藤井聡太の44龍は羽生の52銀と同じくらいの衝撃。渡辺竜王を破る!



継ぎ歩のような一見遅い歩が実は速い!

前回の局面を再度掲載します。

ここで▲85歩同歩と指すとどうなるか、変化を前記事で考えました。しかし本譜では、先手は▲55銀と銀を取ったのです。

▲5五銀 △8六歩 ▲同 銀 △同 飛 ▲7七角 △8七飛成
▲7八金 △8四龍

棒銀に似ていますね。△55銀を取らせている間に、△86歩と攻め込んでいきます。飛車が走って、後手に龍を作られてしまうのは仕方がない展開になりました。

△84龍と好所に引き、先手に手を渡しました。

Sponsored Links

先手攻め合う

▲4三銀 △8八歩 ▲6九玉 △4六歩
▲3二銀成 △同 玉 ▲4六銀 △8九歩成 ▲2二歩

先手は、▲44歩の拠点を活かして▲43銀と駒を剥がしにいきます。後手は、これを放っておいて△88歩と打ちました。これを同金ととると、△87歩から△88銀と攻め込まれます。

△88同角とと取るとおそらく△87銀打ちだと思います。88に角を置いたままにしておくのが、▲88歩の受けを消した一手だと思います。

玉の早逃げ8手の得ということで、先手は▲69玉。

後手は、△46歩と打ちました。この手は、もし同金と取らせれば、△57銀が凄まじく厳しいです。

控えた桂馬の破壊力

△5四桂
▲2一歩成 △4六桂 ▲同 金 △5七銀 ▲5八歩 △4六銀成
▲6六角 △4七銀

▲46銀と取らせたことで、△54桂打ちが生じました。この△54桂は銀取りと同時に△66歩に紐をつけており、先手の角の動きを封じています。

控えて打った桂馬は謙虚に見えますが、その秘めたエネルギーは大きいものがあります。

先手は受けても仕方がないと▲21歩成と攻め込みます。

後手は、△46桂馬と跳ねて先手の玉に詰めろをかけてきました。▲同金に対して、△57銀が詰めろ金取りです。▲58歩と打って、詰めろを防ぎ、後手の銀を後退させます。

▲66角と先手は待望の角出です。角の活用を見て、俄かに先手の攻めの力が増大しました。

後手は悠々と△47銀打ち。この手は、△58銀成▲同玉△47銀で詰みます。

▲67玉は△56銀打ち▲77玉△76金まで。

▲49玉は△58金までです。

Sponsored Links

鬼手、44龍!

▲3四飛 △4四龍

▲34飛車は先ほどの詰め手順で▲49玉と引いた時に、▲39玉の逃げ道を開けた手です。▲66の角がよく効いていて、後手は48に駒を打つことができません。

また、△58銀成▲同玉△47銀▲49玉△58銀▲39玉△38金の時、▲同飛車と34の飛車が効いているのが絶妙です。

しかし、この後、予想もつかないカッコいい手が出現します。

△44龍です。

一瞬何が何だかわからなかったです。

龍をどちらでとっても守りが崩れる

▲同 角 △5八銀成 ▲同 玉 △4七銀

△44龍に対して、▲同角と取りましたが、▲同飛車ととった場合は、先ほどの変化の時に、△38金を同飛車と取れなくなるので、詰んでしまいます。

▲同角の場合も、48金打ちを防ぐことができませんので詰みです。▲67玉からの逃走路も△76金で詰みです。△75の歩がよく効いています。

この将棋を並べてみて、この藤井聡太七段の指した△44龍は、『羽生の▲52銀』と並ぶくらいの手ではないか、って思いました。そのくらいはじめて見た時の衝撃が大きかったです。

前の記事:相雁木は居角の戦い。角頭の攻防戦の行方やいかに。渡辺明棋王vs藤井聡太七段朝日杯決勝。

次の記事:増田康宏、雁木から中飛車に変化。奇妙な囲いで対抗する藤井聡太

棋譜一覧表を表示する

藤井聡太七段の棋譜並べ。玉頭の戦い。終盤の驚愕の一手!』に戻る

Sponsored Links