玉頭位取り戦法から学んだことは、中段玉は寄せられにくいということ。



終盤は駒の損得より速度

▲5二龍 △1七歩 ▲同 玉 △1五香上▲1二歩 △3五角 ▲3六銀 △2五桂 ▲同 銀 △同 銀 ▲4四銀成

 

先手の▲52龍は、龍を後手玉に近づけながら、後手玉の行き場所を狭くしています。金が一枚でもあれば▲32金からの詰みです。しかし、先手はいかんせん無い袖はふれません。

もしかして、▲52龍とする手で▲24桂馬と角を取りたいと思う人もいるかと思います。しかし、これこそ駒得に目がくらむというものです。王手ではないので先手を取ることができませんし、先手玉自身の頭を守る駒がなくなれば、2段香に威力を発揮させてしまいます。

終盤は駒の損得より速度と言いますが、先手にとっては角を取るよりも、龍を敵玉に近づけて、桂馬を取る方が勝ります。

後手は、△17歩から玉を釣り上げて、△15香と香車を走ります。間接的に▲24桂馬と角を取る手を防いでいます。仮に▲24桂馬と角を取ると、先手の玉が香車で取られます。

先手は▲12歩と香車の圧力を緩和しようとしますが、今度は△35角から玉のこびんを攻められます。

角のラインは受けにくいです。このままだと25桂馬と王手されて先手玉は非常に危険です。先手は▲36銀から必死に守りますが、それでも後手は△25桂馬と強引に攻め込んでいきます。

△25銀となった後、もはや受け切れずと先手は▲44銀成と最後の攻めを敢行します。

 

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中断玉寄せにくし

△同 馬 ▲4五桂 △3四玉▲3二龍 △4五玉 ▲4七金打ち △2六銀 ▲投了
まで144手で後手の勝ち

先手の▲44銀成を後手は△同馬ととりました。忘れ去られたように盤上隅っこに居た馬が遠く守りに効いていました。

馬の守りは金銀3枚分と言われますが、めちゃくちゃ堅いです。

先手は▲45桂から攻めてきますが、後手玉は上部が広いのでどんどん上に逃げていきます。先手は▲47金と玉の退路を縛りました。しかし時すでに遅しですね。後手の△26銀の王手を見て先手は投了しました。

この投了図から分かることは、先手の竜が後手陣を荒らしながらも、逆に後手は中段に玉を上がっていきます。追われているから逃げるのか、はたまた追わせておいて逃げるのか?どちらにせよ、先手の竜が威力を発揮していないことが分かると思います。

玉の逃げ道を塞ぐように攻める場合、龍の威力はすさまじいですが、大海に逃げる玉を追うのはのれんに腕押しな感じが否めません。

投了図以下の手順

投了図以下は、▲18玉か▲28玉と逃げますが、どちらも△27銀打ちとして詰みます。

一例を示しますと、

▲28玉△27銀▲同金△同銀成▲同玉△26銀▲38玉△37歩▲49玉△38金▲59玉△68角成

他にも逃げ方はありますが、すべてばらしていけば詰みます。金銀の持ち駒が豊富な後手にとって、薄い先手玉を詰ますのはたやすいです。

投了図を見ていただくと分かりますが、後手玉は中段まで逃げてきています。それに追従するかのように味方の駒が一緒についてきています。

先手が後手玉を攻めると、後手がそれを防ぎながらも先手玉への攻撃にもなっています。この辺が玉頭位取りの凄いところです。

 

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まとめ

これまで5回に渡って、有吉先生と大友先生の玉頭位取りの将棋を並べてきましたが、学ぶことは大変多かったです。

一局を通じて印象に残ったのは、玉頭方面の攻めを成功させるためには、飛車側での丁寧な指し方が大事であるということでした。

終盤の入り口で、雪崩のように攻めていった後手の玉頭攻撃が迫力ある攻めでした。

月夜の晩に、焼酎のロックと将棋盤に漆の駒。ぜひ盤に並べてくださればと思います。

最後までお読みくださりありがとうございました。

あなたの将棋ライフが楽しく実りあるものでありますように!(*^_^*)!

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