おとり作戦で勝つ!受けつぶしのうまい人の玉は強い!



金銀をバランスよく配置して受ける

お読みいただきありがとうございます。

毎度のことですが、この記事は、巻末の棋譜を並べたときに、その要所要所の感想を書いています。並べ終わったあとならば、どこの何のことを言っているのか共感していただけるかと思います。ぜひ盤に並べていただければと思います。

大山康晴十五世名人の受けを勉強すると題して、気に入った棋譜を並べています。大山名人が後手矢倉で、先手を持つ棋士は、攻めっ気の強い棋士を選んでいます。

攻めをどうやって受け止めるか、そこに焦点があるわけですが、大山流の受けをいろいろ並べていて気付いたことですが、大山名人の守りは、金銀四枚で囲った穴熊のような、めちゃくちゃ堅い囲いに玉を囲うという守りの将棋ではないように思います。

どちらかというと玉周辺は薄い感じがします。

そのかわり、金銀がバランスよく配置されていて、全体で、相手の攻め駒を抑え込むという印象が強いです。

そういうところが本局にも表れています。

 

Sponsored Links

銀矢倉を堅くしない

相矢倉の出だしですが、本当に昔の矢倉って感じがします。というのは、普通後手は6筋の歩を突いたときは、急戦策を取る場合が多いです。しかし、銀矢倉の持久戦を目指しています。腰掛銀から銀を守りに引き付ければ銀矢倉です。

でも、なかなか銀を引き付けないところが大山流な感じがします。

どうして6筋を使う形だと急戦策が多いのか、についてですが、答えは角です。角が持久戦の場合、引いて使うのが一般的です。引いて使いづらいんです。5筋がついてあれば、すぐに△64角とベストポジションに行けるんですが。

そのあたりに銀矢倉が指されなくなった理由があるような気がします。

余談ですが、もし安定して銀矢倉の持久戦に組める手順があるならば、右四間飛車の急戦策と絡めて凄い戦略になると思うのですが。

6筋の位取り

位取りってすごいなって思います。伸びすぎって言われる場合もありますが、その位一つで、相手の陣形から進展性を奪い、自陣の駒の可動域が広がり、将来的には、攻めの拠点になる。

そんな位取りを矢倉で見るのは珍しいですが、本局では出ました。この歩が付ければ、角が守りの好位置について威力を発揮しやすいです。

先手は、それでも玉頭方面を攻めていきます。このあたり、攻めが勝つか受けが勝つか、そういう正念場を迎えつつあります。

後手としては、全力で先手の攻撃陣を押しつぶしに行く感じですね。

 

Sponsored Links

キングダム楊端和のような玉

キングダムという漫画があり、映画にもなっていて、長澤まさみが演じた楊端和という魅力的かつめっぽう強い女性の王様がいます。

たまたまキングダムを読んでいたから連想してしまったのですが、本の中で、玉をおとりにする作戦が出てきます。

玉を取れるとなれば、そこにみんな注目しますよね。攻め駒をさんざん引き付けて、敵の攻撃陣を牽制しつつ、守備を成功させる姿が重なります。

不思議なくらい、玉がつかまりません。玉自身、相当な強さを持っていることがわかります。

穴熊のように、玉が露出したらやばい、みたいな感じではないです。露出してからがこれから。って言うところに大山流受けの凄さが感じられます。

自陣角の受け

先手は角まで銀と交換して、駒損でも勢い重視で攻めてきます。後手は、冷静に相手の攻め駒よりも一枚多くするように手厚く守っていきます。

この相手の攻め駒よりも一枚多く守るっていうのが大事な気がします。受けが間に合わないから攻めるしかなくなるわけで、そういう攻めはうまくいきませんよね。

だったら、受けやすいところで勝負する方が実戦的です。

反撃ののろしを上げたと思ったのが自陣に角を打ち込んだ時です。角は敵陣から馬にして成り帰ると相当な強さを発揮します。しかし、角も打ちどころによって、めちゃくちゃ守備力を発揮します。先手の飛車が追われる展開です。

受けつぶしの本当の敵は相手の心

投了図を見ると分かりますが、先手の玉は詰まされていません。しかし投了です。局後の先手の感想をイメージするとおそらく、『攻めるのに疲れた』ではないでしょうか?

これ以上攻めても無理。そう思わせることが受けつぶしなのだと思います。

これってかなりすごい勝ち方だと思いませんか?

銀矢倉っぽい形となりました。銀矢倉は角をどう使うかが難しいと思います。

角の使い方に手数をかけても、要所に配置して、先手の攻めを牽制します。

もしライバルが攻めの上手であるならば、ぜひ受けつぶしを研究して見てはいかがでしょうか。

あなたの将棋ライフが楽しいものでありますように!(*^_^*)!

戦型:相矢倉 先手:高島一岐代

後手:大山康晴

1. 『日本一の攻め』の攻めを受け止める。受け将棋の魅力とは?
2. 角の活用に手数がかかるが、それで悪いか?
3. 人気漫画『キングダム』の王をおとりにする作戦は受け将棋の極意かも。
4. アマゾンプライムで映画『墨攻』を見ながら将棋の受けを考えてみた。
5. 攻め将棋は『攻めつぶし』、受け将棋は『受けつぶし』。
6. 受けつぶしは、相手の玉を攻めるのではなく、相手の心を攻めることなのだ
Sponsored Links