攻めに強い石田流を相手にどう戦う?位をとって戦う戦略



序盤のかけひき

前回『守りきって勝つ。受けの技術を磨くために。位を取って持久戦、の研究。』の続きです。

後手の将棋は、居飛車なのか振り飛車なのか、分からない出だしでしたが、△84歩で居飛車がほぼ確定しました。ほぼと言ったのは、かなり稀ですが、まだ美濃囲いにすることが可能だからです。

後手は、先手が振り飛車で来たときに、△42銀と指してしまっていますので、現代の超有力戦法である穴熊にはできません。その意味で、この△42銀は作戦の幅を狭めてしまっていて後手にとっては損な手です。

この将棋の見どころは、相手が振り飛車で来ると分かっていなかった場合に、予想を外されて振り飛車だった場合に、角道を止めているため急戦にしづらく、かと言って、△42銀としていて、穴熊にもできないって場合に、どうやって敵の振り飛車に対して組み合うかという点です。

しかも、後手は、振り飛車の名人である大山名人です。その大山名人の振り飛車退治、興味が沸いてきませんか?

再度局面を掲載します。

 

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先手、三間飛車に振る

▲7八飛 △8五歩▲7七角 △4三銀 ▲7五歩

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

石田流に先手は組もうと狙っています。▲75歩とした手が、その狙いの一手ですが、石田流は、振り飛車の中でも攻撃的な振り飛車の部類に入ります。振り飛車の中で三間飛車は人気の戦法ですが、その理由の一つは、この石田流に組めるところが魅力だからだと思います。

石田流は攻めの理想形と言われて、この形に組まれると、受ける方はたいへんです。一つ受けを間違うと、初心者は一気につぶされてしまいます。有段者の方でも、この石田流の破壊力は要注意です。

石田流は人気の戦法と言いましたが、この戦法、アマチュア間でも人気の戦法で、石田流に組めただけで気分は上々という人もいるくらいです。なので、気持ち的に有利に立たせるのも癪なので、阻止できるなら阻止したい気もします。

後手は△85歩と突いて、先手に▲77角とさせましたが、先手はこの角をいずれどかして、石田流の定位置である▲76飛車の形を目指します。

 

後手、4筋の位を取る!

△4二玉 ▲4八玉 △3二玉 ▲3八玉 △6二銀 ▲2八玉 △1四歩▲5八金左 △4五歩

先手も後手も玉の囲いに手をかけます。後手が△14歩と端歩を突いたとき、先手は端歩を受けませんでした。この意味は奥があります。穴熊を狙っている雰囲気がしますね。

と言うのは、先手が穴熊に組むのは有力な戦法なのですが、端歩を突いたら、後手に攻めの糸口ができてしまうので、端歩を受けない方が穴熊に組むには有利なんですね。

仮に美濃囲いであれば、逃げ道を広げる意味がありますので突いてないと損です。端歩を後手に突きこされては美濃囲いが弱くなってしまうので、突くならこのタイミングなのに、突きませんでした。

先手の▲58金左を見て後手は△45歩と突きました。この歩を今突いておかないと、先手から▲46歩から▲47金と構えられてしまいますので、タイミング的にはここですね。この歩は玉頭位取りや5筋位取りに慣れている方にとっては違和感があるかもしれませんが、この筋の位はかなり有力だと個人的に思っています。

 

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先手、美濃囲いの陣を構える

▲5六銀 △4四銀 ▲3八銀 △5二金右 ▲5九角 △5四歩

先手の▲56銀は、後手の4筋の位に反応した手ですが、△44銀と位を後手に支えられると、この4筋の位が強力に安定します。先手の陣から見てみると、この4筋の位の圧力って大きいですよね。

例えば、先手が5筋から3筋までの歩を突けるとして、一つだけつけるとしたらどの歩が一番いいかって聞かれたら、4筋が良いとおもいませんか?

共感してもらえる方には分かると思いますが、この4筋が突けないことの問題は、美濃囲いの進展性が極端になくなってしまうことにあると思います。

先手は美濃囲いに組み、▲59角と引きます。この引いた手こそ、先手の▲75歩を突いたときからの石田流の狙いを実現するための一手です。

 

攻めに強い石田流の実現

▲7四歩 △同 歩▲同 飛 △7三歩 ▲7六飛

飛車先の歩の交換を果たして、▲76飛車と引いた形が石田流の飛車の定位置です。この飛車の働きが素晴らしいから石田流が人気があるんだと思います。

この飛車の働きとは、8筋の飛車先交換を防ぎつつ、敵陣を睨んでいます。また、この後場合によっては▲77桂と桂馬を活用する余地もあります。そうなると、前線に攻め駒を配置し、まさに攻める振飛車と言える形です。

ちなみに、▲76飛車と引く手で、▲54飛車と歩を取る手は、△53金で飛車が詰まされてしまいます。

 

角の活用の妙味

△4三金 ▲1六歩 △3一角 ▲6五歩 △4二角

金を上部に△43金と上がります。位取りの将棋において、金を43の位置に置くのはとても理にかなっていると思います。重厚な金の圧力が上部に厚みを作り出しています。

先手は、端歩を突かなくては損なので、ここで端歩を突きました。不思議なのは、後手はこれまでの間に端歩を突きこすこともできたはずです。なのに突きこさなかった。これは何か意味があるのかなってチラって思いました。

後手は、角の活用を図ります。△31角から引いて使おうとしますが、石田流に対して、引き角で対抗するのも、一つの対抗策です。

後手は、▲65歩と突きましたが、最初64角とのぞかれるのが嫌なのかなって思ったのですが、仮に後手に△64角とされても、そこで▲65歩を突けばいいのですから、対して怖くありません。

先手が▲65歩と突いた意味は、先手の角をもう一度▲77角として、このラインで角を使おうとしている意図だと思われます。

なので、角には角と対抗するため、後手は△42角としたのだと思います。そう解釈しないと、△42角と細かく角を動かした意味を理解できません。

 

攻めの石田流に対抗して四筋位取り。玉頭に据えた香車の迫力!』のページに戻る

まとめ

先手の石田流三間飛車に対して、後手が位取りで対抗する図が明らかになりました。この後の後手の位の活かし方が注目です。

果たして厚みがどれほどの威力を持っているのか、それを知る棋譜としては最良の棋譜かもしれません。

あなたの将棋ライフが楽しく実りあるものでありますように!(*^_^*)!

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