其の六 中盤のねじり合い、飛車角の攻め対小駒の攻め。久保王将の中飛車対藤井聡太四段の急戦。



後手、飛車走る!


前回の局面を再度掲載しますと、△86飛車と走った局面です。

さて先手どう指すか?
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急所の桂打、26桂馬!

▲2六桂 △7八と ▲同 飛 △8九飛成 ▲7九歩 △2四金

ここで先手の指し手は26桂です。この桂打ちは船囲いに対しての急所の一手です。

この桂馬が仮に跳ね出すと王手になりますので、タイミングの良い時に手番を握ることができます。

タイミングの良い時がどんな時なのか、すぐにでも飛びたいのですが、その見極めが肝心ですね。もし、飛んだ時に飛車でもあったらたいへん強烈です。

なので、先手は飛車交換をしたいところです。それが次の78とに対する同飛車。

この次に、後手は手順に89飛車成です。79歩の底歩は、さっきとったばかりの歩です。

なんとなくピッたりな感じがするのは私だけでしょうか。

ここで飛車交換をするのは、先ほどの桂馬の筋もありますので、後手としてはもったいないです。遊んでいる飛車との交換は避けたいところです。

ここで後手は緩急をつけて24金と守ります。さすがに跳ねられてはつらいですね。この辺りの呼吸が絶妙な感じです。

後手、執拗に先手の飛車を封じ込める

▲7六飛 △9九角成 ▲6三成桂 △7五歩 ▲同 飛 △7四歩
▲同 飛 △8三龍


続いて先手は飛車を▲76飛車と浮きました。さすがに飛車を活用しないと攻めが薄いですから、飛車の活用をなんとしてもしたいところです。

先手のこの浮き飛車は、おそらく、79歩の底歩を残して後手の飛車の威力を軽減したいと思いつつ、何とかして後手陣に成りこみたい、ということと思います。

このまま成桂を寄って飛車の敵陣への道筋を開けば一手で成りこめるところです。しかしそうすると、後手から△77歩で道を封鎖されてしまいます。なので一旦飛車を浮くしかなかったと。

後手の立場に立つと何が何でもこの先手の飛車を封じ込めたいところです。
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自陣龍の守り

角を99に成らせて香車を献上してでも、受けては角のポジションをずらし、飛車をどうしても成りこみたい、そんな思いが見えてきます。

角の位置をずらして、63成桂で飛車の進路を開けて、いよいよ成り込む算段です。

一見先手の飛車成が防げないように見えます。しかしここで巧妙な手順がありました。

とまらない飛車をいったいどうやって止めるのか、全く理解できなく思いますが、手始めに歩の連打で飛車先を止めにかかります。

飛車を74まで引きつけて、83龍の自陣龍で、飛車と成桂の両取りでなるほどです。

この両取りを受け、飛車を取らせないように守ると、成桂がどうしても玉から離れて辺地に行かされてしまいます。

そうなると、飛車交換をするべきか、それとも飛車を取らせる代わりに成桂を敵陣に突進していくか迷うところですが、決断は成桂の突進でした。

そうなると、飛車角の大駒を全て失った先手は、とにかくひたすら攻めるしかありません。後手が受け切れれば勝ちという展開です。

中盤の難所を越え、いよいよ終盤戦に突入です!

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