矢倉対雁木 森下卓九段に挑む弟子増田康宏。矢倉の大家と雁木で勝負!



矢倉の王道、森下システム

森下卓九段と言えば、私の将棋歴の中では、大恩人です。なぜなら、矢倉を勉強するにあたって、森下九段の書いた本はたくさん読ませていただき、大いに私の矢倉の血肉になっているからです。森下九段の矢倉といえば森下システムが有名です。

森下九段は、過去の先輩方の指し手をまとめたものであり私が発明したわけではないと謙虚な姿勢でいらっしゃいますが、その姿がまた私は大好きです。

森下九段は、”受けの森下”としても有名です。攻め将棋を棋風にする方が多い中、珍しい存在でもあります。しかし、その受け将棋が、師匠である東海の鬼と呼ばれた花村元司プロに叩きあげられたものだと知ったら、その受けに興味がありませんか?
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矢倉対雁木の一戦

森下システムは、矢倉の中でも、自分から攻め込んでいくわけではなく、相手の手に合わせて自分の手を決めていく柔軟性があり、そういう点が、手広く感じて好きです。

矢倉を巨大な大河と考えれば、堂々たる印象を受けるのが、森下システムの▲68角です。たった一手の角の動きが、その後の膨大な変化を見据えた最善の一手だというのがなんとも言えず奥ゆかしいです。

今回森下九段がその弟子増田康宏五段と対局します。師弟対決と言う意味で注目される一戦ですが、私はそれに合わせて、矢倉対雁木の一戦とも思っています。先手矢倉の森下九段に対して、後手の増田五段が得意の雁木で挑みます。

この対局、ぜひとも森下九段に勝ってほしいという気持ちを抱きつつ、並べてみました。

飛車先の歩交換をめぐる攻防

矢倉と雁木は、その大きな特徴の違いは守りの銀の位置です。私の考えでは、矢倉は飛車先の歩交換を防ぐということに重点を置いて銀を先手なら77、後手なら33の位置に配します。

雁木は、飛車先の歩交換を簡単に許します。そこまで拒否する姿勢がないんですね。でも77や33の位置に角を置いて一時的に防ぐこともあります。しかし、引き角から簡単に歩と角両方とも交換されてしまうのが難点でした。

今回の棋譜では、先手は飛車先の歩交換を角ですることもできますが、そうせず、角もろとも銀で攻め込む姿勢で▲26銀と棒銀に出ました。

ここから、後手は先手の攻めが来る前に、どんどん攻め込んでいきます。受けの森下の本領を発揮する流れとも言えるからおもしろいですね。

森下卓九段に挑む愛弟子増田康宏五段。矢倉対雁木、居飛車2大戦法の勝負。

雁木と矢倉、飛車先歩交換の是非と右金の位置。森下卓九段に挑む愛弟子増田康宏五段。
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一歩得の価値

たった一枚の歩を得することがいったいどれだけの価値があるのか、これについて教えてくれたのも森下九段でした。昔ある番組で、一枚の歩を得するということは、単に一枚相手よりも歩が多いということではないということをおっしゃっていました。

この意味は深いなって感動した覚えがあります。具体的には、1枚の歩をこちらが得すれば、こちらの歩の総数は10枚になります。一方、相手の歩の数を数えると8枚になっています。歩2枚の差がついているのです。

このことを知った時、一枚の歩といえどもおろそかにはできないなって感動しました。

さて、局面は、森下九段の一歩得です。ここからどう局面を優勢に導いていくか、そこにおもしろさがあります。

矛と盾。矢倉の受けと雁木の攻め。どっちが強い?森下卓九段に挑む愛弟子増田康宏五段。

中盤から終盤へのねじりあい

矢倉対雁木の中盤から終盤へのねじりあいです。両方とも堂々たる居飛車戦法です。押したり引いたりのかけひきをしながら、徐々に終息へと向かっていきます。一手指すごとに、指した方がよくなっているように見えるのは、局面が拮抗している証だと思います。

ぜひ盤に並べて鑑賞していただければと思います。

矛と盾。雁木の強烈な継ぎ歩攻めに対し、矢倉必死の防戦。森下卓九段に挑む愛弟子増田康宏五段。なるか、恩返し。

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