錬金術、とらせた歩がと金に変わる!矢倉陣、一石三鳥の角で反撃の狼煙を上げる。森下卓九段に挑む愛弟子増田康宏五段。なるか、恩返し。



★歩は相手に取らせることによって働く。

前回、雁木を指すのをためらった理由の一つに、△45歩の伸びすぎな感じが気になるということを書きました。単純に桂馬で狙われてしまいますし、相手に一歩みすみす献上するようで、どうしても抵抗がありました。

しかし、この△45歩(先手なら▲65歩)を突かないと、雁木では肝心要の角が働きません。

前回までの局面を再掲載します(^◇^)。

それにしても、この△48歩の局面を見れば見るほど味わい深いです。「この歩が打てるのは、先手が桂馬で歩を取ってくれたから」と考えると、「取られた」ではなく「取らせた」となります。”れ”と”せ”では大違いですね。

そう考えると、すぐに△48歩を打てるようにするために、先に角を44に移動させたのだと分かります。

とにかくこの歩は、先手にとって厄介な歩ですね。

ただでとれる歩なんですよね。

しかも取らないと次に△49歩成りで”と金”が出来てしまいます。ここに”と金”が出来ると、極端に先手玉が狭くなってしまいます。なのでほっとくことができません。

百歩譲ってほっといておいたとしても、この歩はただあるだけで、飛車の横効きを遮断しています。

ほんと、厄介です(-_-;)。

例えば、同飛車と取るとどうなるでしょうか?第一感ですよね。

つたない気力でシュミレーションしてみます。

▲48飛車△66角▲同金△57銀。

こんな感じで一気に敗勢な模様です。

さて、先手はどう対処するのでしょうか?

 

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★錬金術?と金に変わった48歩。先手形勢不利?

▲7七桂 △同桂成 ▲同 銀 △4九歩成

▲77桂と桂馬を交換して、先手は攻め駒を蓄えました。ただ後手に△49歩成を許したのがかなり痛い感じがします。「イタタタタッ」って感じです。

玉の近くにと金ができたというのは、後手にとってかなり大きな手だと思います。しかも成られた局面を改めて見てみると、先手玉がかなり狭いです。しかも先手は攻めの銀が立ち遅れているような感じがあり、肝心の攻めの総大将である飛車と角が十分に働いていない感じです。次手、先手の指し手が注目されます。

★一石三鳥の角。倍加する先手の反撃が始まる?

▲4六角 △5五歩▲3六桂 △2二角 ▲2四歩

▲46角と出た手が遊んでいた大駒の角に喝を入れるような手でした。やっぱり角には華がありますね。自分が角が好きだからかもしれませんが、角の動きには美しさがあると私は思います。

この角は後手の64銀取りであり、先手を取った手です。後手は銀取りを受けなくてはならず、そのために指した△55歩は自然な受けだと思いました。ただ、こうさせたことにより、後手の△44角の先手陣に対する睨みも消えました。しかも、先手の玉が広くなりました。今までは角がいたことで玉の逃走路がありませんでしたが、角がいなくなったことで、79から98までの空間が出来ています。

いかがですか?この角、美しいと思いませんか?

先手をとり、後手の角の睨みを遮断し、玉の逃走ルートを確保。

以上、一石三鳥の角です。

先手の反撃は、角で先手を取ったまさにここから始まります。手始めに▲36桂打ちです。この桂馬は▲89にいた桂馬です。守りの桂馬を攻めに使うことができるところが将棋の奥深いところです。桂馬を交換したのは、反撃力を倍加するためだったのですね。

当然角取りとなっていますので、後手は角を逃げます。さすがに敵陣に睨みをかけるためにも、△22の方向に引きたいところです。

先手は、後手の弱点である2筋に狙いを定めて▲24歩です。いよいよ先手の攻めが加速しそうな予感がしてきました。

風雲急を告げる(すでに告げているが更に強く)局面です。

続きは次回に。チャオ!

 

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