居飛車同士の矢倉。矢倉は将棋の純文学。力比べの四つ相撲。



矢倉は相手が振り飛車ではない時指そう!

矢倉は対振り飛車戦には向かないということが身に染みて、相居飛車戦でしか矢倉を指さないということに決めました。ま、当然と言えば当然なんですが、この頃はかなり大きな発見でした。どうしてそう思ったのかは『矢倉囲いは対振り飛車には向かない。矢倉囲いの玉の位置は角の餌食。』をよろしければお読みください。

しかし、振り飛車が相手でなく、居飛車が相手であっても、先手番をもつか後手番をもつかによって、矢倉に組めるかどうかは変わってくると思います。

後手番だと、先手から▲26歩△34歩▲25歩△33角

となります。後手は、飛車先の歩の交換を△33銀と防ぎたいのですが、間に合わないので角で飛車先の歩の交換を防がなくてはなりません。

このあと先手が▲76歩と突くと、角換わりになるのを回避して矢倉に組むためには、△44歩とついて角交換を拒否するしかありません。

飛車先の歩の交換は防いで、角の交換も防いで・・・って全部戦いを拒否してる印象でなんか消極的な感じもします。

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矢倉には組めるけど少々不満です

この後手の矢倉は、先手の角がずっと効きっぱなしであるのも一つの利点です。急戦の選択肢が先手に残っているからです。

持久戦になったとしても、後手の角は引いて使うことになりますから後手が角を使うために、もうしばらく駒組みを進めるしかありません。

これは一応矢倉の形にはなるので、まぁまぁ後手も満足かなって気にもなります。しかし100%満足とならない理由は、先手が将来▲79角とひいて、▲24歩△同歩▲同角△同角▲同飛車となって、飛車先の交換と一緒に角まで交換してくる筋があるからです、なので、それへの対策が課題です。

問題は後手の相振り飛車

問題は先手で矢倉を目指す場合です。先手が▲76歩、後手が△34歩となったとき、先手は矢倉にするためには角を交換されないため、▲66歩と角道を止めるしかありません。

この▲66歩に対して、後手が△84歩としてくれれば矢倉になる可能性が十分なのですが、△35歩と突かれて相振り飛車にされたときが嫌です。
先手は矢倉にすることもできず、対振り飛車におけるオーソドックスな居飛車の陣形を布くことが難しくなります。

先手が▲66歩と突いて、後手が振り飛車をしてきた時は、先手の戦法から急戦の選択肢が消えてしまうのです。

これは戦略上非常に憂慮するべきことだと思います。相手が振り飛車党(振り飛車を得意戦法とする人)で、相振り飛車を好む場合、矢倉党(矢倉を得意戦法にする人)には、かなり不利な戦いとなります。

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堅い囲いになりにくい

具体的にどんな不利があるかと言えば、先手が▲66歩と角道を止めて、相手が振り飛車で来た時、先手が強引に居飛車戦法を採用する場合、先手の玉の囲い方は持久戦模様にするしかなくなります。しかもその囲い方が限定されてしまのです。

最も多く居飛車が対振り飛車戦で目指す守備の陣形は「穴熊」ですが、その穴熊を目指すにしても▲66歩とした形の穴熊は振り飛車にとって好都合な形です。あまり玉が堅くならないのです。

かと言って穴熊以外の囲いでは、左美濃、舟囲い、位どり、とありますが、急戦用の舟囲いは無理で、左美濃も位どりも、今の時代で流行っていない戦法なので、強引にそういう囲いに持ち込まれる時点で不利と言えましょう。

矢倉は正々堂々の四つ相撲

矢倉は、このように考えますと、かなり限定されてしまう戦法だと言えます。双方合意しないと矢倉になりにくいといった側面があります。

矢倉は先手も後手も矢倉党である場合に出現する形と言えます。となると、相手も矢倉に自信があるので矢倉を指すわけですから、自然と強敵なわけです。

限定されている戦法であり、指す人自体は少ないでしょう。しかし矢倉を指す意志があるのです。『矢倉を受けて立つ』という意志です。

まるで力比べです。

正々堂々の勝負です。矢倉にはそんな美学があります。

『矢倉は将棋の純文学』と名言を残したのは故米長邦雄先生ですが、まさに純粋なる力比べという印象の戦法です。

矢倉は、最初は好きではなかったんですが、たまに矢倉を指す人と呼吸があって矢倉を指していくうちにどんどん矢倉の魅力にはまっていったのです。

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