山川异域、风月同天!コロナウィルスに負けるな! 



中国武漢のコロナウィルスの脅威

中国の武漢で発生したコロナウィルスの問題。日本でも不安に思っている方は多いと思います。

最近、中国人の友人からあるお話を聞きました。友人は、日本にお住まいの方なのですが、中国の状況について、家族や友人から現地の状況を聞いているということでした。

現地には、日本からたくさんの支援物資が送られてくるようです。その多くは、マスクやウィルスの侵入を防ぐ医療用の服が多いそうです。

それらの物資が段ボール箱に入れられて送られてくるとのことです。

このことについて、中国の方はものすごく感謝しているということでした。

日本も大震災のときなど、たくさん支援していただいたりしたのでお互い様の面がありますが、その方の話では、普通に感謝、どころではなく、ものすごく感謝している、と言うことでした。

なぜそんなに感謝さているのか?と聞くと、送られてくる段ボールにメッセージが書かれていたということでした。

そのメッセージが、なんと、中国の漢詩であるというのです。

 
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中国最古の古典『詩経』

私は、中国古典の中では孫子が好きです。孫子の兵法を編み出した孫武や、その末裔で実践活用した孫びんの物語に大きく感銘を受けました。

中国の古典にはたくさんの英知のエキスがつまっています。

段ボールに書かれて漢詩は、唐の時代のものや、中国最古の詩集である詩経からのものもあるとのことでした。

中国最古の詩集と言えば、紀元前9世紀と、今から3,000年も昔の時代です。孔子が、門人の教育のために編纂したものとも言われるようですが、その頃の漢詩が段ボールに書かれているのです。

段ボールに書かれた漢詩の一つを引用します。

岂(豈)曰无(無)衣  →ピンイン qǐ yuē wú yī

与子同裳 →ピンイン yǔ zǐ tóng cháng

意味は、『着るものがないなんて言わないで。私のところで一緒にあたたまりなさい。』

 

鑑真和尚が決意した詩

鑑真和尚は日本史の授業で習った人も多いと思います。今から約1300年前に中国から日本に渡来するために5度も失敗し、失明してもなお諦めず6度目に日本に渡来された偉大な方です。鑑真が建立した唐招提寺は世界遺産となっています。

その鑑真和尚が日本へ来ることを決意した詩の一部です。この詩は天武天皇の孫の長屋王が鑑真和尚に当てて書いたものとされております。この言葉に感動し鑑真和尚は日本に渡航を決意したと言われます。

一つの詩に、一人の高名な僧をして、そこまでの決意をさせる力があるとは・・・。

その言葉が、今回の支援物資に書かれていたのです。

山川异(異)域  →ピンイン shān chuān yì yù

风(風)月同天  →ピンイン fēng yuè tóng tiān

意味は、『中国と日本、山や川が違っていても、同じ風、同じ空の下にいるではないか。』

というものです。

 

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まとめ

これらの詩が書かれた支援物資の段ボールを受け取った中国の方々のなかで、感謝の声が上がっているというのです。その話を中国人の友人に聞いて、私もとても感動しました。

中国最古の古典から引用した詩については、3000年という悠久の時を経たにもかかわらず、人の心は変わらないのだなぁ、という思い。

そして、鑑真和尚のエピソードからは、なんと1300年の時を経て、地層のように幾重にも重なった巨大な世代間コミュニケーションがなされたことになるのだなぁと。

1300年前に鑑真和尚をして日本に渡来する決意をさせたほどのエネルギーのある言葉を、今新型ウィルスに苦しむ中国の人々に向けて、エールとして贈る。

これこそ、真心のこもったコミュニケーションと言えるのではなないか。

中国の友人からこの話を聞いて、私は胸が熱くなりました。だから、今私にできることは、その思いを他の誰かに伝えることかなと思い、記事にしました。

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