26連勝!藤井聡太四段、瀬川五段と対局。鮮やかに決める。恐ろしいほどの終盤の強さ!



2017年6月15日、藤井聡太四段が26連勝の記録をかけて瀬川晶司五段と対局する。順位戦C級2組1回戦である。

瀬川五段は異色の棋士である。というのは、奨励会三段まで進んだが、年齢制限により奨励会を退会し、プロへの道は一旦は諦めたものの、その後、2,005年にプロ編入試験を経てプロ棋士となった経歴を持っているからである。

アマチュアからプロ棋士になるというのは非常に夢がある。中学生でプロ棋士になることもとても確率の低いことだが、アマチュアからプロ棋士になるというのはもっと確率が低いことかもしれない。アマチュアからプロ棋士になった棋士は、瀬川五段の前には、1,944年の花村元司からなかったことである。そんな二人は、確率の低い道のりを歩んできたという点で似ている。

ちなみに花村元司九段は、森下卓九段の師匠である。花村九段は東海の鬼と異名をとるほどの攻め将棋であった。藤井四段もすさまじい攻め将棋である。その弟子の森下九段は受け将棋の棋風で知られている。森下九段の受けの強靭さは、花村将棋の苛烈な攻めに鍛え上げられてできあがった。もし遠い将来に、藤井四段が弟子をとることになり、その弟子が鉄壁の受け将棋ならば面白いなと思った。そうなれば、大山康晴以来の受けの達人として名を残すことになるだろう。

 

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話が逸れたが、瀬川五段と藤井四段の対局は、先手瀬川五段の角換わり腰掛け銀の模様から、銀を腰掛けずに、早くも攻めゴマがぶつかる将棋となった。先に仕掛けたのは瀬川五段であった。中盤で飛車角の交換となり、角を成りこみ香得を果たした瀬川五段であったが、敵陣に飛車をおろした藤井四段の攻めに、自陣に得した香車を打つかたちとなり、藤井四段の攻め、瀬川五段の受けという局面の流れとなった。瀬川五段は巧みに自陣に侵入した竜を追い、自陣の安全を図るが、そのために手持ちの桂馬も自陣に投入した。一見もったいないような自陣への桂打ち(38桂馬:67手目)であったが、この桂馬は藤井陣に向かって跳躍し働く駒となる。

終盤、瀬川五段の王手により、藤井玉も中段に浮くが、瀬川五段の攻めが一呼吸ついたとき、藤井四段はすでに勝ちを読み切っていたのだ。108手目、藤井四段は56金と敵陣の歩の頭に持ち駒の金を打った。一見ただの金である。この手を見て瀬川五段が投了した。

鮮やかである。

歩の頭に捨てた金がもったいないと思うけれど、その金を取られたとしても、もっと価値のある敵の玉がとれる。そんな取りたくても取れない金が、重しのようにのしかかっているように終局図は見えた。

それにしても、美しい将棋である。異次元の強さに一体どこまで連勝記録を伸ばすのか?今はそれが楽しみで仕方がない。

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