相雁木は居角の戦い。角頭の攻防戦の行方やいかに。渡辺明棋王vs藤井聡太七段朝日杯決勝。



要所に陣取る後手の銀

前回までの局面を再度掲載します。

後手の△75銀は、拠点に陣取った好所の銀です。この銀に居座られては、すぐにでも△86歩から棒銀の筋や、△66歩からの攻めがあります。銀の圧力は大きいですね。

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先手、玉頭の攻防戦

▲7六銀 △同 銀 ▲同 飛 △7五歩
▲3六飛 △8六歩 ▲同 歩 △7六銀 ▲8七銀 △同銀不成
▲同 金 △7六銀 ▲7八銀 △8七銀成 ▲同 銀 △6六歩
▲5六銀

とにかく、先手としては、後手の△75銀をそのままにしておくわけにいきません。いきなり、△86歩から角頭を攻められてしまいます。なので、▲76銀から後手の銀を盤上から消しにかかります。

△76同銀▲同飛車△75歩に対して、▲36銀と逃げましたが、これを▲同飛車ととることはできなかったのでしょうか?

私のつたない棋力では、この後、△64銀▲76飛△66銀とされ、次に△75歩の飛車取りを見られて悪いと思います。<変化1>

<変化1>

なので、▲36飛車と逃げて、そのあと、△86歩から△76銀と先手の守り駒を剥がしに行きます。巧妙な手順で、銀を金に変えた後手は、△66歩と突きだしました。

この歩が何ともいえず、台風の目に一瞬入ったのかと思わせるような、それまでの豪風雨がピタッと止んだような穏やかな手に見えたのが不思議です。

後手の角が働かないように、先手は▲56銀と55歩を支えます。

逆サイドを攻める後手

△3五金 ▲3九飛 △4六金 ▲4七銀打 △同 金 ▲同 金 △6四銀

今まで、先手の角頭方面を攻めていた後手ですが、今度は、先手の右辺に手をかけます。なんとなく気付いたら、後手の攻めの手番が多くなっていることに気付きます。

手始めに△35金として、飛車の6段目の効きを逸らします。そのあとも金を活用して、△46金から、先手の銀と交換しましたが、先手の58金を47に移動させたというのが、先手の守り金を自然に引き離したように見えました。

さりげないですが、盤上の駒の配置を変えることで守り駒を守りに効かせなくするというのもすごい攻めなんだ、と思いました。

先手の守り駒を引き離した後、後手は新たに盤上の駒を攻め駒に投入していきます。それが△64銀です。

 

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狙いは角の活用!

▲6八歩 △5五銀 ▲4四歩 △8五歩

後手の△64銀は次に△55銀から眠っている角の活用を図ろうという手だと思います。この銀が捌けて角が働くようになれば、後手の攻め駒は全軍躍動します。

先手は先受けの▲68歩です。ここにと金を作られては致命傷です。後手は待望の△55銀。そして▲同銀△同角となると思っていましたが先手は▲44歩と角筋を遮断します。

銀を後手に取らせて▲同金ととりかえしながら金を進出させることができればよいのかなと思います。後手の△55銀はこの瞬間、糸の切れた凧のようにタダなので、当然△56銀とするものと思っていました。しかし・・・

△85歩。これにはびっくりしました。

銀取りを放置して△85歩っていったい?

△85歩に対して、▲55銀と取るしかないなら問題ない気もするのですが、仮に▲85同歩と取られた時にどうするのでしょうか?

飛車取りです。

私のつたない読みですが、△86歩▲同銀△56銀▲84歩△87銀

こうなると飛車を取っても先手が苦しいということなのではないでしょうか。△78銀打ちの詰めろと△47銀成と金を取る手の両にらみです。<変化2>

<変化2>

しかし、このあと、先手も▲78金から受けにまわり攻防が続くのかもしれませんが、後手の角が働いてきそうですし、後手の攻めは切れなそうです。

この続きは次回に。チャオ!

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