『日本一の攻め』の攻めを受け止める。受け将棋の魅力とは?



将棋の受けの真髄を手に入れる!

受け将棋と言えば大山康晴。この名前が出てこないはずがないと言われるくらい有名な受けの達人です。

将棋は攻めばかりではどうしても勝てなくなると言われます。受けが弱いということがものすごく大きな壁と感じる時があります。

私は、今でも攻めに偏ってしまいます。受け将棋を磨くことで、将棋の棋力を上げられるのではないか、そう思ってそのための手立てを考えています。

やはり達人に学ぶしか方法はない、そう思うところに至り、大山康晴十五世名人の棋譜を勉強させていただくこととしました。

戦型は、大山名人と言えば四間飛車と言いたいところですが、あえて『矢倉』を題材に取り上げます。しかも後手矢倉です。

なぜなら、自分が矢倉が好きというのもありますが、いつも攻めの主導権を握ろうと考える矢倉にあって、先手の攻めを受け止める立場に後手はいつも追いやられてしまうからです。

後手矢倉は、相当矢倉が好きか、相当受けに自信がないと指せません。

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王将戦。先手高島一岐代 vs 後手大山康晴

この棋譜は、1959年3月4日の王将戦で指された棋譜です。

先手の高島先生は、『日本一の攻め』と呼ばれるほどの攻め将棋です。その攻めを大山先生がどのように受け止めるかが興味深いところです。

▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲7七銀 △4二銀 ▲2六歩 △6二銀 ▲4八銀 △3二金
▲7八金 △4一玉 ▲6九玉 △6四歩

典型的な矢倉の出だしですが、注目すべきは、後手の△64歩です。この歩は、今であれば、急戦を狙う場合に登場します。持久戦ではこの手は、△64角の筋を無くして損です。

しかし、当時は、この手がふつうに指されていました。この歩を突くと、後手が角を居角で使わない場合、完全に受けになります。

受け切らないと勝てない将棋と言ってもいいのではないでしょうか。そのくらい受け将棋のにおいがぷんぷん匂う一手です。

後手、腰掛け銀の構え

▲5六歩 △6三銀 ▲2五歩 △3三銀 ▲7九角 △5二金 ▲5八金 △7四歩 ▲3六歩 △5四銀

先手は5筋を突いて現在でも見慣れた矢倉の布陣です。▲79角と角を引いて使う感じがピッタリです。対照的に後手は5筋の歩を突きません。

この5筋を突かない後手の矢倉は、とてもバランス良く見えるのは私だけでしょうか?『角替わり将棋に5筋を突くな』と言われますが、この5筋を突かない構えは、何となく隙のない構えに感じます。

特に、△54銀と腰掛け銀に組んだ形は、将来△44歩と突いて、54銀を引いて使う味もあります。そうなると銀矢倉となってとても堅いです。ただ、惜しいのは角の使い方が難しいところです。

矢倉は角の戦いと言われますが、この後の角の働きの差がどれだけつくのか、見ものです。

 

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追伸

将棋は、本当に奥が深いと思います。現在では、全く指されない形が、60年ほど前は、普通に指されていたわけです。

これを進歩と呼べるのか、そこも難しいというところに大きな魅力を感じます。結局、以前歩いていた道に戻って来て、最終的にどっちが悪いかわからないってケースもあると思います。

横歩取りの将棋で歩得をするべきかしないべきか、結論が時代によって変ったこともその一例かと思います。

60年も昔の将棋が新鮮に感じるのが不思議です。

あなたの将棋ライフが楽しいものでありますように!(^◇^)!

他にも棋譜を並べています。どうぞご覧くださいませ(^◇^)→『将棋の目次

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