将棋から学ぶこと。『待つこと』の重要性。懐の大きさを感じる一手。



後手矢倉の受け

暑いです。最近めっきり夏まっさかりですね。でも日中暑すぎるせいか、夕暮れ時の涼しい風がなんとも心地良いです。

さて、受け将棋を学ぶと題して、大山康晴十五世名人と灘蓮照先生の将棋を並べて、第二回目に入ります。第一回目は『将棋の受けは難しい。頭は将棋、体はゴルフ。奥が深くて学びが多い!』に書いていますので、こちらから読んでいただけるとここまでの流れが分かると思います。

後手矢倉は攻められるケースが多く、受けが弱くてはつとまりません。あっというまに攻めつぶされてしまいます。なので後手矢倉を受けて立つには、受け将棋を鍛えなくてはなりません。

ということで、大山名人の後手矢倉で、果たしてどうなることかと見ていましたが、意に反して後手が先に棒銀で攻めました。

しかし、相手は乱戦得意の灘先生。灘流の反撃が炸裂して、後手陣の弱い6筋に角を打ちこみ、角には角と、後手大山名人が受けたところで終わりました。

前回の局面を再度掲載します。

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先手、馬をつくる!

▲8三歩 △同 飛 ▲7二角成 △8五飛

前回の譜で、何気なく先手は▲96歩△86銀を交換していました。その手が、実はここにきて効いてきました。▲83歩です。この歩は△86銀と後手に86の歩を取らせなくてはできない打てない手です。

この歩を打てたからこそ、▲72角成と馬を作ることができました。先手は△85飛車と逃げる一手です。この手で、他の筋に飛車を逃げると、81の桂馬を取られてしまいますし、せっかく攻め込んだ86の銀が立ち往生してしまいます。

攻めていったら、逆に攻め込まれた感じの展開になってしまいました。

この局面、私なら、なぜ攻めた?って自分を責めたくなります。こんな結果になるなら・・・・って精神的な重しがのったと思います。

金は引く手に好手あり

▲5七銀右 △8七銀成 ▲7九金 △6五歩 ▲7七銀 △7五歩 ▲5九玉 △4二金寄

ここで先手は何を指すのか?ここで先手に厳しい手があれば、後手はもはやどうしようもありません。しかし指された手は▲57銀でした。この手は、28の飛車の横効きを通した手で、守りの一手だと思います。

でもこの手しかないなら、後手の攻めは成功していたことになります。だって棒銀が捌けて飛車が成りこめたら攻めとしてはこれ以上ありません。

後手は懸案の棒銀を捌きます。待望の△87銀成です。▲87同金△同飛車成となって龍ができたら終わりですよね。でもそうするしかないのかなって見ていたら、▲79金と引きました。この手が驚愕の一手でした。

金を引いて飛車を成らせない?そんな手があるのか~~~っ。かなりの驚きです。△88歩なら97桂馬と飛車取りに跳ねて、打った歩が重くて攻めがスムーズにいきません。かといって、△88成銀と行くのは▲28飛車が遠く守りに効いていて、ダメです。

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玉の退路を作る一手。安全度が段違い

後手は△65歩として先手の銀を77に引かせました。玉の守りに引かせるようですが、65の拠点も大きいです。△75歩と突いて、△52の角筋を通します。この角が世にでれば後手はもはや言うことはありません。

後手の△42金寄は局面を一瞬にして変えた手です。この手の意味は、玉の退路を開いた手です。この手によって、玉の安全度が段違いに上がったことが分かると思います。それにしても驚くべきはこのタイミングで寄るんですね。

ともすれば忘れてしまう一手で、終盤の一手争いの中では指すことが難しいです。しかし絶妙のタイミングで寄りました。まだ局面のスピードが上がる前です。いつ上がってもおかしくないですが、まだ上がる前の絶妙なタイミングです。

大山名人の手の凄いのは、相手が指してくるのを待っている手が多いと感じるんです。相手が指してくるまでは、自分の将来役に立つ手を指しておく。

いざ相手が動いてきたら、その手に応じた手を指す。なので相手のいいなりになっているようにも見えてしまいます。しかし実はそうではないのだと。相手に指されるのを待っているんですね。さすが桁違いに懐の大きな将棋だと感じます。

懐の大きな人

実生活に目を向けていても、相手のいいなりになっているようでいて、その実、自分の信念を持っている人っていますよね。最初のうちは自分が無いのかなって感じたりします。

でも最後までことが進んでみると、あ、この人は、こうなることまでわかってたんだなって感じる人がいます。けっして口には出さないんです。

逆に、そんなの気付かなかったよ~、やっぱすごいね~、なんて言ってくれさえします。ほんとは気付いているのに気付かないふりしてるんでしょって言いたくなりますが、それがほんとうに有難いんです。

懐が大きくて、とにかく待てる人はすごいですね。そのような器の大きな人を尊敬します。

 

追伸

将棋っておもしろいですよね。将棋の中には実生活に役立つ教訓のようなこともあります。そんな学びを楽しみながら得られるというところに、これまで長く人々に愛されてきた歴史があるのだなって思います。

でも将棋を指してばかりだと、体がなまってしまいます。頭を動かすのが将棋なら、体を動かすのにゴルフをお勧めします。

両方とも、年をとっても長くできますし、奥が深いので、飽きることがありません。何より、学びがあります。

将棋の棋譜並べは、『将棋の目次』に書いてありますのでご興味のある方はぜひどうぞ。

またゴルフについては、『ゴルフの目次』に書いてありますのでどうぞ。

あなたの人生が楽しいものでありますように!(^◇^)!

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