藤井聡太四段27連勝!東大生藤岡アマ、天才同士の戦い。終盤の鬼に雁木で挑む。



藤岡隼太アマは愛媛県松山市出身の19歳で、現在東京大学1年生である。2016年5月28日に行われた「学生名人戦」で見事優勝を果たし学生名人になった。奨励会に在籍していたことがあり、将棋の才能は素晴らしいものを持っていて、藤岡アマも天才の呼声が高い。「魚が暴れないように針で刺して、鬼みたいな勝ち方」と藤井四段の将棋を表現した。これは言い得て妙だと思った。その藤岡アマは、2017年6月17日に行われる第11回朝日杯将棋オープン戦で、藤井四段と関西将棋会館において対局した。

非公式戦ながら藤井四段に勝利した一人である永瀬拓矢六段からのメッセージが、対局前に藤岡アマに届けられたとのこと。
「自分が勝って名を上げようという狙いを持っているとなかなか勝てないと思いますので、やっぱり常に平常心を保ちつつ自分の力を出し切ってあんまり勝ちたい勝ちたいと思わないことが大切なのかなと思いますね」。このメッセージを「自分の力を平常心で出してください」というように受け止めて、藤岡アマは対局に臨んだ。

棋譜はこちら

対局は先手藤岡アマで、戦型は相居飛車で先手雁木である。雁木という戦法は、矢倉とは異なり、居角で角を使うことが多い。その角のラインに玉がいる場合にはかなりの攻撃力を発揮する。しかし、その半面、後手に飛車先の歩を切らせてしまうという欠点がある。矢倉と雁木と大きな違いである。
ちなみに、雁木という戦法の由来は、雪国で雪よけのために家々の軒から庇を長く差し出して、その下を通路とする雁木造からきていると言われる。江戸時代に、桧垣是安という人が考えた構えである。
この戦法の解説書などはあまり多くなく、この戦法をこの大舞台で用いた藤岡アマの気迫を感じる。

25手目65歩で角道を開く。この手を対局後に藤岡アマは「強気にいった手が伸びずに裏目にでた。目標にされてしまった」と語る。

実際に、この手に対し、藤井四段は機敏に反発した。73桂馬とし、65桂馬を見せ、銀上がりを誘う。6筋の歩を角で交換し、一歩を持ち、65歩と打たれても角を逃げずに8筋の歩の交換まで手順に行う藤井四段の手際の良さ。歩は交換して持ち駒にするだけで、攻め手側にとっては利が大きい。

局後、藤井四段に対しどのあたりで手応えがあったのかという質問に対し、「95歩と端をついて、そのあと96歩と詰めることができたのであのあたりでは指しやすいかなと思いました」とのコメントがあった。この95歩は、44手目に指された。実際にこの手を境に藤井四段の方に流れが目に見えて傾き始めた。具体的には、藤井四段に、歩得、桂得と駒得が重なる。攻めながら駒得しているのである。攻め手もだんだんと激しくなっている。66手目には飛車を切り、早くも寄せに入った。そこからみるみる内に先手玉は薄くなり、ほとんど藤井四段の一方的な攻めが継続されることとなる。先手は89手目23歩打ちから反撃をするも続かず、藤井四段の96手目26角から106手目76桂馬までで鮮やかに即詰みに打ち取られた。

鮮やかである。

藤井四段の、対局後に頭を下げる姿が礼儀正しく爽やかであり、見ていて気持ちがよい。

藤岡アマが局後、「畏敬の念というか尊敬しています」と語った。藤岡アマもまた立派であると感じた。

これで藤井四段の27連勝となった。いよいよ次回が28連勝がかかる一局となる。早く見たくて仕方がないのは私一人ではないだろう。

 

Sponsored Links