藤井聡太五段対羽生永世7冠の注目の初公式戦。羽生7冠、雁木で応戦するも、難局を制したのは藤井五段!続中編



先手端の自陣角、後手対応はいかに!

前回、自陣角を打った局面までいきましたので、再度局面を掲載したいと思います。

この自陣角をどう受けるかが問われます。

単なる角交換?それとも深謀遠慮の自陣角?

△4四角 ▲同 角 △同 銀  

”敵の打ちたいところに打て”という格言、”角には角”という格言、両方合わせた形の△44角でした。しかし、これは予想出来た手でもありましょう。この角は、同銀と取らせることによって、44歩と打つことなしに、後手の銀を44につりあげた形です。

結局、この44銀と浮いた形が、77角や66角と打った時に当たりになるといった効果と、後手の急所の守備駒である△32金への連結を断った手でもあります。一見単なる角交換で終わったように見えますが、巧妙な意図があったように思います。

単なる角交換?それとも深謀遠慮の自陣角?

▲1五歩 △同 歩▲2四歩 △同 歩 ▲1五香

ここから、先手の攻めが始まります。端を突き捨てて、2筋を合わせて、▲15香車と走りました。これを後手が同香車と取ると、先手▲24飛車と走った時に、後手が△23歩と受けた後、▲14飛車と回る手が生じます。

こうなると、飛車の侵入をはばむことができません。桂馬が跳ねると、端が極端に弱くなる典型的な形です。

開戦は歩の突き捨てから。

△1二歩 ▲2四飛 △2三歩▲2九飛 △7五歩

結局後手は△同香車と応じることはできませんので△12歩と受けます。ところで△13歩と打ってもよさそうに思えますが、▲同香成と構わず取ります。一例を示しますと△同香に▲14歩△同香▲24歩△同歩▲同飛車と走った手が△14の香車取りになっています。

後手△12歩と守った手に対し、先手は▲24飛車と走ります。後手△23歩と受けたので飛車を最下段に引きます。結果として先手は端歩を持ち駒として駒台に置くことに成功しました。

ただ、攻めの手番が後手に回りましたので、後手がどこから手を付けるかと見ていましたら、△75歩でした。”開戦は歩の突き捨てから”と言われますが、前譜で銀を77に呼び寄せたことからも、7筋から桂馬を突かって攻めていきたいところだと思います。

美しい効き筋の下段飛車。

▲6六銀 △9五歩 ▲同 歩 △9七歩▲同 香 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8一飛

▲7五歩同歩と取らずに銀をかわしました。後手は△95歩と端を絡めて攻めてきます。△97歩と香車をつりあげ、香車を桂馬の効き筋に入れておいて、△86歩から飛車先の歩を交換して△81飛車と下段に引きます。この下段飛車が飛車の横効きが玉の下段を守って効き筋が美しく感じます。

いよいよ中盤の難所。ここが正念場!

▲3五歩 △同 銀 ▲5五銀左

。先手の藤井五段はどこから手を付けるのかな~って見ていましたら、手はあるものです。▲35歩と突きました。この歩、パッと見て気付かない手ですよね。△同歩ならば、▲34歩と打たれてしまいます。かといって取りこまれると玉のこびんに歩が垂れてはひどいですので△同銀ととるしかないところです。

ここで、銀の効きをそらせておいた効果で、▲55銀とぶつけて行きます。いよいよ攻めが激しくなっていく流れです。まさに中盤の難所といったところでしょうか。

次回に続きます。チャオ!

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