将棋、受けて勝つ極意を探す。強烈な攻めの受け方を名人の棋譜に学ぶ



東海の鬼の攻めを受ける大山名人

受けの大山名人対東海の鬼花村先生の、矢倉の記事の第二回目です。なぜ、この対局を取りあげたかと言いますと、大山康晴名人の受けの強さは伝説にまでなっています。その強靭な受けを知るには、その棋譜を勉強するのが一番でしょう。ただ、その受けの凄さを知るためには、攻めの強い相手との対局である必要があります。第一回めの記事にも書きましたが、花村先生は東海の鬼とよばれたほどの攻めの強さを誇る棋士です。その攻めをどのように大山名人は受けるのか?将棋ファンならば興味しんしんなところではないでしょうか。

一回目は『東海の鬼と呼ばれた棋士の強烈な攻めを受けつぶして勝つ名人の受け!』に書いておりますのでよろしければそちらもお読みください。

前回局面を再度掲載しますね。

Sponsored Links

天王山の位をめぐる攻防

△5四歩 ▲同 歩 △同 銀 ▲5五歩 △6五銀

後手は、先手に55の天王山の位取りを安定させてしまうと、将来的に不利な状況になると判断して、54歩から反発していきます。

先手も▲55歩と位を安定させようとしますが▲66歩と突いていないところが裏目に出て、銀をぶつけられてしまいました。銀をぶつけられたら、先手は銀交換しなくてはならない状況です。

対照的な右金の動き

▲同 銀 △同 歩 ▲5九金 △6三金

この銀交換は先手と後手とどちらが得したのか、難しいところです。先手の銀は55の位を支える駒で盤上にあって働いていました。

後手の銀は、攻めの銀なので交換してしまった方がいい駒です。しかし後手の陣形は玉が入城していない分、まだ守備的に弱いことも考えると、銀交換の是非は不明というところでしょうか。今後の駒組に左右されそうです。

その駒組みに早くも動きが見られたのが両者の右の金です。先手も後手も右の金を動かしましたが、先手は下段を這うように、しかも玉に寄って。後手は上段に、玉から離れるように。まるで対象的です。

何となく、玉に寄るように金は使っていくのが受け将棋の印象ですが、大山名人の金は独特です。これは、これまで並べてきた大山将棋の棋譜にも表れています。

Sponsored Links

静かに待つ

▲5八飛 △2二玉 ▲3六歩 △9四歩 ▲3五歩 △9五歩 ▲1六歩 △1四歩 ▲5四歩 △4五銀

先手は55の位を銀ではなく、▲58飛車と飛車で支えました。対して後手は、ようやく△22玉と矢倉城に入りました。先手は攻めの構えで▲36歩、後手は、△94歩と端歩を突いて待ちます。

先手は着々と攻めの体制を整えていきます。対して後手は、静かに待っている印象です。この後手の静かさは並の静かさではありません。それは、次の手の端歩に表れています。

先手は▲35歩と突きました。これに対して後手は△95歩と突きました。

後手のこの端歩の突き越しはどうですか?『端歩は心の余裕』と言われますが、余裕を通り過ぎている気すらします。▲35歩と突かれてなお、△95歩です。しかも飛車側の歩です。玉側の端歩と違って、玉の逃げ道が広くなるとか、そういう目先のメリットが感じらない方の端歩です。

これで負けたら、不急の2手が敗因と言われそうです。この飛車側の端歩、何か思いだしませんか?私は、『月下のk棋士』という漫画を思い出します。主人公が端歩を突くのですが、『不急の一手』=『無駄の手』=『手損』と批判される構図があります。

大山名人のこの端歩、何となく似ていまるように感じるのは私だけでしょうか。

先手は54歩と突きだします。これは、背後に飛車の応援がいるから強力です。ついに先手が攻めに本腰を入れてきた感じです。

後手はこれをまるで待っていたかのように銀を打ちました。

将棋の守りの駒は美しい。大山十五世名人の守りの金がしずかに動く。』に続く。

追伸

将棋のおもしろさを伝えたい、そんな思いから、少しでも将棋の普及に貢献できれば幸いです。将棋を指して楽しい時間を過ごしましょう!座ってばかりで体を動かしたくなったら、ゴルフがおススメです。ゴルフは息の長いスポーツで将棋ととても似ています。人生を楽しく過ごすのに将棋とゴルフは最高です(^◇^)!

他にも将棋の棋譜を並べていますのでよろしかったらこちらをどうぞ。

 

Sponsored Links