藤井聡太五段、三間飛車退治。攻めの手番を渡さない勝負術。感想編続き



桂馬が攻めに参加するスピード感が堪らない。駒の損得より速度。

前記事に引き続いて、印象に残った局面を振り返りました。

この局面です。

この局面は、▲63歩成りと成ったあと、△65桂馬と跳ねた局面です。△65桂馬は、金取り、▲63歩成りは銀取り。銀桂交換の駒の損得の話は、当然ながらここではまったく通用しなくなっています。

むしろ駒の損得より速度といった状況で、後手は、同銀とと金をとるよりも、桂馬を跳ねて先手の金を取りに行きました。実際に、先手は、▲58金と引いたので、先手の▲63歩成りよりも後手の△65桂の方が速度的に価値の高い手であることが分かります。

△63歩成りは、と金攻めを目指した手というよりは、歩切れを補ったという印象も強いです。先手で歩切れを解消できれば、大きいという感じもあったのではないか、と推測します。終始、攻めの手段である歩切れが先手はつらいです。

後手が先手に歩を渡さないように攻めているようにも思えます。桂馬が主役ですよね。△55桂馬が△67桂成となって、2枚目の桂馬が戦線に参加してきます。

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桂馬が跳ねる順番。手番を渡さない繊細かつ厳しい手順

この△67桂成という手自体は、△65桂と跳ねる前にも実現できた手ですが、先に成ってしまうと、▲57金との交換となります。これは細かなところですが、私にとってはすごく勉強になる手でした。

例えば、△65桂を跳ねずに△67桂成を先にしたとします。この時、先手は、▲57金を逃げるとしたら、▲47金と▲56金があります。56金は駒が離れますので、形よく玉に近づける▲47金と逃げると思います。この後65桂と跳ねても、▲57金が逃げていて、金取りに成らないので先手が取れません。

もう一度△65桂を先に跳ねた局面を考えると、この時、△55桂がいるため、▲57金の逃げ場所は、▲58金か▲56金しかありません。しかし、▲56金は金が離れますので、▲58金になるかと思います。この後、67桂成となった手は、またもや金取りです。

こうして見ると、先に△65桂をはねた場合、△65桂も△67桂成も先手で入ることになります。これって攻めの手番を握るためにかなり勉強になる手順であると思いませんか。私の攻めが続かない理由を見つけた瞬間でした。(-_-;)

銀と桂馬の競争。頭の丸い駒では玉に迫れないジレンマ

最後に、投了図になる局面です。△57桂不成です。基本通りの敵の守りの金に働きかける攻めです。こういう攻めが△73桂が△65桂、57桂と跳ねて来て、相手を投了に追い込みました。

この将棋は、先手の銀が▲45銀から34銀に出て攻めに参加していくスピードと、後手の右桂が攻めに参加するスピードがどちらが早いか競争しているように見えていました。先手は、歩がほしいと思いつつも、相手の攻めゴマが桂馬である以上、「頭の丸い(前に進めない)桂馬をもらってもしかたがないよ」って感じだったのかなって思います。

最終的に先手の駒台の上に、頭の丸い角がずっと残っていたのが印象的でした。

 

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。また別の印象に残った棋譜がありましたら、記事にさせていただきたいと思います。その時はまたよろしくお付き合いのほどお願いします(^◇^)

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