其の弐 箱入り娘の堅陣 美しく華麗な久保王将の振り飛車に挑む!藤井聡太四段vs久保利明王将 捌きのアーティストに挑む若き天才



角道は開けない珍しい出だし

早速ですが、前回までの局面を再度掲載します(^◇^)

後手が角道を開けないでいるのが不思議な局面ですが、ある意味、先手の角を交換させずに盤上に置いたままにしておけば、攻めの目標が立てやすいとも言えます。角交換を防ぐために、ほんとの最初から角道自体開けないという選択肢、まるでコロンブスの卵みたいな感じです。

私みたいな居飛車の矢倉好きには、角道を開けないと矢倉に組めないというのがあるので、先手番を持ったら出来ません。でも先手が3手目に▲56歩と突いてきてくれるという条件で、後手ならば角道不突きはめちゃくちゃありですね。

 

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必殺、箱入り娘!

▲6六歩 △3四歩▲2八玉 △5四歩 ▲3八銀 △4二金寄

先手はしっかりと堅陣美濃囲いに玉をおさめて、玉を固めます。美濃囲いは振り飛車と言えば定番の囲いですが、後手の囲いは少し毛並みが異なります。

知る人ぞ知る、この後手の玉の陣形が『箱入り娘』と呼ばれる囲いです。

小見出しタイトルが「必殺、箱入り娘!」って全然必殺っぽくないですね(笑)

これは、急戦の将棋において、極、稀に現れる形です。通常ですと、右金は△52にいることが多いのですが、一路△42金と寄ることでより堅固な囲いになります。攻めはじめたら自玉の守りには振りかえらないって言わんばかりの囲いです。

矢倉でも、金が縦に並ぶ形が終盤で出てきますが、金が二枚並ぶと堅いです。また、かっこいいです。矢倉で、▲77金▲78金と二枚並んだ形は最高です。なので箱入り娘も堅い陣形です。例えるなら娘をしっかり箱に入れて守るという感じでしょうか、逆に言うと、箱から出るのは難しいです。(-_-;)

もうひとつの特徴として、△52飛車と飛車を転回することができます。これも攻め筋が8筋から5筋と攻めのバリエーションを広げている点で長所です。

 

懐かしい大野流を彷彿とさせる銀出

▲5七銀 △5三銀▲4六銀 △8六歩

先手の▲57銀が▲46銀と出た瞬間に、後手はすかさず仕掛けました。

△86歩に対する応手は、同歩か同角か、二種類あります。

同角は▲66歩が△22の角で狙われていますから、取りづらいです。

なので、この歩突きは仕掛ける上で絶妙のタイミングだと思います。

▲46銀と出た形は、昔、升田幸三実力制第四代名人や、大山康晴十五世名人の兄弟子に大野源一さんという棋士がいらして、その得意型が大野流と呼ばれた形によく現れました。

大野さんは、振り飛車の草分け的存在で、大野流は、三間飛車が基本形なのですが、銀を46に繰り出し、左金を67に配置する形です。飛車は最初7筋に居たものを中央に振り直したりします。

大野源一氏も、振り飛車が当時、あまり戦法として評価されなかった時代において、振り飛車を得意戦法としてA級順位戦を戦った、振り飛車の第一人者です。棋風も、軽快な捌きが高く評価されていて、なんか久保王将と似ていますね。

▲46銀は、将来▲36歩から▲37銀と引きつけて美濃囲いを進展させると、堅さが増します。大山十五世が愛用した美濃囲いであります。

 

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シンプルかつ迅速な仕掛け

▲同 歩 △6四銀 ▲7八金 △7五歩

8筋の飛車先の歩を取らせてから、攻めの銀を繰り出します。やはり先手玉の最弱点、角の頭を攻めてきますね。

銀の進出が早いです。△53銀の位置は、攻めにも守りにも通る位置です。

△64銀から△75歩、シンプルな後手の攻めですが先手は受けが難しいと思われます。

さてどのようにして受けるのか?注目です。

 

続きは次回に。チャオ!

 

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