玉頭位取り戦法の戦い方のコツは玉の堅さよりも広さを活かすこと。



玉頭位取りの終盤

玉頭位取りの将棋を並べています。いよいよ佳境です。

香車を二枚端に並べて端玉に強烈な圧力を加えたところです。

前回までの局面を再度掲載します。

▲3六銀左 △同 歩 ▲5三銀 △3三玉 ▲1六桂 △4六角

先手は少しでも玉を広くしようと、▲36銀と桂馬を取ります。この桂馬が左翼への逃げ道を塞いでいますし、桂馬を持ち駒にすることで、受けにも攻めにも活用しようという意図です。

ここでは駒の損得など言っている余裕はありません。終盤は駒の損得より速度を重視するのが常道です。

先手は▲16桂馬と打ちます。守っては香車、攻めては玉の逃げ道封鎖に役立つ攻防の一手です。しかし、後手も△46角と攻防の一手を返します。攻めては28の地点を睨み、守っては24の地点に効かせています。

先手の攻めの頼りは龍です。何とかして後手玉を追い込みたいところですが、金銀2枚と桂馬では苦しいところです。

ここで先手が最も欲しい駒は角ですね。

上部への脱出口を塞いでくれる有力な駒です。仮に▲51角と打てれば、玉の逃げ道を封鎖することができます。

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玉頭位取りの長所

少し棋譜の進行から脇道に逸れますが、玉頭位取りという戦法の大きな長所の一つは、上部が広いことです。将棋の形成判断をする要素の一つに”玉の堅さ”がありますが、”玉の広さ”とは言いません。しかし、広いことの有利は大きいです。

穴熊などの堅い囲いは、金銀でガッチリ固めていますから堅いという表現がぴったりです。しかし、反面見方を変えると、逃げ場がありません。

玉頭位取りは、金銀がガッチリ囲って堅いってイメージではないですよね。どこか柔らかい感じがします。敵玉を上部から攻めていくことが多いので、自然と上部にスペースが広くできます。

 

玉頭位取りの玉を捕まえようとしたら

仮に上部から玉が逃げ出していかれたら攻める側は下から追っていかないといけません。しかし、下から追える駒って限られています。

前に進める駒は多いけれど、後ろに下がれる駒は少ないんです。

典型的なのは金です。金は前に立ちはだかるとこれほどの圧力を示す駒はありません。重厚で接近戦最強の駒と言えます。しかし、ひとたび金が後ろの敵を攻めようとすると、歩と同じように後ろに一歩しか進めません。

それに比べて銀が前に立ちはだかったとき、横に進めない分金ほどの圧力は感じませんが、後ろに進む場合には2方向に進めます。金よりも多いです。その分だけ、後ろの玉を追う場合には銀の方が上です。

玉頭位取りでは攻めに大活躍する桂馬や香車、歩は、後ろに進めません。ということは裏を返すと、上部に手厚い陣形を布いた玉頭位取りで、上部に逃げ出す展開になった時、これを追う側にとって、桂馬や香車や歩はどんどん役に立つ機会がなくなっていきます。

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詰むや詰まざるや。自玉がどれだけ危険なのか?

▲2四金 △同 角

脇道から棋譜の進行に話を戻します。

ちなみに△46角と打った手は詰めろです。例えばここで先手が▲52龍としたら、

△17歩▲同玉△28銀▲同金△同角成▲同玉△37金▲17玉△27金▲同玉△37金▲29玉△28歩▲18玉△27銀▲17玉△16銀成▲同玉△15香

となって、先手玉は詰みます。

最後に二段に並んだ香車が玉を仕留めます。かっこいいです。

なので、先手は金を捨てながら、角を引かせて自陣を安全にします。

このように一目、どうして金を捨てるの?52龍ではダメなの?って疑問に思った手の背後には、恐るべき変化が潜んでいるから、将棋は面白いですね。

他にも詰み手順に変化がありますが、詰みます。興味のある方は盤に並べて検証してみてください。

この詰み筋はもし仮に詰まなかったら、後手玉は▲32金から詰まされてしまいますので重要な変化です。

背に腹は代えられないからこそ金を犠牲にして角に引いてもらったのですね。

追伸

終盤戦において、詰み筋を見逃して負けることは多いです。一見詰みそうもない局面や、長手順で詰む場合など、わかりにくい局面が実戦では出現するので仕方がないことですが、そういう負け方はとても悔しいですよね。

ぜひ、他の変化を調べてみてください。

最後までお読みくださりありがとうございます。あなたの将棋ライフが楽しく実りあるものでありますように!(*^_^*)!

 

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