藤井聡太五段、広瀬八段に勝つ!もっと騒がれてもいい勝利。やっぱり天才藤井聡太の自陣角はかっこいい!後編5



我慢!大崩しない!自分から倒れない!

前回の局面を再掲載します。

先手が▲74銀と進撃した局面です。ものすごい迫力の寄せです。なんせ玉頭に金銀3枚が並んでいます。ラグビーのスクラムをイメージさせるような攻めです。因みにこの局面、次は後手の手番ですが、先手の手番だったら詰むのでしょうか?

私のつたない読みだと詰みません。しかし、次に詰むというところまで持っていけると思います。考えたこと記します。

▲73金△同銀▲同銀成△61玉▲53桂(ここでこの桂馬を打てるのが急所。馬筋が止まるので頭金の詰めろが生じています。△同馬と取ると、▲同銀成。これを△同飛車と取れません。取ると62金打ちの頭金で詰んでしまいます。飛車が斜め後ろに行けたら~。)△51玉▲62金打。こうなると32の成桂まで効いてくるので凄まじいです。こういう風に勝てたらこういうのを”勝ち将棋鬼のごとし”って言うんでしょうね。

さて△61玉と逃げる手で、△71玉と逃げる手については、▲63桂打ちです。これで、△同角と取れば、▲同銀成と取って良しです。そうしないで、△61玉と逃げると▲51金打ち。△81玉と逃げると▲82金打ちです。

ちなみに△61玉でかわりに△同飛車と取られると形成は先手がかなり良いと思いますが具体的に詰ますところまでのイメージは、先ほどの変化とくらべると湧きません。飛車をとって▲43飛車から王手角とりをかけて、45飛車成りで次に75竜を見せる手しか思い浮かびませんでした。ごめんさない。

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奥の深い桂跳ね。先手の攻めを後退させる妙手!

△8五桂 ▲同 金 △7六歩

この△85桂はすごい手だと思いました。この桂馬を逃げる手が、攻め駒を敵に渡さない好手です。我慢の手です。辛抱の手です。これを攻め駒の足りない先手は▲同金と取りました。

攻め駒が一歩後退しました。前進し続けた先手の攻め駒が後退したことに、少し不安を覚えつつ、攻め駒を引かせた後手の桂跳ねに感動しました。もしも後手が勝利したとしたら、この手が勝因となるような気がします。

その一手を活かすべく指した後手の手は△76歩です。ずぃッと先手玉頭に伸びた歩。この歩が先手に届くか否か。間合いをはかり間違えると即どちらかが倒れるという、超緊迫した局面です。

角の睨みを遮断。そのほかにもいろいろな意味が・・・

▲5六桂

やはり先手の嗅覚は鋭敏です。何かの間違えで、後手に金を一枚でも渡せば、△78角成から殺到して一気に先手玉を詰ましてしまおうという逆転の一手を狙っています。なので先手は▲56桂と角の睨みを遮断しました。しかも、攻め駒の64銀に紐を付けている点にも注目です。

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入玉のルートを開いた手?守りにも効かせて含みのある手。

△3六馬

この手は、私の解釈では、入玉のルートを開拓した手ではないでしょうか?もしかしたら生じるかも知れない入玉の手順を、先手の▲56桂で44の地点を防がれてしまいました。なので、35の地点を用意した、と私は思いました。

あとは、63の地点を補強という意味でしょうか。先手の持ち駒は金一枚なので、打ちこまれるとすれば63かな~って思うんですが。今▲63金と打ちこまれても大丈夫な感じはするんですが・・・。それ以上の意味は私には残念ですが・・・・深すぎる~。

この手はいったい・・・。時が止まる手。

▲3七金 △投了

この▲37金を見て、一瞬、時が止まりました。この手はいったい・・・

またこの感想です。この思いが何回心に浮かんだことか。一見全く意味不明です。先手はどのように攻めを続けるのか?もしかしたら攻めが途切れてしまっているのでは?などいろんな思いをいだきながら見ていましたので。

全く予想しない手が盤面に出現して、その理解をするためにかなり時を要する感じです。

しかも、この手を見て後手投了。

次の行までの間はかなり時間が経過しています。

平凡は妙手に勝る。

私の解釈です。将棋は頭金まで打たれて明確に勝敗が決まる場合と、そうでない場合があります。今回は後者です。後手はもう勝ちようがないと思ったから投了したのでしょうが、一体、この▲37金にそう決意をさせるだけの威力があるのか、私の力では分かりません。しかしそれでも考えたことを示そうと思います。

これを普通は同馬と取ります。取るはずです。ここは異論がないでしょう。

取った手が▲64の銀取りになってる?と思いきや先手の56桂の紐がついています。もうきっと56桂を打った時からこの変化を先手は頭に描いていたのでしょうね。問題はこの次です。おそらく飛車を切るのでしょう。▲45飛車と。これも後手は△同飛車でしょう。

ここで▲63角の王手飛車が目にとまります。王手飛車です。でも目的は、王手飛車じゃないんです。もし後手が△61玉と逃げて、「あ~飛車取れてよかった。」って▲45角成とか指したら△49飛車から馬を抜かれてしまうんです。

じゃどうするの?って思うんですが、△61玉と逃げた手に対して、▲72金と打ちます。すると、△51玉と逃げます。そこで▲41成桂。

この瞬間、”勝ったど~”って雄たけびをあげたくなります。しかし、冷静に後手に△同飛車と取られて開いた口はしばらく閉じられません。

だったらこの後どうするの?って怒りの声が出そうですが、”平凡は妙手に勝る”と言ったのは大山十五世名人ですが、

▲63銀直成△81玉▲72角△92玉▲83金△同銀▲同銀成

の7手詰みです。

今回の記事はたった6手の内容についてのものでしたが、考えると味わい深いですね。本当に濃いです。濃すぎるくらいに。

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