東海の鬼と呼ばれた棋士の強烈な攻めを受けつぶして勝つ名人の受け!



東海の鬼の強烈な攻めをどう受け止めるか?

1966年1月24日に行われた東京新聞杯です。持ち時間は6時間で、先手が花村元司先生、後手が大山康晴十五世名人です。戦型は矢倉です。今から50年以上も前の古い将棋です。大山十五世名人の受けがどのくらい凄いのか、それを推し量るには、やはり相手となる棋士は相当攻めの強い人である必要があります。

花村先生は、東海の鬼と異名があるくらい、とても攻めの強い棋士です。その苛烈な攻めをどのように受け止めるのか、そこに受け将棋の奥義が隠されているのではないか、そう考えて記事を書くのにこの対局を選びました。

因みに、花村先生は、現在棋界で有名な森下卓九段の師匠です。受けの名手として知られる森下九段が、どうしてそこまで受けが強くなったのか、それは花村先生の強烈な攻めを受け止める中で磨かれたと言われています。

それではさっそく対局に行きましょう!

 

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角換わりを拒否!力戦長の矢倉を選択した後手

▲2六歩 △8四歩 ▲7六歩 △8五歩 ▲7七角 △3四歩 ▲8八銀 △4四歩

居飛車の将棋で、出だしは、角換わりのようでした。しかし、後手の△44歩と角道を止めた手で、方向性が変わります。こういう将棋は、角換わりは嫌だけど、矢倉ならいいよって意志が出ています。それでも先手が矢倉を嫌だと思えば、何とかして、飛車先の歩交換を実現したいところです。それを狙って先手は角を動かします。それが以下の手順です。

▲2五歩 △3三角▲4八銀 △3二金 ▲5六歩 △2二銀 ▲6八角 △4二角

▲25歩と先手に飛車先の歩を早くに伸ばされると、後手は△33角と受けなくてはなりません。これを本来は△33銀と受けたいところなんですが、間に合いません。実際に、先手は▲68角と引いて、▲24歩からの飛車先歩交換を狙います。

意外だったのは、後手がここで△42角と引いたことです。これは、もし▲24歩と先手から来られた時、△24同歩▲同角△同角▲同飛車△23歩

とした時、△42角とした手が無駄になってしまいます。これでは、何のために角を引いたのかわかりませんので、後手が△24角とする手では、おそらく△33桂と角交換を回避すると思います。しかしそうなると、後手は通常の矢倉には組むことができません。

そうなると、後手が△44歩と突いて角換わりを拒否した手は、矢倉を希望したにも関わらず、矢倉になるとは限らず、力戦調の将棋になる可能性を秘めています。

五筋位取り矢倉

▲7七銀 △3三銀 ▲5五歩 △5二金 ▲5七銀 △6二銀 ▲5六銀 △6四歩 ▲7八金 △6三銀 ▲6九玉 △4一玉 ▲7九玉 △3一玉 ▲8八玉

先手は角を交換しにいきませんでした。なので、先手も後手も▲77銀、△33銀として、通常の矢倉の構えを取りました。ここで先手の▲55歩が大局的な一手です。後手の角の活用を制限した手です。もし後手が△54歩と突いたら、後手は角を使う道を開くことができますが、▲55歩を突かれたことによって、△54歩が突けません。

先手は、この55の位を安定させるために、▲56銀と援軍を送ります。これも『位を取ったら位の確保』を地で行く基本の手です。

先手も後手も玉を囲い合います。先手は▲88玉と矢倉囲いの中に玉を入城させました。これで守りはひとまず安心かなってところですね。

今のままでは、先手の方が模様が良い感じです。このまま持久戦が続くと、先手はどんどん形が良くなっていってしまいます。後手としては、どこかで反発して行きたいところですが、一体どんな風に動いていくのでしょうか?

将棋、受けて勝つ極意を探す。強烈な攻めの受け方を名人の棋譜に学ぶ』に続く。

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追伸

将棋のおもしろさを伝えたい、そんな思いから、少しでも将棋の普及に貢献できれば幸いです。将棋を指して楽しい時間を過ごしましょう!座ってばかりで体を動かしたくなったら、ゴルフがおススメです。ゴルフは息の長いスポーツで将棋ととても似ています。人生を楽しく過ごすのに将棋とゴルフは最高です(^◇^)!

他にも将棋の棋譜を並べていますのでよろしかったらこちらをどうぞ。

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