勝負のコツは、相手の意表を突く手を指すこと。動揺すると間違える。



敵の意表を突くということ。勝負のコツ

意表を突くことが勝負事では大事だと言われます。相手が思ってもみなかったようなことをするわけですが、つまりはびっくりさせるってことですよね。

将棋にも、指していると、なんでこんな手が!?ってびっくりすることがありませんか?一秒も感がなかったっていうような手が指されたりするとかなり心が同様してしまいます。

どうしてこの手に気づかなかったんだろうって後悔することもありますが、相手に気づかれないように指すというのも重要なことかもしれません。

むしろ、『よくぞ気づかれずに指したね』って相手を褒めるくらいでいいのだと思います。自分を責めると、どんどん自体は悪くなってしまいます。

自分にも気づかなかった手があるのですから、相手にも気づかない手がきっとあるはずです。逆転の目をつねに光らせておくことが大事だと思います。

今回は第4回目です。第一回目は『守りきって勝つ。受けの技術を磨くために。位を取って持久戦、の研究。』に、第二回目は『攻めに強い石田流を相手にどう戦う?位をとって戦う戦略』に、第三回目は『振り飛車に対して位取りを使って勝つためのコツとは?』に書いています。

さて、先手の▲72歩は、意表を突く手です。後手はどうしますか?

局面を再度掲載します。

 

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馬を作る手はなかったか?

△同 飛 ▲8六歩 △5三銀右 ▲8五歩 △8八角 ▲8四歩 △8二飛 ▲6六角 △8五歩

後手は堂々と△72同飛車と指しました。この飛車で歩を取った手は、後手としては仕方のない感じでしたが、次の先手の▲86歩は、なぜ▲61角を打たなかったのか疑問です。

仮に▲61角とした場合、△82飛車▲34角成までは必然だと思いますが、その後の変化に何か問題があったのでしょうか?

ちょっと拙い棋力で考えてみました。

▲34角成△43金右▲25馬△53角とするのではないでしょうか。次に△33桂馬▲26馬△35銀から馬を圧迫していく手が非常に厳しいのではないかと思います。

現実的に、この馬を攻められながら、元々後手の長所である厚みを活かされる展開になり、先手の石田流が活きる展開になりません。しかし、普通は馬を作られたらその時点で嫌だと思うのですが・・・。

 

攻めを止めた一枚の歩

とにかく、先手は8筋から攻めていきます。この手は、石田流で勝負しようという手ですね。この手に対して、後手は△53銀右としました。この手の意味は将来の▲66角を先手で打たせないようにした意味があります。

先手は▲85歩と伸ばしました。この手は遅いようですが、8筋からの飛車の成り込みを狙った厳しい手です。後手を焦らせる手ですね。後手は飛車の8筋への転換を牽制して△88角と打ちました。

▲86飛車には、△77角成を見せた手です。先手の▲84歩は、▲83歩成を狙いますが、△82飛車と後手は防いできます。ここで先手は待望の自陣角、▲66角打ちです。この角大好きです💛

次に▲86飛車と回られると後手は先手の▲83歩成が防げません。

困ったかのように見える局面ですが、後手の次の一手△85歩がとてつもなく参考になった一手です。一言で言えば『飛車を回らせませんよ!』という手です。

この手は、桂馬でただ取りの歩で、大人しい感じの手ですが、その働きはメチャクチャでかいです。ただ、だからと桂馬で取れば、桂馬が邪魔して飛車回りがそんなに厳しくありません。

こういう歩が打てるようになると、かっこいいですね。たった一枚の歩ですが、奥深く味わい深い歩です。

 

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6筋からの継ぎ歩攻め

▲6四歩 △同 歩 ▲6五歩 △3三銀 ▲6四歩 △同 銀

先手は、6筋から攻めていきます。いったいどうやって攻めるのかと見ていたら、『継ぎ歩』です。この継ぎ歩は矢倉ではたくさん見ますが、振り飛車戦ではあまり見かけません。しかしこの中盤のねじりあいの最中に出現しました。

▲64歩を△同銀ととると、△44の銀が浮いてしまいますから、後手は△同歩しかありません。この△44の銀が狙われています。▲65歩に△同歩は、▲同桂で△53の銀取りです。この銀を逃げると△44の銀が浮くので、先手の角によって取られてしまいます。

そこで後手は、△53の銀が心置きなく戦えるように、狙われている銀を△33銀と引いたのです。実に奥深いですよね。こういう背後にある狙いを読み解いていかないと、△33銀と引いた手が、単に玉を固めた手としか認識されないかもしれません。

狙いを知った上で、△33銀を見てみると、この銀の凄さがわかります。

 

悠然と香車を取る後手

▲7四歩 △9九角成 ▲8五桂

先手は6筋に銀を呼んでおいてから、▲74歩です。この歩に対して△74同歩は、単に▲74同飛車で△64の銀とりと▲71飛車成りが残り、これを防いで△73銀と引くと、▲54飛車から▲34飛車(同銀は王様を角で取られる)と、飛車が大暴れします。

なので、▲74歩はそのままに、後手は悠然と△99角成と香車を取ります。この余裕が凄いですね。

▲73歩成りとされたらどうするのかって思いますよね。△75歩と打たれて飛車を守るためには角を犠牲にしなくてはなりません。

△85歩が邪魔して、先手の飛車は横に逃げられません。飛車が部分的に詰んでしまいます。この飛車を守るために▲75同角と、角を犠牲に飛車を助けることになります。

そのあと、△75同銀▲同飛車のあと、後手から△64角と打たれると、先手が飛車を逃げると、△73角と、”と金”が取られてしまいます。

この反撃の手段があるので、後手は、悠然と香車を取ったのだと思います。その手が、まるで、戦闘の最中に、タバコを一服するかのような余裕を思わせます。この余裕がかっこいいですね。

今度こそ▲73歩成の殺到を狙って、▲85桂馬と先手は跳ねました。

 

まとめ

水面下の攻防が続いています。その見えない部分を、自分の棋力に応じて好きなように解釈してみるのも楽しいものです。

私にはこのようにしか解釈できませんが、きっともっと違う解釈の仕方もあるのだと思います。そこが将棋の奥深い魅力なのだと思います。

棋譜並べは楽しいですね。

次回は『将棋の受けを鍛える。何もしないことが受けにつながる?』に続きます。

 

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