精神的強さが出る。受けこそ度胸。勇気のある受けを大山流から学ぶ。



大山流受けの真髄

受けの達人大山名人対東海の鬼と恐れられた花村先生の、矢倉の記事の第四回目です。花村先生の強烈な攻めをどのように大山名人が受け止めるか。大山流の受けの真髄を学ぶには、とてもよい棋譜だと思います。

一回目は『東海の鬼と呼ばれた棋士の強烈な攻めを受けつぶして勝つ名人の受け!』に、二回目は『将棋、受けて勝つ極意を探す。強烈な攻めの受け方を名人の棋譜に学ぶ』に、三回目は『将棋の守りの駒は美しい。大山十五世名人の守りの金がしずかに動く。』に書いておりますのでよろしければそちらもお読みください。

前回局面を再度掲載しますね。

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置き駒の活用。飛車の横効きの受け

▲3五銀 △8四飛

▲35銀と打って執拗に先手は44の地点を狙ってきます。これを駒を打って受けるとすれば△33銀か△53銀とするしかありません。しかし、△33銀と打つと、形は美しいですが、▲15香車から歩を取られて、34の地点を狙われてしまうのではないかな?とか、△53銀と打つと、明らかに角が使いづらくなってしまい、銀の働きもいまいちではないかな?とか思って見ていました。

しかし、ここで思っても見なかった意外な駒が受けに参加してきたのです。

それが△84飛車です。

飛車の横効きで遠く44の地点を受けています。まさしく『置き駒の活用』ですね。持ち駒ではなくて、まずは盤上の駒を活用せよって基本の格言を踏襲する一手です。

 

攻めの継続をはかる先手。

▲2四歩 △同 歩 ▲1五香 △3四歩 ▲1三香成 △同 玉

先手は1筋を突き捨てて総攻撃をかけました。何としても攻めを成功させなくてはなりません。攻めの勢いが止まることは敵の反撃を許すことになるからです。『攻めるは守るなり』と言いますが、裏を返せば攻めが止まった時、守りも止まるのです。

先手は▲24歩です。これは15香車と走った時に、後手の角が15の地点に効いているのを遮断する意味と、後手玉頭に傷を付ける意味だと思います。

全ての攻め筋を止めることができるわけではありませんから、最も急所と思われるところに受けの一手を入れることになります。後手は△34歩と受けました。34の地点に歩を打たせるのが、最も危険と判断したのでしょう。

しかし、普通は王手に成られる手を一番に防ぐように思います。ここでは次に▲13香成があります。この香成を防ぐことの方が大事ではなかったのかな?と。

実際にその▲13香成に対して、同玉と取りました。この手は、よくよく決断のいる一手だと思います。というのは棋譜を追って分かりますが、大砲である飛車が攻めに参加してくるからです。

 

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受けこそ度胸!

▲1八飛 △1四歩 ▲4八角 △5七銀▲2四銀 △同 角 ▲2七香 △3五角

攻めってカッコいいです。攻め将棋って言うと、なんか勇ましい感じがして、華麗に寄せきる姿を見ると、とても気持ちが良いです。それに対して受ける将棋は、地味です。地味な手がほんとに多いですよね。でも心の中をのぞいてみたら、きっと受け将棋を指す人は度胸があるんだと思います。

大山名人の△13同玉の手はそれを凄く感じさせてくれた一手です。玉は取られたら終わりです。その玉を守るために他の駒は一生懸命働きます。そういう中で玉が露出して戦線に立っている姿を見せる。まさに強い玉です。玉が強いって言うことは、他の駒にしてみればこれほど勇気をもらうことはないと思います。

働く配下の駒の気持ちになれば、肝の太い大将の下で、その大将の姿を見て勇気をもらいながら戦えるのは、幸せなことではないでしょうか。その姿をイメージすると、度胸のある受けは美しくかっこいいです。

先手は▲18飛車と飛車を転回してきます。大砲が先手で後手玉を睨みます。

後手△14歩の受けに、先手は▲48角と引いて、香車を使う攻めの体制を準備します。うっかりしていると、▲48角が△84の飛車取りになっていますので、単なる準備ではありません。

さて、ここで前に△56の地点にとった歩の拠点が流れを変えます。△57銀打ちと角とりの先手で飛車取りを防ぐことができるのです。

先手は猛攻継続です。▲24銀と銀を捨てて、▲27香打ちです。この角取りがどこまで厳しいかと言うところです。この角を逃げた後、後手の王様が極端に狭くなっています。2筋に香車の効きのラインが引かれました。この香車も本当に美しいです。こういう働き場所が与えられたら、この香車も本望でしょうね。

一瞬先手に持ち駒は歩しかありませんが、57の地点に銀が落ちています。

後手はぎりぎりの受けです。

大山康晴十五世名人の受け将棋の極意は、攻め駒を責め続けるのだ! 』に続く。

追伸

将棋のおもしろさを伝えたい、そんな思いから、少しでも将棋の普及に貢献できれば幸いです。将棋を指して楽しい時間を過ごしましょう!座ってばかりで体を動かしたくなったら、ゴルフがおススメです。ゴルフは息の長いスポーツで将棋ととても似ています。人生を楽しく過ごすのに将棋とゴルフは最高です(^◇^)!

他にも将棋の棋譜を並べていますのでよろしかったらこちらをどうぞ。

 

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