受けて潰せ!大山康晴十五世名人の銀矢倉から受け将棋の真髄を学ぶ。



大山十五世名人の矢倉

大山康晴十五世名人が昔矢倉の名手だったと言う話を御存知ですか?大山矢倉と言われてぶいぶい言わせていたとの話を聞いて、機会があれば矢倉の対局を鑑賞してみたいと思っていました。

対戦相手も誰でもいいわけではなく、矢倉の名手の名にふさわしい棋士、そう、ひふみんしかいない。ということで、大山康晴十五世名人対”ひふみん”こと加藤一二三九段の矢倉の対局をチョイスしました。

1960年12月/21日に行われた東京新聞杯です。後手が大山十五世名人です。

▲7六歩 △8四歩 ▲7八銀 △3四歩 ▲7七銀 △4二銀 ▲2六歩 △3二金 ▲4八銀 △6二銀
▲7八金 △6四歩 ▲6九玉 △6三銀 ▲3六歩 △5二金 ▲5六歩 △4一玉 ▲5八金 △7四歩
▲6六歩 △3三銀 ▲1六歩 △1四歩 ▲2五歩 △5四銀

一気に序盤を進めましたが、特徴をかいつまんで言えば、先手の矢倉陣は飛車先が▲25まで伸びている点が現代とは少し違う程度で、あとは全く遜色ありません。一方後手の陣形は、腰掛け銀に組んでいるところが大きく違います。また、『矢倉囲いに端歩は突くな』と教わる前のことなのか、堂々と1筋の端歩を後手が受けているところが目を引きます。

私の感覚では、もう端から棒銀で攻められたら後手陣はどうなってしまうんじゃ~って感じです。

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後手の角の使い方

▲6七金右 △3一角 ▲7九角 △4二角▲3七銀 △5一角

先手は、攻めの銀を棒銀にするように▲37に進めていきます。狙いは端歩だろうなって思いました。一方の後手は、角の使い方に一生懸命です。△31角、△42角、△51角と、3手かけてもあまり働いているような感じがしないのは私だけでしょうか?

 

端に棒銀を使わない?

▲4六銀 △4四歩 ▲3五歩 △4三銀 ▲3四歩 △同銀右 ▲3五銀 △4三銀
▲4六角 △6三金

 

銀はてっきり端に向かって棒銀するものだと思っていました。それが▲46銀と中央に。▲35歩から先手は攻めていきますが、後手は△44歩から△43銀と銀矢倉で応対します。柔軟な手ですね。銀矢倉は最近の将棋ではめっきり見ない感じですが、この当時の矢倉では後手番で意外と表れています。

▲46角と飛車を睨む位置に角が飛び出しました。これに対しては、△63金と受けます。こちらも銀の方が自然な感じがしますが、銀矢倉特有ですね。

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角金交換はどちらが優勢?

▲6五歩 △4五歩 ▲5五角 △5四金 ▲6四歩 △5五金 ▲同 歩 △3四歩
▲2六銀 △4六歩 ▲同 歩 △5二銀

先手は、後手飛車を狙って▲65歩と攻めていきます。この手に対して、先手の角と後手の金との戦いが始まります。まず△45歩と角とりに歩を突きだし、▲55角と呼び込みます。そこで、△54金とぐいって出ます。この金でが銀とは違う金の良さを際立たせます。銀だと横に行けないので、△54金のとき、▲64角と出る手が生じます。

先手は、角を取らせて、▲64歩と突きだしました。この”と金”作りを目指した手が、玉を囲い終えていない後手玉にとって脅威です。後手は、△55金で角を取った後、△34歩で銀を追い返して、△46歩と歩を突き捨てて、それからじっと△52銀と”と金”作りを防ぎました。

歩を打って守るべきところは守って、将来攻めの糸口になりそうな歩を突き捨てて、やるべきことを一通り終えたあと、守るという絶妙の呼吸。

この△34歩と打たれて銀を逃げずに、▲63歩成りと攻めあったらどうなったのか?あるいは、△46歩を▲同歩と取らずに、▲63歩成りと攻めあったらどうなったのか?

このあたりの変化にはすごく興味があります。しかし難しすぎてわかりません(-_-;)。ただ、△46歩と突き捨てて▲同歩となると、丁度△36角の筋が生じるため、”と金”が作れません。(王手”と金”取りになってしまうから)

すでに角金交換の勢いで6筋に”と金”を作って攻め合うという選択肢は先手には無くなっているように思います。

次の記事『受け将棋を支える精神的強さ。自玉の危険度を見極める大山流の大局観』に続きます。

追伸

将棋のおもしろさを伝えたい、そんな思いから、少しでも将棋の普及に貢献できれば幸いです。将棋を指して楽しい時間を過ごしましょう!座ってばかりで体を動かしたくなったら、ゴルフがおススメです。ゴルフは息の長いスポーツで将棋ととても似ています。人生を楽しく過ごすのに将棋とゴルフは最高です(^◇^)!

他にも将棋の棋譜を並べていますのでよろしかったらこちらをどうぞ。

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