攻め将棋は『攻めつぶし』、受け将棋は『受けつぶし』。



受けつぶして勝つとは?

大山康晴十五世名人の受けを学んでいます。将棋は攻めだけでは勝てず、どうしても受けが必要になると言われます。しかし相手に攻められるというのは、とても嫌なものです。

しかし、攻め将棋に『攻めつぶす』という表現があるように、受け将棋にも『受けつぶす』という表現があります。

受けつぶして勝つということがどういうことなのか?それを大山先生は教えてくれます。

さて、前回に引き続き、並べていきますが、今回は第5回目となります。第1回目は、『『日本一の攻め』の攻めを受け止める。受け将棋の魅力とは?』に、第2回目は『角の活用に手数がかかるが、それで悪いか?』に、第3回目は『人気漫画『キングダム』の王をおとりにする作戦は受け将棋の極意かも。』に、第4回目は『アマゾンプライムで映画『墨攻』を見ながら将棋の受けを考えてみた。』に書いています。では早速ですが前回までの局面を再度掲載します。

 

前回までの局面を再掲載します。

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飛車をいじめながら馬をつくる!

▲3五飛 △4六角▲3九飛 △2八角成

二枚の角が、どうやって先手の飛車を封じ込めるか?ここが受けの見どころだと思います。先手は当然▲35飛車と逃げますが、そこでダイレクトに▲19の香車をとることはしません。ターゲットは先手の飛車なのですね。

△46角と一旦飛車取りに出ます。その後、先手は▲39飛車と逃げましたが、△28角成と馬を作りつつ飛車取りになります。先手を取りつつ、馬を作る方が、香車を一枚得するよりも効果が大きいのですね。

飛車を責めつつ自陣を守る馬という守護神

▲4九飛 △2七角成 ▲4四飛 △4三歩 ▲4七飛 △3六馬 ▲4五銀 △2五馬

先手は飛車を▲49飛車と逃げざるを得ません。他の場所では攻め味が乏しいです。攻め好きな人は、どうしても攻め味を求めてしまう癖があると思います。なので、次に攻めにつながるような手を探します。

後手は二枚目の角を飛車取りの先手で成りこみます。△27角成です。先手は▲44飛車と飛び出しますが、後手は丁寧に△43歩と受けて、先手は飛車を逃げる場所に再度困ります。

▲47飛車と逃げても、△36馬と先手を取られてしまいます。ここで、▲45銀と1枚駒を投入し、飛車角交換を辞せずと意思表示します。

ここでは、すでに先手の飛車と後手の馬では、圧倒的に後手の馬のほうが価値が高いです。先手の飛車は標的になる駒、後手の馬は、先手の飛車をいじめつつ、自玉周辺の安全を高めています。

△43歩と受けたことにより後手は歩切れになりましたが、△25馬と逃げつつ、歩を補充しました。

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馬の守りは金銀3枚

▲4四歩 △同 歩 ▲同 銀 △4六歩

先手は再度、▲44歩から棒銀の容量で攻めていきます。しかし、飛車筋を遮断する△46歩が当然ながら厳しいです。もう一枚の△28馬が守りに効いています。

馬の守りは金銀3枚と言われますが、こうしてみると、馬だけで6枚の金銀がいることになります。しかも、先手は、飛車と銀と歩で攻めているわけですから、その戦力の差は歴然としています。

局地戦に限定していくことで、相手の攻めを封じ込めていくというのが、後手の受けの方針だと思います。

玉周辺の垂れ歩を掃除

▲5七飛 △3四馬 ▲3五銀打 △4五馬

ここでも当然飛車を逃げる一手です。飛車を取らせて攻めるといっても、▲33銀打ちと打ち込むしか手はありません。しかし、打ち込んだところで、△33同桂▲同歩成△同金▲同銀成となれば、逆に後手玉は上部が広くなり、怖いところがなくなってしまいます。

飛車を追った後、後手は34の垂れ歩を馬で払います。この一手は、玉頭に重しになっていた目障りな歩を排除しただけでなく、▲34銀取りにもなっています。さすがに銀を守るしかない先手は、▲35銀打ちとするしかありません。後手は馬を45に逃げて、先手に手を渡します。

ここで思うのは、この一連の手は受けつぶすために成すことを教えてくれています。相手の攻めを未然に防ぐため、玉周辺にある火種を一つずつ丁寧に決して行く作業ですね。まるで後手の馬が玉周辺のお掃除をしているように見えます。

追伸

受け将棋の勉強をしていると、攻め将棋の勉強にもなることが最近実感することが多くなりました。こうやって受けられたら嫌だなって思うことが増えたからです。

『自分ならどう受ける?』今までなかったこんな問いが出てくるのは、将棋の見方が広くなった証拠なので、勝率は別にして、将棋の潜在的なレベルは上がっているのではないかなって思います。

ほんとに将棋は面白いですね。

あなたの将棋ライフが楽しく実りあるものでありますように!(*^_^*)!

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