雁木の増田が中飛車。藤井聡太の巧妙な控え歩。位取りから一転して低い陣形。 



後手、△45歩の位取り

前回の局面を再度掲載します。

△45歩と位を取って、そのバランスが悪いのではないかって思っています。それもこれも、△31金の形がそう思わせています。この△31金は、これまでの定跡とか形に慣れた人にとっては、とてつもない違和感です。

それを指すのが天才なのだと思う次第です。先手はこの位に対してどうするのか?

 

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即座に位に反発

▲4六歩 △同 歩 ▲同 角 △6四歩 ▲4五歩 △8六歩

▲46歩△同歩▲同角と角が捌けて飛車取りの先手。これほど気持のよい手もないように思うのですが、悠然と後手は△64歩と飛車取りを防ぎます。次の先手の手は、▲45歩と逆に位をとりました。

位を逆用されたように感じるのは私だけでしょうか。後手はこの位にすぐに反応して△44歩とあわせていくのかなって見ていたのですがそうしませんでした。仮に△44歩▲同歩△同銀となった時に、後ろの金銀の応援が効きにくいのかなって思いました。

もし位を奪還して53の銀が前進すると、その背後を守る駒が、薄い感じがします。それも△31金が地べたに這っているように思えるからだと思います。また、何よりも玉周辺で戦場になるのは困ります。ここで戦いを起こすのが嫌なら、そもそも△45歩と位を取った手自体がやぶへびな気がします。

なので、「触らぬ神に祟りなし」ということで、位には触れずに飛車先の歩を交換しに行きます。これは飛車先を軽くして一歩を手にするという手で、非常に有効な手だと思います。

控えて歩を打つ?

▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8二飛 ▲5五歩 △同 歩
▲同 角 △同 角 ▲同 飛 △6三金 ▲5九飛 △4三歩

飛車が角筋に居るのは気持ちが悪いものです。△82飛車と引いてもなお、角筋です。私は▲65歩と突かれたどうするのかなって後手の立場からみて不安でした。これについては次の項目で考えてみたいと思います。

先手は角を交換して行きます。後手は5筋の歩を△54歩と打たずに△63金と力強く上がりました。この手は、本当にバランスが悪いとしか私には思えませんでした。どうしてかって、金を上がった方向が、敵玉と反対方向です。

△45の位を取った手は一体なんだったんだ~って叫びたくなったのは私だけでしょうか?

しかし、先手が▲59飛車と最下段にまで引いたあと、後手の手は、今までの私の想像をはるかに超えた手でした。

△43歩

この手は、打たれてみて妙に後手の陣形が引きしまって、しっくりきているところが不思議で、何とも言えない良さを感じました。

かえって先手の45歩が伸びすぎてる感じがします。△46香車の傷や、55のラインに角を打たれたときなど。先手にとって不利な点がが多いきがします。

なによりこの歩が打たれたことで、陣形が低くなったように感じ、△31金がまるで今までが嘘のように良い位置にいる気がして、本当に不思議です。

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気になる▲65歩の変化に対しどうする?

仮に▲65歩と突かれたら後手はどうするだろうかって拙い棋力で考えてみました。

≪仮に▲65歩と突かれたら 変化1≫

ここから素直に同歩は飛車が取られてしまいますのでないですよね。一目考えられるのは、△99角成です。この手は香得ですので、無条件で成立すれば後手は何も困りません。しかし、△99角成に対し、▲77桂と跳ねたら、▲59飛車が99の馬取りになってしまいます。

これに対して、△98馬と逃げたら▲64歩と取りこまれて、次の▲63歩成を受けるのが難しいと思います。▲63歩成は、飛車と金の両取りです。仮に▲64歩の後、一直線に攻め合ったとします。

△66歩▲63歩成△67歩成▲82角成△78と▲52と

この変化で、△52金が、と金によってボロって取られてしまうのが、後手の駒の連結がされていない弱点を見事に突かれている感じがしてダメだと思います。

なので、いきなり△99角成はないと思います。

ではどうするか。一本△86歩と飛車先の歩を再度あわせるのがよいのではないかと思います。これを▲同歩とさせておいてから△99角成でどうでしょうか。

以下、

▲77桂△98馬▲64歩△86飛車

こうしておくと、次の▲63歩成が飛車取りになりません。

≪変化1後≫

この変化で気になる変化もあります。例えば64歩と取りこむ前に、▲85桂と跳ねて飛車走りを防がれたらどうするか?

この場合は、△43香車と打つ手があると思います。この手は、次に▲64歩△45香▲63歩成となった時、△46香車と根本の香車を取ることができます。こうなると、後手は次の△49香成を見て指せるのではないかと思います。

≪変化△45香まで≫

 

まとめ

この△43歩を境にして、また駒組みが続く感じがします。終盤の入り口はまだ来ないのか~~。(次回に続く)

 

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