藤井聡太五段、三間飛車退治。攻めの手番を渡さない勝負術。前編



藤井五段の三間飛車に対する将棋が見てみたかった。

2018年1月11日の竜王戦5組ランキング戦での藤井聡太五段対中田功七段の対局です。戦型は先手中田七段の三間飛車対後手藤井五段の穴熊です。

この対局を記事にした理由は、藤井五段の三間飛車をどのように対策するかということに興味があったのと、相手の中田七段は、三間飛車の第一人者中の第一人者だからです。中田七段は、大山康晴15世名人の愛弟子であり、大山名人も先手三間飛車を多用されていました。

中田七段の三間飛車は職人と言われるほどの、美しい終盤の詰めが魅力です。どれだけ美しいのか、私なりの表現で申しますと、よく焼き魚、例えばさんまをきれいに食べる方いらっしゃいますよね。きれいに骨だけを残すようにの骨以外の肉を食べている人。

このイメージを思い浮かべてくださいね。中田七段の場合は、魚の形はそのままで、その中の骨だけを抜き取った感じです。見た目は魚がそのままあります。しかし中にあるはずの骨がない。骨だけを抜き取る、これが玉だけを仕留める、という感じの将棋です。因みに佐藤天彦名人の師匠でもあります。
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藤井五段、対三間飛車は穴熊を採用

早速ですが、棋譜を。

▲7六歩 △8四歩 ▲7八飛 △8五歩 ▲7七角 △3四歩▲6六歩 △6二銀 ▲4八玉 △4二玉 ▲6八銀 △3二玉▲5八金左 △3三角 ▲3八銀 △2二玉 ▲5六歩 △1二香▲4六歩 △1一玉 ▲3六歩 △2二銀 ▲1六歩△5四歩▲3九玉  



オーソドックスな先手三間飛車対後手居飛車穴熊です。15年位昔の手順では、後手右銀の動きがポイントであったと思います。この右銀を守りに使って4枚穴熊を目指すのか、それとも攻めに活用するのか?

急戦対策か?低く隙のない穴熊。銀より金。

△5一金右 ▲1五歩 △3二金 ▲3七桂



銀の活用を後回しに、金を△5一金右と寄せました。△3二金と上がったことで、先手からの休戦に備えて、▲4一角の傷を消している意味があるのかなって思いました。先手は桂馬を活用して、後手玉頭の攻めの下準備です。
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引き角からの攻め~攻めの主役は桂馬~

 △4二角▲5七銀 △7四歩 ▲6五歩 △7三桂 ▲6八飛 △5五歩



△4二角と引いて、飛車先の歩交換を狙ってきます。先手は、▲6五歩とつきましたが、この歩は後手に桂馬で狙われてしまいます。この歩を突いた理由は何だったのか?自分なりに解釈すると、

△86歩▲同歩△同角▲88飛車

となった時、△77角成りとすると▲82飛車成りと飛車をす抜かれて先手が大成功です。

しかし、この時△85歩と歩を打った時、66角とかわすために65歩をついたのだと思っています。

ちなみに、▲65歩を突く前に▲57銀と上がっていないと、

△86歩▲同歩△同角▲88飛車の後

△87歩と打たれ、▲同飛車と取ると、△75角と引かれてしまい、これが王手です。なので角を▲同歩と取ると、△87飛車成りと飛車を取られてしまいます。

 

本譜に戻って、▲68飛車は桂はねを防いだ手です。そうしておいてから後手の指し手は

△55歩

これは一体・・・・・。

 

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