将棋において厚みとは何たるかを知りたければ玉頭位取りを研究せよ!



角頭の弱点を巧みに突く

『・』からの続きです。前回までの局面を再度掲載します。玉頭位取りの研究を通して将棋の厚みを学びたいと考えています。

後手が75歩と突いた局面です。この歩を取ると、△76歩から角をどかして△86歩と飛車先の歩交換から龍を作らせてしまいます。いつの局面も角頭は急所なのですね。

ちなみに手順は、

△76歩▲88角△86歩▲同歩△同飛車(参考)

です。ここで△87飛車成を防ぐのが難しいです。

▲6七金 △7二飛 ▲7五歩 △同 飛 ▲7六歩 △7二飛 ▲8八飛 △8二飛 ▲3六歩 △同 歩 ▲同銀左 △3五歩 ▲4七銀

△75歩を取れませんので、先手は▲67金と再度金を寄って守ります。さっき▲57金と指したばかりですから、明らかに手損をしています。逆に言うと、先手は後手に仕掛けさせたともとれます。ここから先手が良くなるかどうかが問題です。

Sponsored Links

玉頭位取りは縦の攻め!縦の攻めの主役は歩!

後手は飛車を△72飛車として圧力をかけ、7筋の歩交換にも成功しました。玉頭位取りの戦略として、持ち歩をどんどん蓄えることが大事です。飛車がいる側で歩をたくさん交換して手持ちにして、玉頭方面で使うようにします。

通常の振り飛車対居飛車の将棋は、横からの攻め合い競争のパターンが多いですが、玉頭位取りの将棋は、美濃囲いを上部から攻める形になるため、縦の攻めになります。縦の攻めに最も強い駒が歩です。

先手も玉頭で3筋の歩交換をしました。歩を手持ちにして攻め筋を増やそうという狙いです。しかし、玉頭の圧力を支える歩を盤上から消してしまったとも言えます。

私が玉頭位取りの将棋を指すとき、相手が、こんな風に歩を交換してきてくれた時、美濃囲いに傷ができたようでかなりうれしい気持ちになります。

落ち着いた角引き

△2五歩 ▲同 歩 △同 銀▲2六歩 △3四銀 ▲3七桂 △2二角

後手は2筋の歩も交換して待ちます。

先手は、▲37桂馬と活用し、位を盛り返していこうという狙いです。▲45歩とうまいタイミングで突くことができれば銀を引かせることができます。そしてできた▲46の空間に銀を進出できれば堂々とした陣形を構築でき、3筋の位負けを4筋で挽回できます。

この桂馬を跳ねるのは、勇気のいる手です。というのは、桂馬の頭は角の頭と同じくらいの急所です。しかも玉を守る桂馬ですから、その桂馬を狙われると一緒に玉まで危険になります。

さて、どうやってその先手陣を攻略するのか?その急所の一手が△22角です。この角引きは、△33桂馬と活用する手や、▲25桂馬や▲45桂馬と跳ねられたときに、角あたりを防いでいます。

 

Sponsored Links

怪しげな歩

▲6八飛 △3三桂 ▲6五歩 △同 歩 ▲5七金 △7三桂▲7五歩 △8四飛 ▲7八飛 △8六歩 ▲同 角 △6六歩

先手は6筋から攻めようと飛車を振ります。後手は△33桂馬と跳ねました。玉頭にさらに圧力をかけました。

後手の駒が玉周辺に偏っているので、先手は何とかして手薄なところから飛車を成りこみたいのですが、後手は巧みに防いできます。▲75歩から▲78飛車で、桂頭を狙ってきます。遮二無二桂馬の頭から攻め込んでいく気構えです。

こうまで執拗に攻められては突破されるのは時間の問題です。でも、破られてもかまわないのです。それまでの間に玉頭から殺到できればいいのです。

△86歩と突き捨て、▲同角とさせたのは、角を質駒にするためです。何かの時に飛車で角を取れれば、角を持ち駒にして攻めることができます。

△66歩と突きだした手が、何とも言えない怪しげな手です。この歩を取るとどうなるのでしょうか?

なんとなく地獄への片道切符的な印象の歩です。

 

追伸

玉頭位取りの将棋は、玉頭方面でどれだけ終盤に強力な攻めをできるようにしておくかが大事だと思います。

この棋譜を並べていて、玉頭位取り側の飛車の使い方が巧妙だと感じます。こちらで歩をどんどん交換されてしまうと、終盤の後手の玉頭の攻めは迫力を増します。

次回は、いよいよ後手の玉頭方面の攻めが炸裂します。

Sponsored Links