いつの間にか逆転!大山康晴十五世の受け。守りの金が玉の退路を開く



大山康晴十五世名人の脅威の受け

大山加藤戦の二回目の記事です。一回目は『大山康晴十五世名人の積極的な後手矢倉。玉飛接近の祟りを受け切る?』をご覧くださいませ。大山康晴十五世名人の受けは、普通の人であれば投了してしまってもおかしくないような局面から驚異の受けで逆転勝ちしてしまうというものです。

前回までの局面を再掲載します。

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飛車が捕獲されてしまった

△6四銀▲6三銀成 △5五銀 ▲5二歩 △6一飛 ▲6二歩

△64銀から先手の角に突進していきます。後手は銀で角を取りましたが、飛車先を▲52歩と止められてしまいます。先手としては飛車先を止めて、後で銀を取り返すつもりです。

後手は飛車を△61飛車と逃げて成り銀に当てますが、▲62歩と再度止められてしまいます。もう飛車は△71に逃げるしかないのか、いや、仮に逃げても、次に銀を取られたら▲82銀と打たれて結局飛車を取られてしまう(;_:)。

飛車はここで取られるしかないということですね。飛車がただ取られてしまうのは何かつらいです。

この局面を見て、あなたが後手なら投了したくありませんか?

 

片矢倉に入城。守りの金が玉の退路を開く!

△5六銀 ▲6一歩成△4二金寄 ▲5一歩成 △3二玉

後手は飛車を取られている間に△56銀と銀を取ります。先手は当然の▲61歩成り。この瞬間後手玉は詰めろ(ほうっておくと次に詰む状態)です。

△42金寄。

追いつめられた玉の退路を開ける一手です。当然と言えば当然ですが、何とも凄い一手だなと思いました。ピンチのタイミングで城の門が開いた感じですね。開いたのは金です。まさしく『大山の金』ですね。そのくらい大山先生の金の使い方は絶品だったと有名です。

△31の角をどうにかどかして入城するのが普通ですが、角の働きを無くしてでも玉の退路を開ける。形に拘ると見えなくなる手ですが、△32玉と玉が入城したら、これまで不安定だった玉がいつの間にか堅陣の中に入っています。

ちなみにこの堅陣には名前があります。『片矢倉』です。角は無い状態での名前なので少し変則ですが。幕末の棋聖と言われた天野宗歩が多用して天野矢倉とも別に言われます。

今時点では、先手が銀を一枚損しています。しかしと金が二枚出来ていて、このうち1枚は金と変りそうです。そして、飛車で後手の右辺の桂馬と香車は取られてしまいますから、まだ先手が優勢だと思います。ただこの玉の入城で、先ほどよりもだいぶ差が縮まった気がします。

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いつの間にか局面がひっくりかえった

▲5二成銀 △5五角 ▲4一と △4六角 ▲8八玉 △5二金 ▲3一と △同 玉

後手玉が入城した後、先手はと金を寄っていくのだろうなって思っていたら、▲52成銀でした。どうして金を取り返さないのか?『終盤は駒の損得より速度』との格言がありますが、果たしてそれほど後手玉に厳しい手があるのかなって思いましたら、後手から△55角と天王山の角打ちです。

19の香車取りを狙っていると思いきや、次の△46角が王手飛車です。次の手は厳しいですが、守る手段もありません。なので41と、と角取りに行きますが、この瞬間52の成銀が浮いています。(-_-;)

△46角から王手飛車がかかり、先手も▲88玉と入城しました。当然王手飛車をかけた流れで△28角成りと飛車を取るのかなと見ていると、△52金と成銀を取りました。えー~って感じですね。しかし当然と言えば当然ですよね。

先手が▲31と、と角を取って△同玉となった局面で駒割を見てみますと、後手の金銀の数が6枚になっています。飛車一枚と銀二枚の交換ですね。先手と金が出来てますが、このと金は金銀と変わる可能性はかなり低くなっていますので。

また、依然として先手は飛車取りを受けなくてはなりません。手番は後手ですね。何か、局面がひっくりかえってしまいました。

もしかしたら私の棋力では分からないだけで、本当は最初から後手が優勢だったのかもしれませんが、あの玉飛接近の形から、飛車を取られて一時詰めろがかかった局面をみていたら、今のこの局面はひっくりかえったとしか思えません。

ここから先も大山流の受けは続きます。続きは次回『金を活用して、守るは攻めるなり!大山康晴十五世名人の受けの呼吸!』に持ち越します。

追伸

将棋のおもしろさを伝えたい、そんな思いから、少しでも将棋の普及に貢献できれば幸いです。将棋を指して楽しい時間を過ごしましょう!座ってばかりで体を動かしたくなったら、ゴルフがおススメです。ゴルフは息の長いスポーツで将棋ととても似ています。人生を楽しく過ごすのに将棋とゴルフは最高です(^◇^)!

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