飛車を守るのも受けの一つ。金を上がらないバランスの良い陣形がよい



将棋の受けは奥が深い

将棋では、相手がいることや、先手と後手の立場によって、攻め続けることは難しく、必ず受けに回る局面が出てきます。攻めるのが好きな人は、受けがあまり得意でなく、受けるのが好きな人は攻めるのが苦手という場合が往々にしてあります。

受けは地味ですが、受けに強くなれば攻めが一層際立って強くなると思います。ならば受けを勉強するしかない。でもどうやって・・・。そこで浮かんだのが、受けの大名人と呼ばれた大山康晴十五世名人の棋譜を並べてみることでした。

大山康晴十五世名人の後手矢倉を勉強しています。なぜ大山名人なのか?なぜ後手矢倉なのか?これについては、前の記事『将棋の受けを学ぶ!函館の天才と呼ばれた羽生の師匠が名人を攻める!』に書いておりますのでよろしければお読みください。

さて、早速ですが、前回の棋譜を再掲載します。

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角交換に強いバランスの良い布陣

▲4八飛 △3二玉 ▲8八玉 △6五歩 ▲同 歩 △3七角成
▲同 桂 △7三桂

前記事で、△43金左に驚いたって話をしました。でも、よく指された局面を眺めてみると、△52金が残っていることで、バランスが良いことがわかります。

バランスが良いというのは、駒に偏りがないため、将来、角を交換した時に、打ちこみの隙が少ないっていう意味です。

先手は4筋に飛車を振って、4筋から攻め上がろうとしています。▲47金が重い感じですね。何となく、2筋が、後手の△32金が居なくなったので、薄い感じがして、先手としてはこちらから何とか攻められないかって思ったのですが、何かもっと良い考えがあったのだと思います。

先手は▲88玉、後手は32玉と玉を囲い合います。玉の深さで言えば矢倉に囲っている分先手の方が良いですが、他の駒とのバランス感覚で言えば後手の方がゆったりしていて自由度が高そうです。

いよいよ、後手は、△65歩と攻めを開始します。狙いは角交換ですね。何となく四間飛車の△65歩と飛車角の効きを一気に開く手を連想させます。大山名人が後に四間飛車を自身の愛用の戦法にしたことにも思いが至ります。後手は角を交換して△73桂と遊び駒を活用します。

次の後手の一手が意外でした。▲64歩と突きだしたのです。これは後手の狙いである△65桂馬の両取りを防いでいません。銀桂交換はかまわない、ということでしょうか?

銀桂交換の代償

▲6四歩 △6五桂 ▲7三角 △6一飛 ▲6六銀左 △5七桂成 ▲同 銀 △7五歩

先手は銀桂交換の駒損をしましたが、その代償として、▲73角と角を打ちこんで後手の飛車を封じ込めようとしています。

因みに、先ほどの▲64歩を後手が、△65桂と跳ねずに、△65同飛車と取ったらどうなっていたのか?これは、△82角と打ちこんで先手が良いのではと思います。

△65桂と跳ねれば、▲64飛車がただで取られてしまいます。放置しておいても、桂馬か香車のどちらかを取られてしまいます。

先手が▲73角と打ちこんで、後手は香車が取られないように△61飛車と引きましたが、こうなると、△52金が光ってきます。金が飛車を守っています。飛車がいじめられることを想定して、飛車の逃げ道を広くしている後手陣のバランスの良さが素晴らしいですね。

先手は▲57銀左と、『早くどっちか取ってくれ』と催促しました。後手は▲57銀を取りましたが、これを同金と取り返せないのがつらいところです。

同金だと、△51角と打ちこまれてしまい、桂馬を守ってどこに飛車が逃げても、手持ちの銀を打たれて飛車をいじめられてしまいます。

銀桂交換のデメリットは、飛車をいじめられた時、逃げ方によって銀で飛車を厳しくいじめられてしまう変化があることですね。

局面が一旦落ち着いたところで、後手はどうするのかと見ていましたら、△75歩と歩を突きだしました。一見何気ない歩突きですが、この歩は取っても取らなくても先手としては気持ちの悪い歩ですね。

▲75同歩と取れば、76の地点に空間が空きますので、ここに将来、桂馬や香車を打たれるときついです。また取りこまれた場合、77の銀がいなくなって玉が薄くなった先手陣にとっては、響きが強い一手です。

銀は引く手に好手あり!両取りをわざとかけさせて、自陣角を打つ!』に続く。

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追伸

将棋のおもしろさを伝えたい、そんな思いから、少しでも将棋の普及に貢献できれば幸いです。将棋を指して楽しい時間を過ごしましょう!座ってばかりで体を動かしたくなったら、ゴルフがおススメです。ゴルフは息の長いスポーツで将棋ととても似ています。人生を楽しく過ごすのに将棋とゴルフは最高です(^◇^)!

他にも将棋の棋譜を並べていますのでよろしかったらこちらをどうぞ。

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