大山康晴十五世名人の積極的な後手矢倉。玉飛接近の祟りを受け切る?



矢倉の古典を勉強する

久しぶりの将棋記事です。

最近雁木が大流行ですね。流行に乗り遅れてしまって何周も数えきれないくらい周回遅れになってしまいました。矢倉党であることに変わりはなく、最近はむしろ、昔の矢倉に興味が出てきました。

周回遅れになって流行に乗れないなら、逆にもっと周回遅れどころか過去に遡って見たらいいんじゃない?って発想で、1963年9月25日に行われた王位戦の先手がひふみんこと加藤一二三vs伝説の巨人大山康晴の対局、しかも戦型は矢倉を鑑賞しました。

え、そんなに古いとこまで戻るの?って戻ります。驚くべきはそこではなくてですね、これ大山康晴15世名人は四間飛車で有名です。おそらく、振り飛車を指さずに居飛車を指した大山先生を知る人は少ないのではないでしょうか。

実は、大山先生は大山矢倉と言われて恐れられていた時期があったとのこと。一体どんな矢倉を指していたのか?相手は後に矢倉の大家として数々の定跡を残す加藤ひふみん。最高のカードですね。

 

Sponsored Links

55の位は天王山?ひふみんは自然に銀矢倉

 

▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲7七銀 △4二銀 ▲2六歩 △6二銀 ▲4八銀 △3二金
▲7八金 △4一玉 ▲5六歩 △5四歩 ▲3六歩 △5二金 ▲6九玉 △7四歩 ▲5八金 △6四歩
▲6六歩 △5五歩 ▲5七銀 △5六歩 ▲同 銀 △5五歩 ▲6七銀

ちょっと一気に進めます。後手が先に5筋の歩を突っかけてから、位をとりました。先手はその流れで銀矢倉になっています。『受け』で有名な大山先生が意外な感じもしますが、5筋の位は早めにとっておくことが大事と考えたのでしょうか。

積極的な飛車振り。後手の4手角戦法を阻む?

△6三銀 ▲2五歩 △3三銀▲7九角 △5四銀 ▲6八角 △4四歩 ▲4六歩 △4三金右 ▲5九角 △6二飛

後手は当然のごとく55の位を確保するため、63銀から援軍を送ります。飛車先の歩を交換するぞ、と見せて△33銀と受けさせてから▲79角と引きました。

この後、先手はこの角の移動に手数をかけます。おそらく26の地点に角を移動させるのだと思います。4手角戦法と名前がついています。この先手なら26の位置で角を使用することを昔は好まれたのだと思います。

先手の角が26に移動すると、先手が4筋から攻めてきてしまいます。なので後手は矢倉を完成させたあと、玉の囲いを後回しにして△62飛車と飛車を振ります。

うーーん大山先生の将棋が何かイメージと違う・・・。もっと囲いをきっちりした後に動くようなイメージなのだが・・・。

Sponsored Links

凄い受け。自陣の2段目に歩を打った!

▲7九玉 △6五歩▲同 歩 △同 飛 ▲6六銀左 △6一飛 ▲7七角 △5一飛 ▲6四歩 △6二歩

6筋から歩を飛車で交換して行ったのは1段飛車に手順に構えるためだったと思います。4手角戦法が実現して▲26角の位置に角がセットされると、その角が62の地点の後手の飛車を睨む位置になるからです。

しかし、▲66銀と盛り上がられて、▲77角ともう一度角に戻られると、今度は5筋にせっかくとった位である55の歩を取られてしまう危険を呼び込んでしまいました。

なんか逆用されてしまった感じがします。しかも5筋の歩を守った△51飛車の形は、玉飛接近形です。これは『玉飛接近すべからず』と昔から格言で戒められている形です。

大山先生でもこのような将棋を指されるのかって思うのと同時に、ひふみんがすごいのかと思いました。だって▲79角、▲68角、▲59角って3手もかけた角を、たった一手で▲77角に戻すって一体なんでしょうか?手損もいいところです。意表を突いた良い角なんでしょうね。

▲64歩△62歩となった時点では、完全に後手の攻めが逆用された形になっています。攻めに使いたい筋の歩をここに打たされてしまったのでは、痛い意外のなにものでもないでしょう。

 

先手の猛攻

▲5六歩 △同 歩▲同 銀 △3一角 ▲5五銀左 △同 銀 ▲同 角 △7三銀 ▲6三歩成 △同 歩 ▲7二銀

先手は、ここぞとばかりに攻めてきます。5筋の位に歩を合わせて二枚の銀で攻めてきます。▲77角の援護射撃があるので、強烈な力が込められています。対して後手の角はまだ眠っています。早く起きろって言いたいところです。本来この角の寝床に玉がいれば超絶安泰なんでしょうが、今の状態は危険極まりないです。

先手が5筋の歩を交換して盛り上がっていきます。55歩と位を取るのかと見ていましたら、銀をぶつけていきました。後手玉の位置が危険なので、ここぞとばかりに銀を交換しに行くのでしょうが、それにしても凄い迫力です。▲55同角となった時点で、▲63歩成から▲91角成が見えていますので、△73銀と受けるのは仕方ないとしても、それにしてもすごい辛抱です。

私なら△62歩と受けた時点で心の大黒柱は折れているところです。しかし、次に△64銀と歩を取りながら角にぶつける手があるので、先手は▲63歩成と歩を成り捨て▲72銀と打ちこみました。この打った▲72銀と打たされた後手の△73銀の差。次に▲81銀成から▲73角成で銀を取る手があるので、後手は一息つけません。

この局面をあらためて見てみると、飛車と玉が並んで窮屈です。お互いがお互いを邪魔に思っている感じです。しかも玉の退路を角がふさいでいるという。

この大ピンチ、どう切り抜ける?次回『いつの間にか逆転!大山康晴十五世の受け。守りの金が玉の退路を開く』に続きます。

追伸

将棋のおもしろさを伝えたい、そんな思いから、少しでも将棋の普及に貢献できれば幸いです。将棋を指して楽しい時間を過ごしましょう!他にも棋譜を並べています。よろしければご覧くださいませ。→棋譜一覧

座ってばかりで体を動かしたくなったら、ゴルフがおススメです。ゴルフは息の長いスポーツで将棋ととても似ています。人生を楽しく過ごすのに将棋とゴルフは最高です(^◇^)!

あなたの人生がより楽しくありますように!(^◇^)!

Sponsored Links