藤井聡太五段対羽生永世7冠の注目の初公式戦。羽生7冠、雁木で応戦するも、難局を制したのは藤井五段! 後編



中央で駒がぶつかる!局面は本格的攻め合いに突入す。

前回、激突前夜の局面までいきましたので、再度局面を掲載したいと思います。


▲55銀とぶつけた局面です。この局面をじーっと見ていて、感じたことを書いてみます。

玉の守りは先手が金一枚に対して、後手は金二枚。飛車も角も特に大差ないでしょう。手番は後手です。私は、この局面最後まで知っているから思うのかもしれませんが、玉頭に歩が効くかどうかが大きかったと思います。先手は4筋の歩が切れています。また、持ち歩が先手は4枚。持ち歩の数は、鉄砲の弾の数と同じような意味合いがあります。

壁金にしてから銀をとる呼吸。

△8八歩 ▲同 金 △5五銀


この△88歩が、先手玉を壁金にして大きな手だと思います。これにより4筋からの厚みが後手にとっては大きな意味をもってくるのでは?とおもいました。そのあとに△55銀としました。

えッ23の守りは? えッ、意表の△99銀打ち。

▲4三歩 △同金左 ▲5五銀 △9九銀


先手が43歩と玉頭を一本叩いてから銀を取り返し、次の▲44歩を先手で打てるようにした手は自然な感じに思われますが、それにしても、驚いたのは43歩の叩きに対して、同金左と後手が取ったことでした。この手を見て2筋の守りを放棄したように感じたのは私だけでしょうか?

因みに、なぜ43歩を後手が△同金左と取ったのかですが、同金右で取ると飛車を角でいじめられる手で後手は困るのかなって思いました。63や72から角を打たれるとうるさいと思われます。

しかし、2筋に飛車を成りこまれてしまいそうなので、ゆっくりできない後手としては、さて、どうするのかな~って見ていると、△99銀!!!

なんじゃ、こりゃー。って手でした。お茶を飲んでいたら、ぶーっていってしまいます。だって、せっかく壁金にしたのに、その金に働きかけにいくなんて、しかも一番せまっこいすみっこに銀を打つとは~~~ッて感じました。

でも、この金を盤上から消してしまえば、飛車の当たりが相当脅威になります。そう考えると、理にかなっているのかもって思いました。

凄まじい攻防!守りの金は美しい!

 ▲9八金 △8八歩▲2三飛成 △8九歩成 ▲6八玉


▲98金と寄った手に対し、後手は△88歩と打ちました。これに桂馬を逃げる手は、△76歩の取りこみが相当厳しいです。したがって、ここは、潔く(?)▲23飛車成りです。

竜が玉の間近に迫る中、後手は一本89歩成を王手で利かしました。先手は▲68玉と広い方に逃げます。ここで先手玉が2枚目の金である▲48金に近づいていくようにすることで、逃げながら玉の守りを堅くしていきます。

玉を守るために金銀を連結させて堅くするという穴熊のような感覚ではなく、バランス良く配置した金銀の場所に玉を逃げながら寄っていくことで守りを強める、みたいな感じでしょうか。

▲98の金は絶妙です。後手の飛車の侵入を防ぐべく87の地点を守っています。仮にと金で攻められたとしても、銀を質駒にしているので、最低でも銀との交換を可能にしています。

金は守りに力を発揮する駒です。この金は精一杯守っています。健気です。「守りの金は美しい」とかつて大山康晴十五世名人は言われたそうですが、本当にそう思います。

竜を敵陣にとどめよ!

  △3二角 ▲2二龍 △2一歩▲1一龍


後手はやはり竜を何とかしないといけません。金銀の金駒がありませんから、△32角と打って先手を取って受けます。後手も「竜は敵陣で使え」の格言通り、侵入を図ります。しかし△21歩と後手も徹底して竜をしりぞけます。▲11竜となおも敵陣に留まろうとします。こんなすみっこのほうに竜を追いやられてしまってはさすがの竜も・・・。

本日はこの辺で。続きは次回!

チャオ!

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