振り飛車に対して位取りを使って勝つためのコツとは?



四筋位取りという選択肢

もしあなたが居飛車が好きで、流行りの穴熊や急戦など、普通の振り飛車対策に飽きているとしたら、参考になる棋譜だと思います。この棋譜は、大山康晴十五世名人による三間飛車対策の棋譜です。

棋譜を鑑賞していて思うことは、大山名人が序盤の早い段階で、△44歩と突き、そして△42銀と上がっているため、取れる戦型は、穴熊や急戦の形がないという点です。

序盤で作戦の幅を限定することは損だと思いますが、『独特の出だしからどんな形を目指すのか』と後手の戦略を興味深く見ていたところ、大山先生が目指した形は『四筋位取り』でした。

今回は第3回目です。第一回目は『守りきって勝つ。受けの技術を磨くために。位を取って持久戦、の研究。』に、第二回目は『攻めに強い石田流を相手にどう戦う?位をとって戦う戦略』に書いています。

再度局面を掲載します。


 
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角には角

▲9六歩 △2二玉▲7七角 △3三角


先手は▲96歩と端歩を突きます。この歩は、将来的に、▲97角や▲97桂など、活用する筋を残して損のない手ですね。石田流本組と呼ばれる、石田流の理想形は、▲97角の形です。

さて、先手は▲65歩の継続手と思われますが、▲77角と出ます。これに対して後手は、角には角と、△33角と備えます。

後手の角が△31角、△42角、△33角と、3回動きました。本来△33角は一手で動けるところです。これは手損ではなく、勝負におけるかけひきの中で行われた自然な流れです。先手の角も同様に、▲77角、▲59角、▲77角と一手で動けるところを同じように動いています。

 

後手、角をぶつける

▲8八角 △3二金 ▲9七角 △9四歩 ▲7七桂 △4二角
先手は▲88角と引いて、後手は△32金と陣形を引き締めました。この後手の△32金とした形は、美しいと思いませんか?

私は矢倉が好きなせいか、こういう玉の横に金がいて、上部に厚みのある形が好きです。特に、4筋に位を取って、敵陣を制圧している姿は惚れ惚れします。

後手だけの理想を言えば、3筋の歩を伸ばしていって、△64角から敵陣を睨めば、△36歩からの攻めがめちゃくちゃ厳しい攻めになります。現実はそうはなりませんが。-_-;)。

さて、先手は▲97角~▲77桂で石田流本組を完成させました。攻めの理想形です。ここから先手は攻めだけを考えていけば良いですね。

対して後手は△55歩や△35歩、指したい手はいろいろとあると思いますが、なんと、いきなり△42角と角をぶつけました。

まさに、先手からしたら意表を突かれた一手だと思います。

 
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悩ましい歩

▲同角成 △同金引▲7二歩


先手は意表を突かれたかもしれませんが、渡りに舟という見方もできます。仕掛けようと思っていたわけで、いきなり角を手持ちでできる変化が表れたのですから。

当然▲42角成と攻め込みました。これを後手は△42同金とした手が、44の銀を離れ駒にしてしまいます。こうなると、先ほどの連結の美しかった後手陣に傷がつけられてしまった感があります。

先手は、この機を逃さず、▲72歩と怪しい歩を垂らします。こういう歩は、対処に困ります。

まず、この歩を放置するとどうなるかです。

▲71歩成△同銀▲45銀△同銀▲44角△33桂▲71角成

が浮かびます。こうなると、後手は、虎の子の45の位を失ったうえ、▲71角成と急所に馬を作られてしまいます。

では、▲72歩を取るとどうなるか?

△72同飛▲61角△82飛▲34角成

が浮かびます。この後、先手の馬が後手の金銀にいろいろ目標にされるかもしれませんが、馬が自陣に帰還するようですと、先手が良いと思われます。

攻めの石田流に対抗して四筋位取り。玉頭に据えた香車の迫力!』のページに戻る

 

まとめ

大山先生の、手厚い陣形を、先手桐山先生が攻めの理想形である石田流を駆使してどうやって攻略するのか、陣形を比較してみると、それぞれの長所が浮かんできます。

意外でしたのは、後手の大山先生が、先に仕掛けたところです。しかも、その手は、後手にとって不利になるように思える手です。

なぜ?が頭を占拠します。この時点で悪いと思われていたのでしょうか?それともこれから先に後手が有利を築く手があるのか?

将棋は実におもしろいですね。

続きは次回『勝負のコツは、相手の意表を突く手を指すこと。動揺すると間違える。』に。

あなたの将棋ライフが楽しいものでありますように!(*^_^*)!

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