【将棋巻の六 天才の角】藤井聡太、立ちはだかる井上一門を破り七段に昇段。最年少記録更新でひふみんも破る!



先手、猛追!玉の腹から銀を打て!妖しさ満点!

前回までの局面を再度掲載します。先手が▲52銀と玉の腹に銀を打ったところです。この局面、先手に金が一枚あれば詰みです。金がないので、その筋は今はありませんが、▲43馬と詰めろで受けにも馬を効かせられると混沌としてきます。


ここで後手の手番ですが、どう指すかは悩ましいところです。△57銀成りとすると、一見飛車取りで先手に迫っているようですが、▲43馬と指されると、▲61銀成の詰めろと次の▲65香車が嫌な感じです。

△77桂成と銀を取る手も、香車が▲63金を睨んでいるので、かなり危険な感じがします。△45角も守りに遠く効いているので、今の時点では最悪の事態はなさそうですが。
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玉の早逃げ、八手の得!

△7一玉 ▲6三銀成 △同 金▲5一馬


後手の手は早逃げでした。△71玉です。”玉の早逃げ八手の得”といいますが、この手は正直に言って私のつたない棋力ではわかりません。全く浮かばない手でした。

どんな攻め手も効かないとすれば受けるしかない、とは理屈では分かりますが、この手が一体どのくらい自玉を安全にしているのか?

先手は追撃します。▲63銀成りと後手の守備駒を剥がしていきます。当然の△同金に▲51馬です。徐々に先手陣の攻め駒が迫ってきます。後手の次の一手は何でしょうか?攻めの手か受けの手か?

 

角のわずか一升の動きが死命を制す。

△3六角


一手しか進めていないのに図を掲載しました。

なんとぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ △36角ぅぅぅぅッ?

この手を見た瞬間の驚きを表現しようと思いましたが、まだ全然足りません。残念です。

たった一升、角を動かしただけです。

大丈夫なのでしょうか?

速度争いしている最中ですが、あまりにも地味な動きすぎて、心配というか拍子抜けというか・・・。

確かに、角筋が玉の逃げ道に効いていて良い手であることはわかりますが、厳しさや激しさがすぐには伝わってこないというか。私の棋力がないせいでもあると思いますが。

それにしても派手さがないというか・・・。

しかしですね、この手はすでに先手玉に対する詰めろなのですね。

私は、投了図まで進めてみて気付きました。投了図で投了した局面から、一体どうやって先手玉は詰むのだろうか?って考えてその詰め手順がこの局面でも十分成立していることを知って、この何でもないような△36角が詰めろの手だということに気付きました。

例えばこの局面から後手の手番だとすると、(先手は仮に▲42とと指したことにします。)

△4八銀打 ▲同金 △同成銀 ▲同 飛 △5八金打 ▲同飛 △同角成 ▲同玉 △5七銀成 ▲6九玉

△4九飛打 ▲5九歩打 △7七桂 ▲7九玉 △5九飛成 ▲8八玉 △8九桂成 ▲7七玉 △6五桂打 ▲同香

△ 同桂 ▲6六玉 △5六成銀 ▲6五玉 △6四銀打

細かな変化は別にありますが、こんな感じの詰めろがかかっていると思います。一応参考までに図面を乗せます。

≪参考図≫


 
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激戦のあとの静かな収束。

▲6五香 △同 桂 ▲7三桂 △4八銀 ▲投了


さて、△36角が詰めろだとすると、先手はその詰めろを消すために、▲65香車と桂馬をはずします。しかし△65同桂馬と結局は桂馬がはずせません。ここまで考えての△73桂だったのかと考えると恐ろしさを感じます。

先手は▲73桂馬と指しました。この手は▲61馬の詰めろです。しかし、後手は△48銀と打ちました。先ほどの変化とほぼ同様の手順で詰むようです。

まとめ

藤井七段が七段昇段を決めた勝局を並べてみました。72手の将棋の中に、密度がぎっしりと詰まった感じの印象を持ちました。角換わり棒銀の将棋で、後手藤井七段の銀得でも、先手船江六段の▲55角で俄かに先手の攻めが成功したように思えました。

しかし、ここから、先手の飛車を攻めながら、巧みに小駒を使って攻め込んだ後手の指し方がとても勉強になりました。私は飛車や角の大駒ばかりを意識していましたので、銀や桂馬の攻めが急所に入るとかなり受けが難しいのだな、と。

最もびっくりしたのは、終盤で藤井七段が見せた△36角です。

角がわずか一升動いただけなのに・・・。

この思いが消えません。この手が指された時、先手は受けに回ることができないと判断したのであればわずか一升の角の移動が、それほどまでに受けづらい手であったことになります。

あらためて感じたことをこれから書こうと思いますが、私の記事をお読みくださる方には次の言葉は想像がつくかもしれませんが、あえて言わせてください。

「天才藤井聡太の角は美しい!」

最後までお読みくださり、ありがとうございましたッ!!

 

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