将棋受けの極意。馬を詰ます受け!馬を責めながら守る迫力の攻防戦



自陣の傷を消して万全の大山陣。

受けの達人大山名人の受けの考え方を学ぶには、攻め将棋の強い棋士との対局を並べるのが一番ではないかと思います。そんな思いから、東海の鬼と恐れられた花村先生との対局を並べていますが、とうとう6回目となりました。

前回の局面で大ピンチから一転、△11香と打った局面は、唯一の傷と思われる端の補強を完了した一手です。大山十五世名人は万全の大山陣を構築したあと、どのように勝利に向かうのか、いよいよその段階の局面になりつつあります。

一回目は『東海の鬼と呼ばれた棋士の強烈な攻めを受けつぶして勝つ名人の受け!』に、二回目は『将棋、受けて勝つ極意を探す。強烈な攻めの受け方を名人の棋譜に学ぶ』に、三回目は『将棋の守りの駒は美しい。大山十五世名人の守りの金がしずかに動く。』に、四回目は『精神的強さが出る。受けこそ度胸。勇気のある受けを大山流から学ぶ。』に、五回目は『大山康晴十五世名人の受け将棋の極意は、攻め駒を責め続けるのだ!』に書いておりますのでよろしければそちらもお読みください。

前回局面を再度掲載しますね。

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先手、遊び駒の活用。桂馬で銀の両取り!

▲5四歩 △3五銀 ▲5三歩成 △同 金 ▲2四香 △同 銀▲2五歩 △同 銀 ▲3七桂

先手は▲54歩と突きましたが、成り捨てて5筋の歩が無くなれば、▲58歩と打って銀が取れるとした意味でしょうか。あとは成り捨てて金の守りを玉から引き離す意味もありますね。しかし5筋の歩を突きだすのは、攻めの手としては速度減少です。

後手は、△35銀とがっちり受けます。これでもかって感じで自陣に駒を入れていきます。この瞬間の後手陣の堅いこと。堅いと言うよりも、分厚いと表現する方が適切かもしれません。そのくらい後手玉を囲む守備駒は、適度な隙間を持ちながらも、連携しあっています。

『矢倉は戦う囲い』と言われますが、この飛車を圧迫して攻め上がってくる矢倉陣を見ると、そのイメージがぴったりだなって思います。

先手は、▲24香と香車を捨てて、銀の位置を変えて、遊んでいた桂馬を活用して、▲37桂馬と銀の両取りをかけました。途中、▲25歩を同銀と取らなければ両取りはありませんが、玉頭に拠点を作らせるわけにはいきません。

強力な馬を作る!

△1六歩 ▲1九飛 △4七角成 ▲4五桂 △同 歩 ▲5一角 △5二金

後手は両取り逃げるべからずで、先手の飛車先を止めます。先手の飛車を引かせて、△47角成と馬をつくります。この馬は、▲58歩とされて取られてしまう恐れのあった△57銀も助けています。また、玉の上部を開拓して、とても力強い馬です。

先手は45の銀を取って▲51角と後手陣深く打ち込みました。この角は不気味です。24の地点に駒を打ち込まれると、後手玉の上部に出てこようとする圧力が激減してしまいます。なので、当然△24歩と穴をふさぐのかなって見ていたのですが・・・。

意外にも後手は、金を引いて角取りとしました。24に駒を打たれたなんか後手玉は下段に追い落とされてしまうのでは?

先手は、▲24歩あるいは▲24銀と駒を打ち込んでみたいところですが、▲15角成とする手もあって悩ましいところです。

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なぜ先手は24に駒を打たなかったのか?

仮に上部を抑えて▲24歩と打てば、どうなるか?少し考えてみましたので発表します。

▲24歩 △22玉 ▲23銀 △31玉 ▲32銀成 △同玉 ▲23金 △31玉。

この局面をじっくりと見ると、なんと先手の角が詰んでます。玉の上部を抑えさせた変わりに先手の虎の子の角を詰ますという構図です。

もしかしたら、後手はわざと24に何か駒を打たせるために、金を引いたのではないでしょうか。

う~ん、すごい。

馬を責める後手。攻め駒を責める受け!

▲1五角成 △2四歩 ▲4一銀 △1四香 ▲3二銀不成 △同 玉 ▲2四馬 △2三歩

先手は端に▲15角と成りかえりました。後手は今度こそ24の地点に駒を打たせるわけにいかないので、『敵の打ちたいところに打て』といわんばかりに、△24歩と打ちました。

先手は、▲41銀の割打ちから後手の守備駒を剥がしに行きます。

後手は△52金を逃げずに、△14香車と馬取りに走ります。この瞬間、なんと後手の馬は行くところがありません。

先手はたまらず、馬を救出するため、▲32銀成らずと、王手をかけます。

本来なら52金がただなので、そちらの駒を取りたいところだったと思います。

しかし、馬取りとされては、52金を取っている暇はありません。

ある意味、取る暇を与えないように持って行くのも、受けの技術なのかなって思います。

玉を下段に下げてから、▲24馬と馬が入りますが、△23歩とまたも馬取りです。

25の銀を取れればいいのですが、後手の47馬の紐がついています。先手は、馬を責められて、馬を助けるのに精いっぱいです。その馬を責めながら、後手はどんどん力を蓄えていきます。

完結編。反撃開始!強烈な破壊力で倍返し!鬼より怖い二枚飛車の攻め』に続く。

追伸

将棋のおもしろさを伝えたい、そんな思いから、少しでも将棋の普及に貢献できれば幸いです。将棋を指して楽しい時間を過ごしましょう!座ってばかりで体を動かしたくなったら、ゴルフがおススメです。ゴルフは息の長いスポーツで将棋ととても似ています。人生を楽しく過ごすのに将棋とゴルフは最高です(^◇^)!

他にも将棋の棋譜を並べていますのでよろしかったらこちらをどうぞ。

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