歩を突き捨てました。同歩ととってくれれば、▲15銀や▲35歩から棒銀のように進撃出来ます。しかし後手は△24同角と取りました。この手は、△57角成を狙っていますので、▲67金引と成りこみを防ぎます。

後手はまたも33角と攻撃のベストポジションに据えます。先手は▲35歩から根本の後手角を攻めて行きます。まさに先手の銀の攻めが角を抑えるか、それとも後手の雁木の角の睨みが消えないうちに、攻めきるか、速度争いの様相を呈してきました。

ここで後手が、指した手が△86歩~△85歩の継ぎ歩です。

実は、私、矢倉で最も大好きな攻めが継ぎ歩なんです。

継ぎ歩の魅力については、次回に書こうと思います。

チャオ!!

 

前の記事:雁木と矢倉、飛車先歩交換の是非と右金の位置。森下卓九段に挑む愛弟子増田康宏五段。

次の記事:矛と盾。雁木の強烈な継ぎ歩攻めに対し、矢倉必死の防戦。森下卓九段に挑む愛弟子増田康宏五段。なるか、恩返し。

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