ジャンボ尾崎プロのパッティングの苦悩と50歳名人の米長邦雄九段



ジャンボ尾崎プロの魅力

私はジャンボ尾崎さんが大好きです。めちゃくちゃ力強く豪快に飛ばすところも好きですが、職人的で繊細なアプローチなど、ものすごくそのギャップが魅力的だと思います。

かつて『豪快なドライバーショットに隠れたジャンボ尾崎選手のアプローチショット写真が脅威的に美しいと感じた話』の記事にも書きました。

さて、ジャンガーゴルフさんから貴重な動画がアップされてました。

ジャンボさんの深い悩みと、それに正々堂々と向き合っている姿が伝わってきます。テレビのゲストに故米長邦雄先生が出ているのが将棋愛好家の私としてはすごくうれしかったです。

ジャンボさんの悩みが、米長先生の目にはどう映るのか、そのあたりの部分も興味深いところです。

今回、こちらの動画がゴルフだけでなく生きるために凄くためになると思い記事にしました。

 

 

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全米オープンでのパッティングの苦悩

この動画は、1995年にジャンボさんが全米オープンに出場した時の話題を放送したテレビの内容でした。

この時ジャンボさんは48歳です。全米オープンで世界の頂点に立つという悲願を惜しくも達成できなかった原因は、パットの不調だったといいます。

首位を走るグレッグノーマンに追いつくために、重要なパットのシーンが映し出されました。

そこで、10メートル以上のパットに臨むときのジャンボさんの回想です。

『俺はジャンボ尾崎だ。なんでこんなのにビビってんだ』

勝負師の心の中を垣間見たような思いがしました。

何と戦っているのか?まさに自分自身と戦っているのだな、と。誰も助けてくれない、孤独な戦場で。

結局、10メートル以上のロングパットを寄せきれず、2メートルのパットを残します。これを沈めることができず、これを境に優勝争いからどんどん後退していきました。

イップスという試練

ジャンボさんが初めてパターのイップスという試練と出会ったのが、7年前の1988年の日本オープンで、その優勝を争うときの映像が出ています。

3度仕切り直しの映像でした。入れれば優勝、外せばプレーオフのわずか70センチメートルのパーパット。

私はこの映像を今回の動画よりも前に見たことがあります。

その時は、イップスのことなど話題にしておらず、優勝を決めるパットはさすがのジャンボにとっても痺れるんだな、そのくらいに激闘だったのだなって思っていました。

70センチと言えば、外すわけがないと大半の人が思う距離です。しかも打つのは第一人者のジャンボ尾崎プロです。

70センチと言えど、一流の勝負師は最後まで気を抜かない。

まるで獅子がウサギ一匹を狩るのに全力をあげるようにするのと同じで、ジャンボは70センチと言えども気を抜かない姿勢を示しているのだと思っていました。

今回の動画を見たとき、イップスだったことを知り、あぁそうだったのか・・・と思いました。

 

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50歳名人、故米長邦雄九段

テレビで、ゲスト出演していたのは将棋の故米長邦雄九段です。私は将棋も大好きで、米長先生を尊敬しています。先生の本はたくさん読みました。

なぜ米長先生だったのか?見ていてピンときました。

今回ジャンボさんが全米オープンでパットが不調であったのは老化によるイップスだということでした。

米長先生は、1943年生まれで当時52歳であったと思います。米長先生は、49歳で名人を獲り、50歳名人として騒がれました。

将棋の世界では、50歳近くになればすでに棋士としてのピークは過ぎていて名人位を獲得するのは年齢的にも難しいとされていたのです。

老化によるハンデは、将棋の世界ではものすごく大きなものです。数字の計算がだんだん若い時よりも遅くなるのと似ていますよね。それを跳ね返して名人を獲った米長先生は偉大です。

当時、どれほどのシニアに希望を与えたか知れません。

きっと、ジャンボさんの復活を願う気持ちから、米長先生をゲストに迎えて老化に立ち向かうコツを報道したかったのではないかと思います。

米長先生の言葉

『経験はプラスになるものだが、イップスのようにマイナスに働く場合がある。これを克服するためには、忘れることが大事。忘れるためにうんと勉強する。しかし、イップスにかかるというのはものすごく勉強して、素晴らしい選手でなきゃかからないはず。』

米長先生は上記のように語りました。矛盾しているような理屈だけれども、とも言われてましたが、一流の勝負師でなくては辿り着けない境地なのかもしれません。

その言葉を象徴するように、ジャンボさんは語っています。

『日々研究ばっかり。嫌になるくらい。夜も寝られない。』

何かを追い求める、まるで求道者のような姿がそこにあるようです。

 

自分の姿を一番わかっているのは自分で、一番わかっていないのも自分。

ジャンボさんが番組の中で語っていた言葉で、ものすごく心に刺さった言葉でした。

超一流が発した言葉であるからこそ、この言葉の持つ計り知れない重みを感じます。

どこまで修練を積んでも、自分を分かることはないのだろうか。

ジャンボさんは、写経をはじめ心のトレーニングもされているとのことでした。書棚には、禅についての本があったのが気に止まりました。

心に不安や悩みを持つ方は座禅を組むことで、心を鍛錬していたと聞きます。

孤独な闘いに打ち勝つヒントを、探し続けているうちに禅に出会ったのだなって思いました。

その孤独な闘いを、次のように言葉で表現していたのも印象に残っています。

『自分の気持ちみたいなものが一つの形をつくってくれない。なんでダメだったんだというものが俺の中にすごく強く映る。それとの勝負だね。そういうものを無視して自分がまだ新しい自分をつくることができるか。』

ぶつかる壁の大小はあるにせよ、万人にも当てはまることだと思います。

迷う心、自分を責める気持ち、いっそ心を捨てられたらいいのにと思います。

だから世に達人と言われる人は、『無心になれ』と諭すのでしょうか?

 

70歳を過ぎてもレギュラーツアー

ジャンボさんの動画から、毎日が苦しい自分との闘いなのだということが伝わってきます。

日常すべてが、勝負に繋がっていると。

その戦いから逃げたら、きっとそこで勝負は終わってしまうのだと思います。

今もなおレギュラーツアーで戦われるジャンボさんに心から敬意を表します。

ジャンボさんはその苦しい戦いから逃げずに、ずっと戦って来られて、今なお戦っているのですから。

その姿は、たくさんの人に希望を与えてくれると思います。

これからもまだまだ頑張ってください!応援しています!

ジャンガーゴルフさん、貴重な動画ありがとうございました!!!

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