其の九 藤井聡太四段、自陣の馬が鬼神の働き。久保王将の美濃囲いを華麗に崩す!



いつの間にか駒の損得が入れ替わる!

前回の局面は角で香車を取った局面です。


こんな激しく入れ替わる局面でなんですが、駒の損得を見てみます。終盤は駒の損得より速度やろ、意味あるのかって声が聞こえます(-_-;)。

後手の駒得にいつのまにか変わっています。先手の飛車、角、香車が、後手の銀2枚と交換された計算です。

このあたり、大駒の巻き返しの力の強さを感じます。しかし、この局面、後手玉は守りが薄く、▲34桂馬一枚の影におびえてしまうのは私だけでしょうか。

手番は先手ですが、どこから手をつけますか?
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角と銀の戦い

▲6四銀 △4四角 ▲4五銀 △6六角 ▲5三銀成 △5二金
先手は▲64銀で角の動きをさえぎりながら後手玉の退路を遠巻きに塞ぎます。

後手△44角はただ逃げたわけではなく、遠く22の地点に効いていて、受けに効いています。

ここで先手は、この角を狙って45銀と出て、援軍を送ります。

しかしこの手が後手に強烈な一手を与えてしまいました。角取りに対し、後手角はふたたび急所の筋に効くポジションである66の地点に移動しました。

ここ手によって、角の効きが53からそれたので、53銀成と入ります。後手玉はますます狭くなり、▲42金の一手詰めを狙っています。この時に桂馬のすごさを感じます。

後手はこれを放ってはおけません。なので、△52金打ちですね。▲42金からの詰み筋を防ぎました。

後手、二枚飛車の攻め

▲6三金 △7八飛 ▲2二銀


先手は▲63金打ちと攻めの継続をはかりますが、残念ながらこの手は詰めろではありません。なので後手は△78飛車と二枚目の飛車をおろします。

先手は▲22銀打ちの王手です。これも受けきる方針なら同角ですが、取らずに逃げます。逃げ場所も△41玉だと▲52金△同馬▲42金△同馬▲同成銀で詰んでしまいます。油断できません。
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稲妻のような角成!

△3二玉 ▲5二金 △3九角成 ▲同 金 △同 龍 ▲1七玉
先手は慎重に△32玉と逃げ、後手は▲52金左と寄ってきます。これは31金の詰めろですね。後手は、ここで先手玉を詰ましに行きます。後手の持ち駒に斜め後ろに効く駒がないなって見ていると、稲妻のような△39角成です。かっこいい!

同玉はありませんね。▲同玉だと、△49龍▲同銀△28金打ちで詰みです。あるいは、49龍同玉48金で詰みます。また、18玉と逃げるのも、△17香車▲同桂△28金で詰みます。

なので▲同金ですね。これに対して後手は△39龍です。▲同玉は、△48金から詰みます。

詰み手順は、△48金▲28玉△38金▲17玉△25桂▲26玉△35金▲同玉△24馬▲36玉△35銀までです。

35の地点に駒が打てるのが▲45銀と角取りに出た手の罪ですね。結果論ですが。

華麗なる寄せ!底光りする馬!

△2五桂 ▲2六玉 △3五金


本譜に戻って△39龍に対して先手は▲17玉と逃げますが、やはり△25桂馬から▲26玉に△35金で詰みます。

△35金はタダでは?って思いますが、そうなんです。タダなので取りますが、次に△24馬と51の地点に眠っていた馬が鬼神の働きをします。

▲26玉あるいは▲36玉と逃げると、△35金で詰みです。これが馬なので、▲46玉▲57玉という逃走路をきれいに封鎖しています。

自陣にいては守りに働き、遠く先手玉の死命を制す馬。まさに八面六臂の大活躍でした。

前回の記事:其の八 藤井聡太四段、自陣角で美濃囲いの急所を攻めつつ必死の防戦。

次回の記事:藤井聡太七段19連勝目前にて及ばず。自陣の3段目に桂馬を打つ腰の入った攻め。

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