其の十二 腰の重い将棋。 藤井聡太六段の二度目の連勝をくい止めた棋士、井上慶太九段。馬が働いた!



居飛車党における飛車の基本ポジションに陣どり攻防に睨みを利かす竜!

前回までの局面を再度掲載いたします。

前回の記事で、後手の二枚の竜がとても印象的だということを書きました。先手も二枚の角が必死に先手玉を守りつつ攻めている感じです。お互いに大駒が精一杯活躍している局面で、とても美しいと感じます。

この▲33角成の局面は詰めろですね。

ここで仮に先手番として、一応詰め手順を示しますと、

▲51角左成△53玉▲42馬右△同竜▲同馬△62玉▲52飛△73玉▲84銀△同玉▲82飛車成

△83歩▲75銀△94玉(△同歩▲同馬)▲85金△同玉▲83竜

となりますでしょうか。

後手は何か手をうたないと自玉が詰まされてしまいます。さて、これを念頭に置いて、手番を握った後手はこの次にどう指すのでしょうか!

 

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二段ロケット配備!

△8四香▲8五銀 △同 香

△84香は、香車と飛車のダブルでミサイル級の破壊力です。ただ、先手玉に対して、詰めろにはなっていなそうです。少なくても私にはそう見えます。端角が守りによく効いています。

例えば、ここで後手の手番だとして、△88香成▲同銀△78金▲同金△同桂成▲同玉となった時、△68金と打ちたいのです。もしこれを▲同玉ととってくれれば、△88竜と稲妻のように竜が王手で侵入してくるのですが、そうなりません。95に居る端角が効いていて、取られてしまいます。

恐るべし、端角の守り・・・。

△84香に対し、先手は▲85銀と打ちました。これにより、次に▲84角と出ることができれば再び後手玉は詰めろになります。

なので後手は△85同香と取りました。

こうなると、先手は先ほどの局面よりも銀が一枚すくない状態ですが、果たして詰むのでしょうか?

 

詰むや詰まざるや?!

▲5一角成 △5三玉 ▲4二馬上 △同 龍▲同 馬 △6二玉 ▲5二飛 △7三玉 ▲8四銀 △同 玉
▲8二飛成 △8三歩 ▲7五金 △同 歩 ▲同 馬

先手は詰ましに行き、見事に詰ましました。

投了図以下は、△94玉に対し85の香車を馬で取って、同玉に対して、一回▲83竜と王手をして、相駒をさせてから▲86香と打てば詰みですね。

先手は銀を手放しても、銀の代わりとなる香車を途中で拾うことができたので詰ますことができました。

 

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まとめ

本当に馬が活躍した将棋ですね。何とも並べ甲斐のある将棋でした。

藤井六段にとっては、中学生最後の将棋を白星で飾れなかったこと、そして連勝を止められたことから残念な将棋でした。

井上九段の老練な指し回しが光りました。攻めの強い藤井六段の二枚の竜に攻めたてられる中で、絶妙の受けがすごく勉強になりました。特に井上九段の早逃げに見られる玉捌きが何と申し上げていいのか、とにかく言葉になりませんが、印象に残ります。

「玉の位置一つで、攻め駒が攻めやすく、守り駒が守りやすくなる位置があるのかーッ」

そんな印象でした。

井上九段が局後語った藤井六段の将棋に対する印象として

「手厚いという、負けにくいというか、腰の重い将棋だなって思いました」

と語っています。

まだ中学生で、棋界のトップ棋士の一人からこれほどの評価を受ける藤井六段、本当にこれからが楽しみですね。

ガンバレ―ッ!!!

 

最後までお読みいただきありがとうございました。またお会いしましょう。チャオ!

 

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