盤上のアルファ最終回。受けて潰せ、いてもたれ、石橋蓮司の運命を決めた一手とは。



真剣師林鋭生の運命を決めた一手

この盤上のアルファという番組は、将棋を愛する者にとってぐっと惹きつけられるドラマです。とくに私は、林鋭生(石橋蓮司)という真剣師に並々ならぬかっこよさを感じました。

まさにこのドラマを通じて、主人公の運命を決める一手を指したとすれば林だと思います。そんな林の指した運命の一手と感じるシーンを紹介していきます。

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恵子(比嘉愛未)の運命を決めた一手

真田信繁(上地雄輔)の、幼い頃に生別れた父親を見つけた、と林から知らせがあって駆け付けた秋葉隼介(玉木宏)と斎藤恵子(比嘉愛未)。そのシーンでの一幕です。

恵子は、棋界トップ棋士の伊達和寿(堀井新太)からプロポーズを受けていて、秋葉への思いの間で揺れていました。

林:『結婚式には呼ばんでええぞ。』

秋葉:結婚式?誰の?

林:お前らのや

秋葉:いや、あの

恵子:私たち・・

林:どアホ!   ねぇちゃん、勝負掛ける時はちゃっちゃ行かな!

恵子:はい

林:あんたは、男を見る目ある。    このアホな兄ちゃん、離すなや。

いかがでしょうか。ネタばれにもなってしまい申し訳ありませんが、これが最後の最後、恵子が伊達ではなく秋葉を選んだ決め手になりました。

林が恵子に檄を飛ばしたこのシーンは、何とも言えずかっこいい。しかもその去り際振り返らずに右手を振るだけの仕草も。

真田信繁の運命の対局の相手水上のお父さんは森下卓?

真田が三段リーグ最後の対局のシーンです。

相手は、何と水上哲也(森下大地)。父は棋士九段の父子鷹です。因みに、この水上を演じる森下大地さんのお父さんは本当のプロ棋士、森下卓さんです。森下さんもこのドラマに出演していて、水上のお父さん役で出ているのです。

森下卓さんにしてみると、お父さんとして息子と共演できることは本当に幸せだと思います。

将棋に関しては、森下卓さん自身が受けの棋風の将棋なので、主人公の真田が受け将棋であることもまた、うれしい限りではないでしょうか。

話を戻しますと、運命の対局である水上との一戦はいったいどうなったのか。

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真田信繁(上地雄輔)の運命を決めた扇子の檄文

水上との将棋は、先手真田の得意戦法、中飛車です。しかし、この中飛車に対して、水上の用意した戦法は64金戦法です。この戦法の詳細は別に記事にしようと思いますが、とりあえず、この戦法は中飛車に対する作戦で、かなり昔の戦法です。

おそらく、最新の将棋の研究にいそしむ真田の裏をかき、逆にめちゃくちゃ古い戦法を用意していた、ということだと思います。

こうなると、古い戦法でも、知っている方が有利なのは明らかです。実際に真田は苦戦してしまいます。ちらちらとうつされる盤面を見ると、中盤のねじりあいが繰り広げられています。

『受けて潰せ』というのが合言葉です。真田は自陣の美濃囲いに金銀4枚で固めて徹底防戦です。

受けに窮したかと思われ、真田の苦しさが最高潮に達しようかとした頃、おもむろに真田は扇子を開きあおぎます。その扇子は林からもらったものでした。

その扇子には「いてもたれ」と書いてありました。この文字を見て、真田の指した手は、攻防の自陣角でした。これまで受けていたのとは一転して、まさに攻めの一手でした。

「いてもたれ」とはやっつけろ!という意味だと解釈しますが、この将棋の場面に当てはめると、「攻め潰せ」ということだと思います。この手を境にして局面は混沌としていき、真田は勝利しました。

最終盤、最後の最後真田に力を与えたのは、林の扇子に書かれた「いてもたれ」の檄の言葉でした。

真剣師林鋭生の役をやった石橋蓮司は最高

この真剣師林鋭生の役をやった石橋蓮司は最高でした。石橋さんはいつも悪役で見慣れていますが、石橋さんの演じる役の中でこれほど心に刺さった役はありませんでした。

この真剣師の役の石橋さんは、私の中の真剣師像にピッタリでした。将棋は強くて、情が濃く、時に暴走することもあるが、その裏には深い愛情があり、去り際はあっさりしている。一見厳しい言葉の裏に慈悲があり、ずばり核心をつく言葉に凄味がある。

結局、この真剣師の林がこのドラマの影の主人公と言ってもおかしくないほどの存在感が印象的でした。

石橋蓮司さん、ありがとうございました。

前の記事:受けつぶせ!盤上のアルファ石橋蓮司演じる真剣師林に大山名人を見た!

追伸

大山名人は、今となっては伝説の棋士です。その棋譜も今では、それほど取りあげられていません。偉大な棋士だとは知っているが、棋譜を並べたことはないって方も多くいらっしゃると思います。なので、私なりに『これぞ受けッ』と言える大山名人の棋譜を記事にしてみました。ヘボ将棋ですが、好きこそものの上手なれ、を信じて書いてみましたので温かくお読みくだされば幸いです。

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