受けの勝負手、自陣龍!専守防衛策は果たして成功するか?



一番大切な駒は玉(王様)

将棋の中で最も大事な駒は何かと言えば、玉ですよね。玉が取られてしまえばどれだけ優勢な局面でも負けになります。

負けないためには、玉を大切にしておくことが大事です。でも玉を大切にすると言っても、守りに偏ってしまうと、相手に好きなように攻められてしまいます。

適度な攻めも必要なのだと思います。

割合にすれば、受けが6割なら攻めが4割ってところでしょうか。

その辺のバランスを取り続けるのが難しいのではないかと思います。

今回は6回目です。これまでは下記の記事に書いています。
1回目『守りきって勝つ。受けの技術を磨くために。位を取って持久戦、の研究。
2回目『攻めに強い石田流を相手にどう戦う?位をとって戦う戦略
3回目『振り飛車に対して位取りを使って勝つためのコツとは?
4回目『勝負のコツは、相手の意表を突く手を指すこと。動揺すると間違える。
5回目『将棋の受けを鍛える。何もしないことが受けにつながる?

前回の局面を再度掲載します。

 

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先手、鉄壁の受け!

▲6七歩 △7八飛 ▲5八銀

後手に△24香車と打たれた局面は、先手にとってはけっこう危険な局面です。ぼんやりと香車と打ったように思えますが、そうではありません。

例えば、△27香成とされたら、▲同銀とは取れません。△85馬が▲69金を狙っています。この狙っている姿が俗に言うところの『睨み』ですね。角の睨みは最強です。

▲67歩と受けました。馬の睨みを遮断することは急務です。そこで、後手は△78飛車と飛車を打ちました。これも△27香成を狙っています。こう考えると24香車こそ最も強力な攻め駒に見えてきます。

なので先手は再度守りに▲58銀と打ちました。ここに銀を打つしかないのでは苦しいですが、後手の攻めを徹底的に防いだ結果、鉄壁の守りを築くことができました。

 

角筋の通し方!

△6五歩 ▲5五角 △8四馬 ▲6六歩 △8五馬

問題は後手のこれからの攻め筋です。どうやって攻めるのかと思っていましたら、やはり△85馬を働かせるしかないのですね。ここから後手の巧妙な攻めがあります。

△65歩と先手の角の動向を聞きます。先手は▲55角と逃げますが、後手は△84馬と引きました。たった一升後ろに引いただけですが、この一手は66~39の急所のラインに効かせた手です。

こちらのラインも厳しいので、たまらず先手は▲66歩と角道を遮断します。それを見て後手は再び△85馬と戻ります。この一手によって、先手は歩を後ろに戻すことができないため、後手の△85馬の効きを歩で止めることができません。

 

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自陣龍の受け

▲5九歩 △6八銀 ▲6五龍 △7五歩 ▲5六龍 △5七銀成▲同 龍

先手は、底歩を打ちました。▲59歩がその底歩と呼ばれるものですが、一番最下段に打つ歩を底に打つ歩と言う意味で底歩です。守りの手の中では、もっとも強力な守りです。

だいたい、金の下に歩を打つことが多いのですが、『金底の歩岩より堅し』というのは有名です。

後手は△68銀と打ち、先手の▲57金に働きかけます。この金を取られると、同銀と取り返した手が、ちょうど△85馬の効きが先手の▲69金に直射します。その結果、△69馬とされ、▲同銀と取り返すと、△78飛車で玉を取られてしまいます。

なので、この▲58銀を動かさないようにするためには、先手は巧妙に龍を守りに活用します。この一手がすごい手だと思いました。

と言うのは、▲65龍と引いた手が、まず85の馬取りです。それを防いで△75歩としましたが、▲56龍とした手が間に合いました。その結果、△57銀成を▲同龍と取り返すことができました。

龍は敵陣でこそ活躍する駒だと言われますが、意外と守りにも強力です。先手は徹底抗戦の構えですが、ここから後手がどのように先手陣を切り崩していくのか、注目です。

 

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追伸

将棋の面白さは、性分が出ることだと思います。守るのが好き、とか攻めるのが好きとか好みが分かれるところですが、性分とはまた違う要素です。

『この人には負けたくない!』って人と勝負したときとか、勝敗のかかる土壇場では、その人の持っている性分がモロに出てしまうときがあります。

実際に攻めの性分だと言っている人も、土壇場に指す手が守りの手であったりします。意外な自分の内面を発見して驚いたりするのも面白いです。

感情表現としての将棋は、やはり人と指したときにこそ現れるのではないか、そう思うこの頃です。

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